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イギリス

  • 2026-06-23
  • 2026-06-22

表現者としてのニシュラ・スミスを知らしめる絶品。『it’s getting late you’d better go home』

オーストラリア出身、現在はイングランド・マンチェスターを拠点に活動するシンガーソングライター、ニシュラ・スミス(Nishla Smith)の第2作目となるアルバム『it's getting late you'd better go home』(2026年)が、非常に良い。親しみやすいメロディーライン、素直だが時に感情豊かなヴォーカルが、彼女の音楽の重要なパートナーであるトム・ハリス(Tom Harris)のピアノを中心としたジャジーで洗練されたアレンジと伴奏(と、それだけに留まらない音響処理)に映える。彼女の音楽にはエルトン・ジョンやバート・バカラックといった“古き良き”ポップスへの愛、ゴスペルやブルースからの微かな影響も伺え、さらにはポスト・ボサノヴァの潮流に乗せた感じの曲もあり、とても楽しく聴けるアルバムに仕上がっている。

  • 2026-06-17
  • 2026-06-16

UKジャズ新世代。ラフィ・ブッシュマンが初のフルアルバムで魅せた、ジャズの“超時性”

英国ロンドンを拠点とするピアニスト/作曲家ラフィ・ブッシュマン(Raffy Bushman)が、自身初となるフルレンス・アルバム『New Life』をリリースした。これまでピアニストとして、そして時にはチェリストとしても様々な編成で革新的な表現を試み、充実したUKジャズシーンの中でも独自の立ち位置を築いてきた彼が、今作ではシンプルなピアノトリオ編成に立ち返りつつも、スウィング・ジャズからヒップホップまであらゆる時代からの影響を感じさせる独創的な音楽を創り上げている。

  • 2026-04-16
  • 2026-04-14

超希少な「メゾソプラノ・サックス」の豊かな音色を堪能。グラミー賞受賞デュオによる『Mezzo』

英国のサックス奏者ティム・ガーランド(Tim Garland)と、米国のピアニストのジェフリー・キーザー(Geoffrey Keezer)のデュオによる新譜『Mezzo』。注目は、ティム・ガーランドが吹く極めて希少なメゾソプラノサックスだ。この楽器はデンマークの現代の名工ペーター・イェッセン(Peter Jessen)製の世界にわずか20本程度しかないサックスのうちの1本で、通常のソプラノサックスとアルトの中間の音域を持つ。コーラングレのような温かみのある低音から、フリューゲルホルンのような力強い中音域まで、独特のトーンが魅力の楽器だ。

  • 2026-03-28
  • 2026-03-27

UKアフロジャズの代名詞ヌビヤン・ツイスト、AI生成の時代に抗う有機的グルーヴの5th

UKジャズ/アフロビートのシーンを代表するジャズ・コレクティヴ、ヌビヤン・ツイスト(Nubiyan Twist)の5枚目となるスタジオ・アルバム『Chasing Shadows』がリリースされた。今作は“デジタル化が進む世界の中で、人間同士のつながり・温もり・即興性を再発見すること”をテーマとし、人間らしいエネルギーに溢れた音楽が繰り広げられる。

  • 2026-03-22
  • 2026-03-20

UK現代ジャズ最前線!ママール・ハンズがGoGo Penguinのドラマーを得て初のアルバム『Circadia』

UKを代表するジャズトリオ、ママール・ハンズ(Mammal Hands)。新しいドラマーとして元ゴーゴー・ペンギン(GoGo Penguin)のロブ・ターナー(Rob Turner)が加わり、さらにレーベルをゴンドワナ・レコード(Gondwana Records)からアクト(ACT)に移しての最初のアルバム『Circadia』がリリースされた。タイトルは生物の約24時間周期のリズムである「サーカディアン・リズム(概日リズム)」に由来する造語で、循環や反復するリズムの上で自由な即興を繰り広げる彼らの音楽性を象徴している。

  • 2026-02-25
  • 2026-02-24

Harper Trio ──エレクトリック・ハープとサックス、ドラムスによるマインドフルネスの旅路

エジプトとギリシャにルーツを持つハープ奏者、マリア=クリスティーナ・ハーパー(Maria-Christina Harper)率いるハーパー・トリオ(Harper Trio)の2ndアルバム『Dialogue of Thoughts』。前作に引き続きエレクトリック・アコースティック・ハープをサウンドの軸に置き、ジョセフィン・デイヴィス(Josephine Davies)のサックスと、エヴァン・ジェンキンス(Evan Jenkins)のドラムスによる注目の現代ジャズ作品だ。

