- 2024-03-29
- 2025-01-01
ウクライナ出身の奇才ギタリスト、イーゴリ・オシポフが描き出すスタイリッシュな最先端JAZZ
ウクライナ出身のギタリスト/作曲家、イーゴリ・オシポフ(Igor Osypov)の2024年新譜『Motherland?2k14』が凄い。現在はドイツ・ベルリンに滞在し、母国に帰ることができない状況となっている彼の個性的な音楽には、従来のジャンルの枠に留まらない洗練されたサウンドの中に曖昧だが示唆的な主張が垣間見える。
ウクライナ出身のギタリスト/作曲家、イーゴリ・オシポフ(Igor Osypov)の2024年新譜『Motherland?2k14』が凄い。現在はドイツ・ベルリンに滞在し、母国に帰ることができない状況となっている彼の個性的な音楽には、従来のジャンルの枠に留まらない洗練されたサウンドの中に曖昧だが示唆的な主張が垣間見える。
ハンガリー出身、現在はオーストリアのウィーンを拠点とする打楽器奏者/作曲家アンドラーシュ・デーシュ(András Dés)がカルテット編成での新作『Unimportant Things』をリリースした。バンドには同郷の盟友ギタリストマールトン・フェニヴェシ(Marton Fenyvesi)のほか、オーストリアの名手であるトランペット奏者マルティン・エバーレ(Martin Eberle)とピアニストのフィリップ・ニクリン(Philipp Nykrin)が参加。現代的でアーティスティックな実験性を帯びた刺激的な演奏を繰り広げている。
ドイツのジャズギタリスト/シンガーソングライター、トルステン・グッズ(Torsten Goods)の2023年新譜『Soul Searching』。ランディ・ブレッカー(Randy Brecker)や欧州ジャズの名手たちをゲストに迎え、80〜90年代のフュージョン/スムースジャズの香りを感じさせる良質な作品だ。ギターのテクニックも、ソウルフルなヴォーカルも、AORからも影響された作編曲も、どれもがセンスに溢れている。
1991年オーストリア生まれのギタリスト/作曲家ステファン・フランク・シュタインハウザー(Stefan-Frank Steinhauser)の2021年作『Wödscheibn』は、卓越した美しいクラシックギター演奏と、14ヵ国の作曲家たちによるユニークな選曲で秀でた作品だ。
イタリア・ナポリの鍵盤奏者/作曲家/プロデューサー、ダリオ・バッソリーノ(Dario Bassolino)のソロデビュー作『Città Futura』は、ニコラ・コンテにも通ずる爽やかなグルーヴを持ったジャズファンクが特徴的だ。地中海からアラビアへ、そして大西洋を越えて遥かブラジルまで吹き抜ける風。過去から現在の様々な時代を繋ぎながら、架空の“Città Futura = 未来都市”へと想像を膨らませる。
2000年代以降、“エレクトロスウィング”のムーヴメントを牽引してきたフランスのバンド、キャラヴァン・パレス(Caravan Palace)待望の新譜だ。2019年の前作『Chronologic』から5年の時を経てリリースされた『Gangbusters Melody Club』は、所謂王道のエレクトロスウィングと、前作で提示して見せたそれに留まらない彼らの新機軸が融合。丁寧に作り込まれたサウンドで新旧のファンに訴求する仕上がりとなっている。
ウクライナ・オデーサ出身のピアニスト/作曲家アンドリュー・ポカズ(Andrew Pokaz)率いるピアノトリオ、ポカズ・トリオ(Pokaz Trio)が5年ぶりの2ndアルバム『Voices』をリリースした。ご存知のように2022年2月24日以降ロシアによる激しい攻撃を受け、大きな困難に直面した彼らが今作で掲げ、渇望するのは祖国ウクライナの自由に他ならない。
ピアニストのエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)、ベース奏者イェスパー・サムセン(Jasper Somsen)、そしてクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)。長年にわたって欧州ジャズの高いクオリティと抒情性の代名詞的な存在だった巨匠3人によるトリオ作『Traveller's Ways』がリリースされた。
カタルーニャの歌手/トランペット奏者アンドレア・モティス(Andrea Motis)が、南米チリの室内楽団カメラータ・パパゲーノ(Camerata Papageno)と録音した新譜『Febrero』がリリースされた。タイトルは「2月」の意味だが、北半球の寒い2月ではなく、南米の暑い夏を祝う意が込められている。毎年のようにチリを訪れているアンドレア・モティスにとって、2月とは“喜び、カーニバル、友情、花、太陽、光、熱の象徴”なのだという。
並外れたジャズピアニストであり、カリブ海のクレオール文化の伝道師でもあるグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)。現代ジャズのシーンにおいても唯一無二の存在感を発揮する彼の新作『Phoenix』は、彼の音楽的創造性の集大成であり、おそらくはキャリアハイの作品なのではないだろうか。
ヴァイオリニストのアダム・バウディヒ(Adam Baldych)と、ピアニストのレシェック・モジジェル(Leszek Możdżer)。ポーリッシュ・ジャズを代表するこの2人によるデュオ・アルバム『Passacaglia』は、期待を超える素晴らしい作品だった。クラシックとジャズを内包しながらもそのどちらとも異なる、プリミティヴな“音楽そのもの”の体験はまさに唯一無二だ。
ベルギーのジャズを牽引する名コンビ、ピアニストのイヴァン・パデュアー(Ivan Paduart)とギタリストのパトリック・デルテンレ(Patrick Deltenre)の双頭名義による新作『Inner Travels』は、そのエモーショナルな表現力が魅力的な素晴らしいアルバムだ。
オランダの音楽学校で出会った6人の若者たちにより2014年に結成されたジャズバンド、アリガガ(Aligaga)。2023年の新譜『Music Might Help』は、彼らの好奇心に満ちた音楽の世界観を存分に楽しめる作品だ。
1997年ポーランド生まれのベーシスト/作曲家キンガ・グゥイク(Kinga Głyk)が、前作『Feelings』から4年以上ぶりとなる新作『Real Life』をリリースした。今回は共同プロデューサーにスナーキー・パピーのマイケル・リーグ(Michael League)を迎え、これまでの作品にも通底するジャコ・パストリアスやスタンリー・クラーク的な音楽表現を引き続き基幹に据えつつ、これまで以上に洗練された現代のジャズファンク/フュージョンを気持ちよく聴かせてくれる絶品に仕上がっている。