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ピアノ

  • 2026-01-04
  • 2026-01-04

ノルウェー発、新世代の北欧ジャズ。リヴ・アンドレア・ハウゲ・トリオ『Døgnville』

アルバム・タイトルの『Døgnville』とは、どうやらノルウェー語に特有で翻訳が難しい言葉らしい。「døgn」(24時間、昼夜)と「vill」(野生の、道に迷った、混乱した)という単語が組み合わさっており、文字通りには「昼夜迷子」のようなニュアンスを持つという。単に時差ぼけの場合もあれば、ノルウェー北部での白夜や極夜で時間感覚を失った状態、あるいは数日間病気で寝込んだ後の時間の混乱といったときに使われるようだ。

  • 2025-12-28
  • 2025-12-28

故郷を想うCaracas Trio、現代ジャズにアフロ・ベネズエラの伝統を織り込む新譜『Folklore』

全員がベネズエラの首都カラカス出身だからカラカス・トリオ(Caracas Trio)という安直なネーミングや、あまり売る気のなさそうなジャケットはさておき、『Folklore』は確かなクオリティのアルバムだ。このトリオではデビュー作だが、3人はいずれもニューヨークの現代ジャズシーンを彩る手練れで、洗練された現代ジャズに、タイトルに掲げるようにベネズエラの多様な伝統を織り交ぜている。

  • 2025-12-27
  • 2025-12-27

伊藤志宏 3cello variation ─ 目を閉じて耳で読む物語【NOCTIODRIA(ノクティオドリア】

アルバム・タイトルの『Noctiodria(ノクティオドリア)』は、ラテン語を組み合わせた伊藤志宏による造語だ。意味は「意味は「夜の香り/漆黒の香気)」──。 ジャズ・ラテン・器楽系音楽から歌伴まで、確たるテクニックに支えられた閃きに溢れた演奏で八面六臂の活躍をするピアニストの伊藤志宏が、平山織絵、井上真那美、島津由美という3人の女媛チェリストと活動する「伊藤志宏 3cello variation」が、美しい物語を編んだ2014年のデビュー作『Tapestria(タペストリア)』から4年、セカンド・アルバム『Noctiodria』を完成させた。

  • 2025-12-27
  • 2025-12-27

情感と緊張感に溢れる物語が紡がれる至高の室内楽── 伊藤志宏 3cello variation【タペストリア】

 東京の器楽系シーンで最も信頼されるピアニストの1人、伊藤志宏。彼のライヴ・スケジュールは、丸々一ヶ月休みがないのではないかと心配になってしまう程、ほぼ毎日、様々な編成での演奏スケジュールで埋まっている。その伊藤が、彼の活動の中で今最も力を入れている活動の1つが、平山織絵、井上真那美、島津由美という3人の女性チェリストによるユニット「伊藤志宏 3cello variation(以下、3cello)」だ。昨年ファースト・アルバム『タペストリア』をリリース、ライヴ活動もコンスタントに行い前進を続けるユニットだが、そもそもなぜ、このような変則的な編成のユニットを、伊藤は結成することになったのか……。大塚・グレコでのライヴ前、4人にインタビューする機会を得た。

  • 2025-12-23
  • 2025-12-22

フィンランドの鬼才イーロ・ランタラ、原点に立ち返った初のスタンダード曲集『Trinity』

これまでに数々のユニークな作品をリリースし、そのユーモアと群を抜く抒情的かつ技巧的なピアニズムで世界中を魅了してきたフィンランドを代表するピアニスト、イーロ・ランタラ(Iiro Rantala)の新作 『Trinity』は、意外なことに彼自身初の“スタンダード曲集”だった。

  • 2025-12-19
  • 2025-12-19

ユダヤ伝統をグローバルと接続する。ピアニストのヨタム・イシャイ新作『Singing of The Herbs』

イスラエル出身のピアニスト/作曲家ヨタム・イシャイ(Yotam Ishay)が、8ヶ国から23人のミュージシャンを招き、伝統的なユダヤ音楽をベースに、ジャズを通じて世界との対話を試みた新作『Singing of The Herbs』。ピアノを中心とし、ヴォーカルやスポークン・ワード、ストリングスなども交えたバラエティに富んだ楽曲が収録されており、どこか神秘的で厳かな雰囲気を漂わせる美しい作品だ。