  • 2026-02-17
  • 2026-02-17

ロンドンのオルタナ・ジャズシーンの新鋭モモコ・ギル 初のソロアルバム『Momoko』

米国オックスフォードで生まれ、京都や横浜、そして米国サンタバーバラで育ち、現在はロンドンを拠点とする音楽家モモコ・ギル(Momoko Gill, ギル桃子)のソロデビュー・アルバム『Momoko』が2026年2月にリリースされた。多文化環境で豊かな感性を育み、長年UKのエレクトロニック/ジャズシーンの“秘密兵器”と囁かれた彼女のデビュー作は、実験音楽やエレクトロ・ミュージックだけでなく、多様なシーンから影響を受けたシンガーソングライターとしての充実ぶりが垣間見える劇的な作品となっている。

  • 2026-02-15
  • 2026-02-11

スコットランドのピアニスト、ポール・ハリソンによるエグベルト・ジスモンチ再解釈『Encontros』

スコットランドのピアニスト、ポール・ハリソン(Paul Harrison)の2025年新作『Encontros』は、彼が敬愛してやまないブラジルの巨匠エグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)曲集だ。アルバムはジスモンチ本人が「独創的で優美で、自由な遊び心がある」と絶賛。総勢8名のミュージシャンによる様々な編成によって、彩り豊かに繰り広げられる音楽の世界を堪能できる作品となっている。

  • 2026-02-13
  • 2026-02-12

アーロン・パークス全面参加! UKギタリスト、トム・オレンドルフの歌心溢れる傑作『Where in the World』

ロンドンの気鋭ギタリスト、トム・オレンドルフ(Tom Ollendorff)の2025年作『Where in the World』が素晴らしい。米国のピアニスト、アーロン・パークス(Aaron Parks)をフィーチュアしたカルテット編成で、アルバム全編で歌心溢れる情緒豊かな楽曲と演奏で楽しませてくれる。

  • 2026-01-28
  • 2026-01-28

スーダン砂漠のディーヴァ、アフリカ・アラブ・欧州を繋ぐSSWアミーラ・ヘイル『Black Diamonds』

スーダンの伝統音楽をジャズやソウルと融合した独自のスタイルで知られるSSW、アミーラ・ヘイル(Amira Kheir)の4枚目となるアルバム『Black Diamonds』(2025年)。スーダンの豊かな文化遺産、祖先へのオマージュ、アイデンティティなどをテーマに歌う今作には、スーダンの伝統音楽のアレンジとオリジナル曲が混在し、過去と現在をつなぐ架け橋のような作品となっている。

  • 2026-01-06
  • 2026-01-06

ロンドンから登場、多国籍カルテット「lvdf」がジャズの新時代を宣言する

一聴してわかる音の凄みに、終始ワクワクさせられる。ロンドンのジャズシーンから、そんな新たなスーパーバンドが登場した。ちょっと不思議なグループ名の「lvdf」は「La Via Del Ferro」、つまりイタリア語で「鉄の道」の頭文字から取ったもの。イタリアの鉄産業をヨーロッパやその先へとつなげた古代の交易路に由来し、「地元の産業をより広い世界と結びつける道」の比喩として多国籍のメンバーの想いを反映している。

  • 2025-12-08
  • 2025-12-07

スコットランドの正統派ジャズシンガー、ルイーズ・ドッズが全曲オリジナルで贈る新譜

スコットランド出身のシンガー/作曲家ルイーズ・ドッズ(Louise Dodds)の新作『All I Know』。アヴィシャイ・コーエン・トリオに参加したことで世界的に知られるアゼルバイジャン出身ピアニストのエルチン・シリノフ(Elchin Shirinov)とのデュオで発表した前作『Two Hours After Midnight』はスコットランドの美しい歌曲集だったが、今作は全曲を彼女のオリジナルでまとめ上げ、ジャズ・ヴォーカリストとしてオリジナリティを追求した作品となっている。

  • 2025-12-05
  • 2025-12-05

ジョンスコ&デイヴ・ホランド。二人のレジェンドが親密に語り合う傑作『Memories of Home』

積み重ねてきた文化の深み、絆の強さを感じさせる。ジャズの半世紀を支えてきた二人のレジェンド、ジョン・スコフィールド(John Scofield)とデイヴ・ホランド(Dave Holland)の初のデュオ・アルバム『Memories of Home』がECM Recordsからリリースされた。今作では二人が過去に作曲した代表曲や、新たに書き上げた曲を演奏する。

  • 2025-11-29
  • 2025-11-26

ロンドン拠点のブラジル人打楽器奏者率いるプロジェクト、Babo Moreno 大絶賛のデビュー作

ブラジルにルーツを持ち、ロンドンで生まれ育った打楽器奏者ファビオ・ヂ・オリヴェイラ(Fábio de Oliveira)が率いるプロジェクト、バボ・モレーノ(Babo Moreno)のデビュー作『Babo Moreno』。この作品に寄せられた次の賛辞は、多様さを極めるロンドンのジャズシーンに忽然と現れた彼と、その作品への期待が滲み出ている。