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ヨーロッパジャズ

  • 2023-10-30
  • 2023-10-30

優れた音楽は言語も時代も超える。アルバニア出身歌手/作曲家エリーナ・ドゥニ、ECMからの新譜

アルバニア出身の歌手エリーナ・ドゥニ(Elina Duni)、ロンドンのギタリストのロブ・ラフト、ピアノとドラムスを担当する同じくロンドンのフレッド・トーマス、そしてスイス出身のフリューゲルホルン奏者マチュー・ミシェルの4人による新作『A Time to Remember』がリリースされた。移民が置かれた状況をテーマとしその音楽的豊かさから絶賛された前作『Lost Ships』と同じメンバーで、アルバニアの伝統音楽にインスパイアされたオリジナル曲を深い叙情を湛え描く。

  • 2023-10-19
  • 2023-10-16

スペインの現代ジャズ第一人者シャビ・トーレス、ロックダウンの中で書かれた創造性溢れる新譜

スペインのピアニスト、シャビ・トーレス(Xavi Torres)は、パンデミックによるロックダウンの最中、創造性を保つために1ヶ月間、毎日1曲ずつ曲を書いた。“検疫の曲たち”を表す今作『Quarantena Songs』は、それらの30曲の中から14曲(サブスクでは12曲を聴くことができる)を選び、2つのトリオで演奏した作品だ。

  • 2023-10-12
  • 2023-10-11

ヨーロッパジャズの4人の巨人が再集結。“4WD”プロジェクトの第二弾『4 Wheel Drive II』

ドイツのジャズチャートで4ヶ月連続トップになるなど絶賛されたニルス・ラングレン率いる“4WD”(四輪駆動)プロジェクトの前作『4 Wheel Drive』(2019年)から4年。北欧ジャズの巨人たちによる第二弾『4 Wheel Drive II』がリリースされた。今作ではポール・サイモンやエルトン・ジョンといった往年の名曲を取り上げつつ、オリジナル曲の比重も増やしている。

  • 2023-10-09
  • 2023-10-09

欧州ジャズとアフリカ音楽の見事な融合。African Jazz Roots『Seetu』

欧州を代表するプログレバンド Magmaで活躍したドラマー/ピアニスト、シモン・グーベル(Simon Goubert)とセネガルのグリオの系譜のコラ奏者アブライエ・シソコ(Ablaye Cissoko)の二人によるプロジェクトが、これまでも強力なサポートを受けてきたピアニストのソフィア・ドマンシッチ(Sophia Domancich)そしてコントラバス奏者のジャン=フィリップ・ヴェレ(Jean-Philippe Viret)らを正式にメンバーとして迎え、バンド名:アフリカン・ジャズ・ルーツ(African Jazz Roots)として始動。

  • 2023-10-08
  • 2023-10-08

新時代のJazzがここにある。EYM Trioとヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパルが贈る鮮烈な音楽体験

各地の民族音楽と呼ばれる特徴的な旋律やリズムを音楽の中に取り入れ、独自の音楽性を築いてきたフランスのジャズ・ピアノトリオ、EYM Trio。新作『Bangalore』ではインドの歌手/フルート奏者のヴァリジャシュリー・ヴェヌゴパル(Varijashree Venugopal)を全面的に迎え、彼らの創作の独自の魅力を強力にアピールする好盤となっている。

  • 2023-09-25
  • 2023-10-07

緻密な構成の作編曲でジャズとクラシックを繋ぐ。伊出身ヴァイオン奏者ルドヴィカ・ブルトーネ

ジョン・バティースやドリーム・シアター、アリジット・シンやカミラ・メサなど豊富な共演歴を誇るイタリア出身のヴァイオリニスト、ルドヴィカ・ブルトーネ(Ludovica Burtone)のデビュー作『Sparks』。弦楽四重奏での優雅なジャズヴァイオリンが聴けたかと思えば、突如フリージャズやブラジル音楽も顔を覗かせるなど多彩な音楽性が楽しい注目の作品だ。

  • 2023-09-21
  • 2023-09-21

フィンランド・ジャズの進化の最先端。アキ・リッサネンの新トリオが描く現実と超現実の狭間

ジャケット絵に驚いて聴かずにスルーしてしまうのはあまりに勿体ない。これはフィンランドの現代ジャズシーンを代表するピアニスト、アキ・リッサネン(Aki Rissanen)の2023年新譜『Hyperreal』。同郷トランペット奏者ヴェルネリ・ポーヨラ(Verneri Pohjola)と、トルコ出身ドラマーのロバート・メメット・イキズ(Robert Mehmet Ikiz)を迎えた今作で、知的で情熱的なサウンドスケープを繰り広げる。

