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ピアノ

  • 2026-02-01
  • 2026-02-01

ウクライナ文化と北欧ジャズの抒情豊かな出会い──アンドリー・ポカズ&マグヌス・オストロム

ウクライナ出身のピアニスト/作曲家アンドリー・ポカズ(Andrii Pokaz)と、スウェーデン出身のドラマー、マグヌス・オストロム(Magnus Öström)のデュオEP『Wakeido Island』。6曲の収録曲はそれぞれに異なる物語性を持ち、ピアノとドラムスの多層的な対話が様々な景色を描き出す、じっくりと耳を傾け浸りたい作品となっている。

  • 2026-01-25
  • 2026-01-25

アルゼンチン・リトラル地方の豊かな音楽性と詩情。セバスティアン・マッキ新作『Grita en mí』

アルゼンチン・ブエノスアイレスのSSW/ピアニスト、セバスティアン・マッキ(Sebastián Macchi)による2025年の新作『Grita en mí』。5人編成の新しいバンド、コレクティーヴォ・バルディオ(Colectivo Baldío)による録音で、これまでの彼の作品と比較するとエレクトリックの比重が少し増したが、その美しい感性から紡ぎ出される瑞々しい楽曲群はなおも健在で、豊かな音楽体験を約束する素晴らしい内容となっている。

  • 2026-01-21
  • 2026-01-21

一種独特の洗練された現代ムガームジャズ。エティバル・アサドリ、自己を探求をテーマに掲げる新譜

現代ムガームジャズの旗手であるピアニスト/作曲家エディバル・アサドリ(Etibar Asadli)の2026年新譜『WYA』は、アゼルバイジャンのアイデンティティたるムガームジャズが醸す独特の東欧・中東・西アジアの文化境界的テクスチャーと、エレクトロニックやヒップホップ、アンビエントなどの複合的な音楽要素が絡み合う、一種独特な洗練を見せた興味深い作品だ。

  • 2026-01-16
  • 2026-01-16

アルゼンチンの叙情派ピアニスト、ニコラス・ゲルシュベルグによる多彩なジャズ『En un lugar』

アルゼンチンのピアニスト、ニコラス・ゲルシュベルグ(Nicolas Guerschberg)のピアノトリオ編成による2025年作 『En un lugar』。アルバムには叙情的な自身のオリジナルのほかクラシック、ソウル、ロック、アルゼンチン・フォルクローレなどのカヴァーも含まれ、異なる時代やジャンルの橋渡しをする作品だ。20年以上にわたりステージやスタジオで演奏をともにしてきた盟友ダニエル・”ピピ”・ピアソラ(Daniel "Pipi" Piazzolla, ds)とマリアノ・シボリ(Mariano Sívori, b)とともに、熟達したジャズを聴かせてくれる。

  • 2026-01-14
  • 2026-01-13

卓抜したドラマーが牽引するドイツのアヴァン・ジャズ・カルテット新作『Discovery of Lightness』

2015年に結成されたドイツのジャズ・カルテット、クリスティアン・クリシュコフスキー・カルテット(Christian Krischkowsky Quartet)の3枚目となるアルバム『Discovery of Lightness』は、知性と本能的な躍動感が共存する、挑戦的な作品だ。セロニアス・モンクの影響を受けたビバップと、ヒップホップのヴァイブス、さらには独特のユーモラスなポップ性まで兼ね備えた個性的なジャズが彼らの魅力だ。

  • 2026-01-12
  • 2026-01-16

ピアノとギター、郷愁的なデュオ再び。ロベルト・オルツェル&ロレンツォ・コミノーリ、至高の新譜

前作『Timeline』(2020年)が高く評価されたイタリアのピアノとギターのデュオが、新たな感動を届けてくれた。ピアニストのロベルト・オルツェル(Roberto Olzer)をギタリストのロレンツォ・コミノーリ(Lorenzo Cominoli)のデュオ新譜『Dreams of Others』は、世界的な作曲家たちの楽曲のカヴァーに、少しのオリジナルを織り交ぜた、ジャズの美の極みに達した作品だ。

  • 2026-01-04
  • 2026-01-04

ノルウェー発、新世代の北欧ジャズ。リヴ・アンドレア・ハウゲ・トリオ『Døgnville』

アルバム・タイトルの『Døgnville』とは、どうやらノルウェー語に特有で翻訳が難しい言葉らしい。「døgn」(24時間、昼夜)と「vill」(野生の、道に迷った、混乱した)という単語が組み合わさっており、文字通りには「昼夜迷子」のようなニュアンスを持つという。単に時差ぼけの場合もあれば、ノルウェー北部での白夜や極夜で時間感覚を失った状態、あるいは数日間病気で寝込んだ後の時間の混乱といったときに使われるようだ。

