TAG

ブラジル

  • 2026-07-20
  • 2026-07-19

恋愛も映画も、戦争も政治もリアルに捉えるブラジル新世代SSWデュオ。ソフィア・シャブラウ&フェリピ・ヴァケイロ

2020年代ブラジル・インディーを代表する二人の気鋭シンガーソングライター、ソフィア・シャブラウ(Sophia Chablau)とフェリピ・ヴァケイロ(Felipe Vaqueiro)が出会い意気投合、2025年10月にリリースしたアルバム『Handycam』。MPBやトロピカリアに通ずるサイケロックを基調に、親密で文学的なソングライティングによって恋愛や友情といった身近な感情から、戦争やメディアのあり方までを描いた、要注目の作品となっている。

  • 2026-07-17
  • 2026-07-15

目眩く魔術的超絶技巧のショーロ・ジャズ…世界を捉えたアミルトン・ヂ・オランダ 最新作『NOVA』

バンドリンに革命をもたらしたアミルトン・ヂ・オランダ(Hamilton de Holanda)率いるスーパートリオが、新作『NOVA』をリリースした。 本作は、2023年作『Flying Chicken』でショーロとジャズを超絶的な創造性で統合、唯一無二の“現代ブラジリアン・ジャズ”を提示し、そして『Live in NYC』(2025年)でラテングラミー賞の「最優秀ラテン・ジャズ/ジャズ・アルバム」を受賞したこのトリオの(現時点での)完成形であり、そして多数の才能ある国際的なコラボレーターの参加によって“究極形”とも思えるクオリティに到達した、恐るべき作品だ。

  • 2026-07-08
  • 2026-07-07

ブラジル、そしてラテン。ムニール・ホッスン、多色の世界を凝縮した悦びの音楽『MysticSamba』

ブラジル出身のベーシスト/ギタリスト/シンガーソングライターのムニール・ホッスン(Munir Hossn)の音楽には、いつも陽のように優しい暖かさがあり、希望と悦びの感情に満ちている。そしてその音楽は、スタジオ録音よりも、ライヴでより一層輝きを増すみたいだ。

  • 2026-07-07
  • 2026-09-17

【幻の音源】ビョーク × ミルトン・ナシメント × デオダート。1996年、リオで生まれた幻のカバー音源「Travessia」|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ビョーク(Björk)がポルトガル語で歌い上げた、ミルトン・ナシメントの大名曲「Travessia(トラヴェシーア)」。録音には、オリジナルの「Travessia」のアレンジにも関わったエウミール・デオダートも参加している。 エイズ撲滅支援の世界的プロジェクト『Red Hot + Rio』のために録音されながらも、結果的に公式リリースを見送られ、「幻の音源」となってしまった。当時の報道では、ビョークがこの仕上がりを気に入り、自身の新作のために取っておきたいと考えたためだと伝えられている。だが、その後の公式アルバムにも収録されず、現在知られている音源は、のちに一部の非公式コンピレーション(『Icelandic Mysteries』など)に収録された音源だ。現在のところ、正規のディスコグラフィーには残らない「アウトテイク」となってしまっている。

  • 2026-07-04
  • 2026-09-17

ブラジル国民がガチで愛するミルトン・ナシメントの楽曲ランキング!|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

 で、結局、ブラジルで最も愛されているミルトンの名曲は? その回答になる1つのランキングがあります。  ブラジルの著作権管理団体(ブラジル中央著作権徴収機関|ECAD)が、ミルトン・ナシメントが80歳の傘寿を迎えた際に発表した過去10年間における「最も再生・演奏されたミルトン・ナシメントの楽曲」ランキングです。

  ECADによるこのランキングは、SpotifyやYouTubeなどの再生回数ランキングではありません。対象となっているのは、ラジオ、店舗や施設でのBGM、パーティーや娯楽施設、カーニバル、フェスタ・ジュニーナ、ショー、ライブ演奏など、公共の場で音楽が使われた回数がカウントされいます。ひとりの聴き手がイヤホンで何度再生したかではなく、ブラジル社会の中で、ミルトンの歌がどれだけ公共空間に鳴っていたかのランキングです。

  • 2026-07-03
  • 2026-07-03

ヴァルダン・オヴセピアン&タチアナ・パーハ、再び。抽象的で詩的な高みにのぼるピアノと歌

以前よりデュオ活動を展開してきたアルメニア出身のピアニスト、ヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)と、ブラジルの歌手タチアナ・パーハ(Tatiana Parra)が、再びタッグを組み新作『The Flight of the Hidden Heart』をリリースした。全曲が新曲となっており、二人のデュオの名義である「Fractal Limit」の新章を印象付ける作品となっている。

  • 2026-07-01
  • 2026-09-17

ミルトン・ナシメントと鉄道|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ミルトン・ナシメントの音楽には、何度も列車が現れる。 それは単なる乗り物ではない。ミナスジェライスの山あいを走る鉄道であり、故郷と外の世界を結ぶ線であり、誰かを連れてくる音であり、誰かを連れ去る音でもある。駅のベンチ、遠い汽笛、煙を吐く機関車、空っぽになった広場、見送る人、帰ってくる人。ミルトンの歌において「trem」は、いつも風景以上のものを運んでいる。 ・鉄道は、出会いと別れの場所である。 ・鉄道は、郷愁の器である。 ・鉄道は、失われた共同体の記憶である。 ・そしてときに、人生そのものの比喩になる。