  • 2025-12-12
  • 2025-12-12

クリスチャン・エスクーデの”最後のピアニスト”アントワン・エルヴィエによる至高のトリビュート

フランスのジャズピアニスト、アントワン・エルヴィエ(Antoine Hervier)の2025年新作『Navigue loin - Looking at Christian Escoudé』は、彼がそのバンドの最後のピアニストとして在籍していた、2024年に他界したフランスを代表するジプシージャズ・ギタリストであるクリスチャン・エスクーデ(Christian Escoudé, 1947 - 2024)のトリビュート・アルバムだ。アルバムにはエスクーデが遺した10曲(11トラック)が選ばれており、ピアノトリオを中心に、数曲でゲストを加えて魅惑のジプシー・ジャズの世界へと誘う好盤となっている。

  • 2025-12-10
  • 2025-12-09

北欧ジャズの象徴ブッゲ・ヴェッセルトフト、世代を超えた特別な才能たちを招いた新作『Am Are』

ノルウェーの先進的なジャズを牽引するピアニスト/作曲家ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)が、個性豊かなゲストを迎えて制作した2025年新譜『Am Are』。アルバムではソロからトリオまでメンバーを変えて様々な編成やサウンドを試すなど実験的な要素がありつつ、ジャズの伝統にもしっかりと根差し、聴きやすくも刺激的な作品だ。

  • 2025-11-26
  • 2025-11-25

まるで楽園のようなアルゼンチン音楽。フェデリコ・アレセイゴル新作『.ar』

アルゼンチンの現代ジャズ/ネオフォルクローレを代表するSSW/ピアニスト、フェデリコ・アレセイゴル(Federico Arreseygor)の2025年作『.ar』の美しさは、格別だ。ジャズとアルゼンチン・フォルクローレが高度に混ざり合ったリオプラテンセの独特な音楽作品群の中でも一際輝く、素晴らしい作品だ。

  • 2025-11-23
  • 2025-11-22

北欧ジャズと中国・古筝の共演による僥倖。デンマーク発、Art Roho 新作『Balanka』

ジャズにおけるリズムセクションの役割を再定義し、世界中の様々な音楽家とコラボレーションをすることをコンセプトに活動するベーシストとドラマーによるデュオ、アート・ローホ(Art Roho)。6枚目のスタジオ・アルバムとなる2025年新作『Balanka』は、彼らにとって初めてアジア圏の音楽家を迎え、これまでの北欧ジャズの気風に新たな風を吹き込んだ興味深い作品となっている。

  • 2025-11-16
  • 2025-11-16

ダファー・ユセフ、“人生のもっとも重要な出会い”を深淵なる美しさで描く新譜『Shiraz』

独自の表現の道を歩むチュニジア出身のウード奏者/歌手/作曲家ダファー・ユセフ(Dhafer Youssef)が、ドイツのレーベル、ACTからリーダーとして第一弾となるアルバム『Shiraz』をリリースした。伝統的なアラブ音楽を精神的な神秘とともにジャズの世界と融合させた稀有な音楽家である彼が、さらなる精神的・音楽的深化を見せた美しい作品だ。

  • 2025-11-14
  • 2025-11-14

フランスの鬼才ピアニスト、ソフィア・ドマンシッチ 繊細かつ知性的な新ピアノトリオによる新作

フランスを代表するピアニスト/作曲家、ソフィア・ドマンシッチ(Sophia Domancich)の新譜『Wishes』は、ピアノトリオによる即興表現のもっとも美しい側面を魅せてくれる素晴らしい作品だ。今作はピアノトリオ編成で、共演者にいずれもアメリカ合衆国出身、ベーシストのマーク・ヘリアス(Mark Helias)とドラマーのエリック・マクファーソン(Eric McPherson)を迎えての初の録音となっている。

  • 2025-11-13
  • 2025-11-12

MPBを支えるベース奏者による極上のシコ・ブアルキ曲集! ヴァネッサ・モレーノやシコ・ピニェイロ全面参加

1990年代以降、MPBの巨匠シコ・ブアルキ(Chico Buarque, 1944 - )のバンドでベーシストを務めたジョルジ・エルデル(Jorge Hélder)が、シコ・ブアルキの80歳を記念して制作した作品がこの『Samba e Amor: Jorge Helder Toca Chico Buarque』(2024年)だ。そのタイトルのとおりシコ・ブアルキ曲集となっており、ほかの誰よりもシコの音楽を支えてきたジョルジ・エルデルという職人的ベーシストによるアレンジが楽しめるアルバムとなっている。

  • 2025-11-11
  • 2025-11-10

巨匠ピアノ奏者ファビオ・トーレスと、新世代ドラム奏者カイナン・メンドンサのデュオが贈る注目作

ブラジルのベテラン・ピアニスト、ファビオ・トーレス(Fábio Torres)と、若手ドラマーのカイナン・メンドンサ(Cainã Mendonça)のデュオによる『Derivas』は、軽やかなブラジリアン・ジャズに魅了される良作だ。アルバムには7曲が収録されており、全曲が二人のオリジナル。