  • 2025-12-28
  • 2025-12-28

故郷を想うCaracas Trio、現代ジャズにアフロ・ベネズエラの伝統を織り込む新譜『Folklore』

全員がベネズエラの首都カラカス出身だからカラカス・トリオ(Caracas Trio)という安直なネーミングや、あまり売る気のなさそうなジャケットはさておき、『Folklore』は確かなクオリティのアルバムだ。このトリオではデビュー作だが、3人はいずれもニューヨークの現代ジャズシーンを彩る手練れで、洗練された現代ジャズに、タイトルに掲げるようにベネズエラの多様な伝統を織り交ぜている。

  • 2025-12-27
  • 2025-12-27

伊藤志宏 3cello variation ─ 目を閉じて耳で読む物語【NOCTIODRIA(ノクティオドリア】

アルバム・タイトルの『Noctiodria(ノクティオドリア)』は、ラテン語を組み合わせた伊藤志宏による造語だ。意味は「意味は「夜の香り/漆黒の香気)」──。 ジャズ・ラテン・器楽系音楽から歌伴まで、確たるテクニックに支えられた閃きに溢れた演奏で八面六臂の活躍をするピアニストの伊藤志宏が、平山織絵、井上真那美、島津由美という3人の女媛チェリストと活動する「伊藤志宏 3cello variation」が、美しい物語を編んだ2014年のデビュー作『Tapestria(タペストリア)』から4年、セカンド・アルバム『Noctiodria』を完成させた。

  • 2025-12-27
  • 2025-12-27

情感と緊張感に溢れる物語が紡がれる至高の室内楽── 伊藤志宏 3cello variation【タペストリア】

 東京の器楽系シーンで最も信頼されるピアニストの1人、伊藤志宏。彼のライヴ・スケジュールは、丸々一ヶ月休みがないのではないかと心配になってしまう程、ほぼ毎日、様々な編成での演奏スケジュールで埋まっている。その伊藤が、彼の活動の中で今最も力を入れている活動の1つが、平山織絵、井上真那美、島津由美という3人の女性チェリストによるユニット「伊藤志宏 3cello variation(以下、3cello)」だ。昨年ファースト・アルバム『タペストリア』をリリース、ライヴ活動もコンスタントに行い前進を続けるユニットだが、そもそもなぜ、このような変則的な編成のユニットを、伊藤は結成することになったのか……。大塚・グレコでのライヴ前、4人にインタビューする機会を得た。

  • 2025-12-23
  • 2025-12-22

フィンランドの鬼才イーロ・ランタラ、原点に立ち返った初のスタンダード曲集『Trinity』

これまでに数々のユニークな作品をリリースし、そのユーモアと群を抜く抒情的かつ技巧的なピアニズムで世界中を魅了してきたフィンランドを代表するピアニスト、イーロ・ランタラ(Iiro Rantala)の新作 『Trinity』は、意外なことに彼自身初の“スタンダード曲集”だった。

  • 2025-12-19
  • 2025-12-19

ユダヤ伝統をグローバルと接続する。ピアニストのヨタム・イシャイ新作『Singing of The Herbs』

イスラエル出身のピアニスト/作曲家ヨタム・イシャイ(Yotam Ishay)が、8ヶ国から23人のミュージシャンを招き、伝統的なユダヤ音楽をベースに、ジャズを通じて世界との対話を試みた新作『Singing of The Herbs』。ピアノを中心とし、ヴォーカルやスポークン・ワード、ストリングスなども交えたバラエティに富んだ楽曲が収録されており、どこか神秘的で厳かな雰囲気を漂わせる美しい作品だ。

  • 2025-12-12
  • 2025-12-12

クリスチャン・エスクーデの”最後のピアニスト”アントワン・エルヴィエによる至高のトリビュート

フランスのジャズピアニスト、アントワン・エルヴィエ(Antoine Hervier)の2025年新作『Navigue loin - Looking at Christian Escoudé』は、彼がそのバンドの最後のピアニストとして在籍していた、2024年に他界したフランスを代表するジプシージャズ・ギタリストであるクリスチャン・エスクーデ(Christian Escoudé, 1947 - 2024)のトリビュート・アルバムだ。アルバムにはエスクーデが遺した10曲(11トラック)が選ばれており、ピアノトリオを中心に、数曲でゲストを加えて魅惑のジプシー・ジャズの世界へと誘う好盤となっている。

  • 2025-12-10
  • 2025-12-09

北欧ジャズの象徴ブッゲ・ヴェッセルトフト、世代を超えた特別な才能たちを招いた新作『Am Are』

ノルウェーの先進的なジャズを牽引するピアニスト/作曲家ブッゲ・ヴェッセルトフト(Bugge Wesseltoft)が、個性豊かなゲストを迎えて制作した2025年新譜『Am Are』。アルバムではソロからトリオまでメンバーを変えて様々な編成やサウンドを試すなど実験的な要素がありつつ、ジャズの伝統にもしっかりと根差し、聴きやすくも刺激的な作品だ。