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ブラジル

  • 2024-11-16
  • 2024-11-16

ロンドン発!優れた作曲とアンサンブルで聴かせる本格派ショーロバンド、Alvorada 新譜

イギリス・ロンドンを拠点とするバンド、アルヴォラーダ(Alvorada)。5人のメンバーで構成される彼らは、ショーロを中心としたブラジル由来の高揚感溢れる音楽を現代のロンドンの視点から捉え演奏する。2019年のデビュー作『First Light』以来の2枚目となる今作『Faz Tempo』ではほとんどをオリジナル曲でまとめ、ハーモニーもリズムもより複雑に洗練され、まさにブラジルの風を運ぶような優れた作品となっている。

  • 2024-10-26
  • 2024-10-26

ブラジル北東部音楽とジャズ・ヴァイオリンの個性的な融合。名手ヒカルド・ヘルス、トリオ新作

ブラジルのヴァイオリン奏者ヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)、ピアニストのファビオ・レアンドロ(Fabio Leandro)、そしてドラマーのペドロ・イトー(Pedro Ito)によるトリオ作『Sonhando o Brasil』は、ブラジル土着のリズムとジャズやクラシックが混ざり合った楽しい音楽を聴くことのできる逸品だ。

  • 2024-10-24
  • 2024-10-19

ブラジルとラテンアメリカを結ぶ、懐かしくも新しい音楽紀行。マリ・ジャスカ 1st『Disparada』

シンガーソングライター/ギタリストとして12年のキャリアを持つブラジルのマリ・ジャスカ(Mari Jasca)が、自身初のアルバム『Disparada』をリリースした。ブラジルやラテンアメリカの伝統音楽を参照しながら、現代的なサウンドテクスチャに落とし込んだ注目すべき作品に仕上がっている。

  • 2024-10-20
  • 2024-10-21

個性的かつ創造的な一大叙事詩。マリア・ジョアン&アンドレ・メマーリ 稀代の音楽家のデュオ作

ポルトガルの鬼才歌手マリア・ジョアン(Maria João)と、ブラジルの天才ピアニスト/作曲家アンドレ・メマーリ(André Mehmari)の共演作『Algodão』が登場した。二人の卓越した表現力により、極めてアーティスティックな大傑作といって過言ではないだろう。

  • 2024-10-19
  • 2024-10-19

ルゾフォニアと地中海音楽の魅力を凝縮したバンド、Ayom。3つのテーマから成る傑作新譜『Sa​.​Li​.​Va』

ブラジル、アンゴラ、イタリア、ギリシャ出身の6人のメンバーで構成され、ポルトガルのリスボンとスペインのバルセロナを拠点とする多文化バンド、アヨム(Ayom)の2ndアルバム『Sa​.​Li​.​Va』が素晴らしい。ブラジル出身で2008年にバルセロナに移住した女性ヴォーカリスト/打楽器奏者ジャブー・モラレス(Jabu Morales)を中心とするバンドは、ブラジル、アンゴラ、そしてカーボベルデというルゾフォニア(ポルトガル語圏諸国)の音楽文化を結び、そこに地中海沿岸の伝統音楽の影響も加え、とても面白い作品を作り上げた。

  • 2024-10-13
  • 2024-10-12

ブラジル史上最高のギタリスト、ガロートの優美なワルツを現代に伝える傑作。『Valsas de Garoto』

ブラジルの名手、ギタリストのアンドレ・シケイラ(André Siqueira)とアコーディオン奏者のトニーニョ・フェハグッチ(Toninho Ferragutti)が、ブラジル音楽史最高のギタリストと称えられるガロート(Garoto)が遺したワルツ曲集『Valsas de Garoto』をリリースした。その洗練された楽曲、そしてアレンジと演奏は驚くばかりで、クラシカルな優美さと、フランスのミュゼットにも通じる静かに踊りたくなるような抒情性、ショーロの即興に潜む独特のサウダーヂは、どれをとっても一級品だ。

  • 2024-10-11
  • 2024-10-11

ブラジル音楽の粋が浮き立つ。ドイツのSSWドータ・ケール、深く美しい幸福感を醸す新作

ドイツ・ベルリンを拠点とする女性SSWドータ・ケール(Dota Kehr)と、ブラジル北東部のセアラー州フォルタレザ出身の男性SSWダニーロ・ギリェルミ(Danilo Guilherme)による双頭名義(通称 Dan & Dota)のアルバム『De Repente Fortaleza』がリリースされた。ブラジル北東部特有の空気を纏った軽妙で美しいロック/トロピカリアを継承するサイケロックで、主にポルトガル語で歌われる二人のヴォーカルが織りなす世界観が素晴らしいアルバムだ。