  • 2026-06-30
  • 2026-09-17

ミルトン・ナシメントの五拍子と変拍子の世界|映画『ビトゥーカ ミルトン・ナシメント フェアウェルツアー』公開記念ミニコラム

ミルトン・ナシメント、そしてクルービ・ダ・エスキーナ周辺の音楽の魅力は、5/4や9/4といった複雑な拍子を、技巧の誇示としてではなく、ひとつの自然な呼吸として聴かせてしまうところにもあります。  変拍子というと、どこか難解で、数えながら聴く音楽のように思われがちです。けれどミルトンの音楽では、拍子の複雑さが前に出ることはほとんどありません。ミナスの山並み、言葉の抑揚、記憶の揺れ、歩く速度、歌う人の息づかい。そうしたものがそのまま旋律になった結果、音楽が四角い小節の枠から少しだけはみ出していく。そこに、彼のリズムの不思議があります。

  • 2026-06-26
  • 2026-06-26

ロー・ボルジェスが残した最後の贈り物|ローが生前完成させていたアルバムが発表に

2023年、ロー・ボルジェスと兄のマルシオ・ボルジェスは、アルバム『A estrada(道)』を構想した。それは、「Tudo que você podia ser(なれたかもしれないすべて)」(1972年)や「Um girassol da cor de seu cabelo(君の髪の色のひまわり)」(1972年)といったスタンダード・ナンバーを生み出した、1970年代から続く二人のパートナーシップの「終着点」として計画されたものであった。しかし、ミナスジェライス州出身のこの兄弟は、まさかこのアルバムが文字通り「あらゆる意味での本当の終わり」を意味することになろうとは、夢にも思っていなかったことであろう。

  • 2026-06-23
  • 2026-06-19

ポルトガルSSWマヌエル・リニャレス新譜『Atlântico』は、ブラジル・ミナス新世代とNY現代ジャズも交叉する

ポルトガルのシンガーソングライター、マヌエル・リニャレス(Manuel Linhares)の2026年新作『Atlântico』がリリースされた。プロデュースは前作『Suspenso』に引き続き、現代ブラジル音楽の最重要人物のひとりであるアントニオ・ロウレイロ(António Loureiro)が務め、演奏にはロウレイロ(ds, synth, key)のほかニューヨークのジャズの第一線で活躍するグレン・ザレスキ(Glenn Zaleski, p)やオル・バレケット(Or Bareket, b)、小川慶太(Keita Ogawa, ds, perc)ら国際色豊かなメンバーが参加。録音はニューヨークとポルトガル・ポルトで行われ、名実ともに越境的な作品となっている。

  • 2026-06-19
  • 2026-06-19

南米新世代音楽を軸に、多国籍・多文化が混淆する果てなき音楽の旅路。ハファエル・ジメネス 至福の大傑作

ハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の4作目となる『Caçador De Horizontes』(2026年)は、最大限の賛辞を贈るに値する最高のアルバムだ。アレシャンドリ・アンドレスを共同プロデューサー/フルート奏者として迎え、ミナスの伝統を受け継ぐ声とガットギターを基調に、“アルゼンチン・ネオフォルクローレ”のシーンにも繋がる室内楽的な管弦楽やジャズのエッセンスを加え、南米音楽と北欧音楽の見事な調和ともいうべき壮大なスケールの作品を創り上げた。

  • 2026-06-09
  • 2026-06-11

トルコ出身歌手エリフ・サンチェス、地中海〜ブラジルを歌とストリングスで旅する抒情的新譜『Así pues…』

トルコ出身の歌手エリフ・サンチェス(Elif Sanchez)の2026年作『Así pues…』は、はっきり“金字塔”だと断言したい。アルバム冒頭に収められた(1)「Choro Pro Zé」は、そう確信させてくれる最高の幕開けだ。ソリストとしてフィーチュアされるのはマケドニア出身のクラリネット奏者イスマイル・ルマノフスキー(Ismail Lumanovski)。そしてポーランドの弦楽四重奏団オ・クワルテト(O Kwarteto)の情緒豊かな伴奏を得て、エリフ・サンチェスは個性的で美しい揺らぎのヴォーカルで“世界観”を作り上げる。

  • 2026-06-01
  • 2026-06-01

ジョアン・ジルベルトの末娘ルイーザ、デビュー!『Loulu Gilberto』で垣間見せた”父と娘のリビングの記憶”

おそらく、“ボサノヴァ第二世代・最後の原石”の、淑やかながら輝かしいデビューだ。 2004年生まれの21歳、ロウル・ジルベルト(Loulu Gilberto, 本名:Luísa Carolina Gilberto)の初アルバム『Loulu Gilberto』が2026年5月末にリリースされた。ジョアン・ジルベルト(João Gilberto, 1931 - 2019)を父にもつ彼女は、自分が幼い頃にはすでに老齢の域に達していた父との優しい想い出を紡ぐように、丁寧に繊細に、“静寂よりも美しく”ボサノヴァを歌う。

  • 2026-05-28
  • 2026-05-27

歌手ローズマリー・スタンドレー&チェロ奏者ドム・ラ・ネナのデュオ第3弾!『Nuées ardentes』

フランス出身の歌手ローズマリー・スタンドレー(Rosemary Standley)と、ブラジル出身のチェリスト、ドム・ラ・ネナ(Dom La Nena)によるデュオ・プロジェクト、バーズ・オン・ア・ワイア(Birds on a Wire)。2014年に初作『Birds on a Wire』をリリースして以降、それぞれのソロ活動と並行して『Ramages』(2020年)など断続的に、そして丁寧に音楽活動を継続してきた彼女らが、第3作目となるアルバム『Nuées ardentes』をリリース。