  • 2023-09-19
  • 2023-09-19

映画的な美しさに魅了されるピアノトリオ。フランス出身ナタリー・バラリーニ『Pleinair』

フランスのピアニスト/作曲家ナタリー・バラリーニ(Nathalie Ballarini)のアルバム『Pleinair』は、エリック・サティなどのクラシック音楽や民族音楽、ロックやプログレ、フィリップ・グラスなどのミニマル音楽といった幅広い影響がうかがえるジャズ・ピアノトリオ作品だ。

  • 2023-09-15
  • 2023-09-15

ヨーロッパ・ジャズの洗練の極致。ピエール・ブサゲ&ジョヴァンニ・ミラバッシのデュオ作

フランスのベーシスト、ピエール・ブサゲ(Pierre Boussaguet)とイタリア出身のピアニスト、ジョヴァンニ・ミラバッシ(Giovanni Mirabassi)の珠玉のデュオ作『Duo』。二人のオリジナルのほか、(6)「My funny Valentine」や(10)「La vie en rose」といったスタンダードも交えリラックスした演奏を聴かせてくれるジャズの絶品だ。

  • 2023-09-11
  • 2023-09-11

ベトナム系スーパーギタリスト、グェン・レ。独自の感性で綴る奇矯ジャズ『Silk and Sand』

ベトナム系フランス人ギタリスト、グェン・レ(Nguyên Lê)の新生トリオによる新作『Silk and Sand』。ベースにカナダ出身のクリス・ジェニングス(Chris Jennings)、パーカッションにモロッコ出身のラーニ・クリージャ(Rhani Krija)という俊英を迎え、アジアのテイストが感じられる彼らしい特別なギタージャズ/フュージョンを展開する。

  • 2023-09-03
  • 2023-09-03

北欧随一のピアニスト、ヘルゲ・リエンがウクライナ出身の師に送る“葬送のダンス”

ノルウェーのピアニスト、ヘルゲ・リエン(Helge Lien)の新譜『Funeral Dance』は、彼が師と仰ぐウクライナ生まれのピアニスト、ミハイル(ミーシャ)・アルペリン(Mikhail Alperin, 1956 - 2018)への追悼を込めて制作したアルバムだ。自身のトリオに加えミーシャとの共演歴もあるサックス奏者のトーレ・ブルンボルグ(Tore Brunborg)を迎えており、静かに、そして確かな意志をもって偉大なピアニストを悼む。

  • 2023-08-29
  • 2023-08-29

心が洗われる浄土の音楽。ノルウェーのピアニスト、マレン・セルバーグによるフォーク・ジャズ

傍に寄り添い、疲れた心を優しく洗ってくれるような音楽だ。ノルウェーのピアニスト/作曲家、マレン・セルバーグ(Maren Selvaag)の2019年作『Bare Være』。ピアノ、ダブルベース、ハーディングフェーレ(ハルダンゲル・フィドル)、そしてフォークハープという珍しい編成で、素朴な音色と洗練された演奏で心の脆い部分を直接癒す“北欧ジャズ”の絶品。

  • 2023-07-21
  • 2023-07-31

カナリア諸島が生んだ“秘密兵器”。天才的ギタリスト、オクタビオ・エルナンデス新譜『Mas』

大西洋のスペイン自治領カナリア諸島出身、現在はバルセロナで活動するギタリスト/作曲家オクタビオ・エルナンデス(Octavio Hernandez)によるギタートリオ作品『Mas』は、現代的かつ先鋭的なギターサウンドが爽快なジャズだ。ベースにはバシーレ・ラオラ(Basile Rahola)、ピエール・ハーティ(Pierre Hurty)というここ数年活動を共にするメンバーを迎え、コンテンポラリー・ジャズの最先端を行く演奏を聴かせてくれる。

  • 2023-07-18
  • 2023-07-22

エンリコ・ピエラヌンツィ、孤高の巨人チェット・ベイカーに贈る最後の手紙

イタリアのピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)とベルギーのトランペッター、バート・ヨリス(Bert Joris)による『Afterglow』(2021年)以来となる共演作は、フランクフルト・ラディオ・ビッグバンド(Frankfurt Radio Bigband)を迎えたチェット・ベイカーへのトリビュートアルバムとなった。