  • 2024-10-03
  • 2024-10-01

ブラジルの鬼才ギンガ&ベベ・クラメール。“燻し銀”のデュオ作品

ギタリストのギンガ(Guinga)とアコーディオン奏者のベベ・クラメール(Bebê Kramer)、ブラジルの2人のベテランによるデュオ作『Par Constante』がリリースされた。収録曲はラストのベベ・クラメール作曲の(8)「A casa」を除きすべてギンガの作曲で、彼のファンにとってはお馴染みの名曲たちを実に慈しみ深い2人による演奏で楽しめる極上の作品だ。

  • 2024-09-28
  • 2024-09-28

自然体が魅力のジャズ・クラリネット奏者アナット・コーエン、あまりに美しい新譜『Quartetinho: Bloom』

アナット・コーエン(Anat Cohen)は、僕が毎年そのリリースを超楽しみにしているアーティストのひとりだ。卓越したクラリネット奏者であり、特に“ブラジル音楽”への新しい視点を提供してくれる彼女のアルバムはどれも音楽がどれだけ美しく、楽しいものであるかを完璧に伝えてくれる。それは2024年の彼女の新作『Quartetinho: Bloom』でも変わらなかった。

  • 2024-09-27
  • 2024-09-27

サンパウロの新鋭SSWメリシア、非凡なポップセンスで魅せるデビューEP『Papa Goiaba』

ブラジルの豊かな音楽文化を象徴するような若い才能が現れた。サンパウロを拠点とするシンガーソングライター、メリシア(Mericia)のデビューEP『PAPA GOIABA』は、ブラジルらしさを継承する音と、飾らず自然体のポップ・センスが魅力的な一枚だ。iPhoneの着信音のサンプリングで始まる(1)「É Paixão」からの5曲、わずか13分間の儚く美しい夢のような音楽体験を味わってみよう……

  • 2024-09-18
  • 2024-09-16

特異な天才音楽家ギンガ、歌手アナ・パエスを迎えた新作『Julieta No Convés』で覗く音楽の深淵

『Julieta No Convés』はギンガ(Guinga)とアナ・パエス(Anna Paes)の双頭名義の新作。収録曲はほぼ全てがギンガの未発表曲で、アルヂール・ブランキやパウロ・セザール・ピニェイロといった長年のパートナーとの楽曲のほか、ギンガとアナ・パエス共作なども収録された充実の内容となっている。“ギンガ”とは、もはやひとつの音楽のジャンルの代名詞のようなものだ。

  • 2024-09-10
  • 2024-09-10

ブラジリアン・ロック新世代の Chico Chico、北東部音楽との融合が魅力の新譜『Estopim』

ブラジルのシンガーソングライター、シコ・シコ(Chico Chico)がロックやMPB、そしてブラジル北東部音楽などにインスパイアされた新作『Estopim』をリリースした。ソロ名義では2021年の『Pomares』以来となる第二作目で、都会的な洗練と、田舎風の素朴さを併せ持った彼らしい素直な音楽が楽しめる作品に仕上がっている。

  • 2024-09-08
  • 2024-09-03

北欧と南米の最高の器楽奏者の奇跡の邂逅。ヤン・ラングレン&ヤマンドゥ・コスタ『Inner Spirits』

アルバム『Inner Spirits』は、スウェーデンのピアニスト/作曲家のヤン・ラングレン(Jan Lundgren)と、ブラジルの7弦ギター奏者ヤマンドゥ・コスタ(Yamandu Costa)の共作だ。互いにオリジナル曲を持ち寄り、一部にはカヴァー曲を取り上げた今作は、北欧ジャズとブラジル音楽という全くベクトルの異なる音楽性が意外なほどに調和し、言葉にできないほど素敵な空間を作り上げている。

  • 2024-08-29
  • 2024-08-20

チリの歌手フランチェスカ・アンカローラ、南米を代表する音楽家らとつくるウーゴ・モラガ曲集

チリの歌手フランチェスカ・アンカローラ(Francesca Ancarola)の新作『Canciones de Hugo Moraga』は、チリのヌエバ・カンシオン(Nueva canción)を代表するSSWであるウーゴ・モラガ(Hugo Moraga, 1952 - )のカヴァー集だ。演奏にはチリのギタリスト、シモン・シュリーバー(Simón Schriever)に打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、アルゼンチンの鍵盤奏者カルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)、ブラジルのフルート奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)ら南米の優れた音楽家が参加。