TAG

ピアノ

  • 2025-10-29
  • 2025-10-25

現代NYに根差す硬派なイスラエル・ジャズの好盤。ギタリスト、ナダフ・レメズ新譜『Summit』

イスラエル出身、ニューヨークを拠点に活動するギタリスト/作曲家のナダフ・レメズ(Nadav Remez)のアルバム『Summit』は、イスラエルとアメリカの幅広い年代のメンバーからなるクインテットで硬派な”イスラエル・ジャズ”を聴かせてくれる好盤だ。

  • 2025-10-28
  • 2025-10-28

【世界中から注目される新世代の才能、待望の初来日迫る】ヴァネッサ・モレーノ & サロマォン・ソアレス【from ブラジル】

その実力と表現力について、世界が認めたブラジル新世代のデュオ、ヴァネッサ・モレーノ & サロマォン・ソアレス(Vanessa Moreno & Salomão Soares)が、11月下旬に遂に初来日を果たす。会場はビルボードライブ横浜だ。▶︎ ヴァネッサ・モレーノ & サロマォン・ソアレス × マルセロ木村 ~Brasil meets Brasil in Japan!~【ビルボードライブ横浜】(1日2回公演)2025/11/27(木)1stステージ 開場16:30 開演17:30 / 2ndステージ 開場19:30 開演20:30

  • 2025-10-26
  • 2025-10-25

パリ流 “The Getdown” を体現。フランス最強のオルガン/ピアノ/ドラムスのトリオのデビュー作

フランス・ニーム出身の鍵盤奏者ローラン・クーロンドル(Laurent Coulondre)、フランス海外県グアドループ出身の打楽器奏者アーノウ・ドルメン(Arnaud Dolmen)、そして同じくフランス海外県マルティニーク出身のピアニストグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)のトリオによるアルバム『The Getdown』。それぞれが輝かしい経歴を持ち、フランスの若手〜中堅の中でもトップクラスに世界的知名度を誇る3人による新たなジャズ。

  • 2025-10-22
  • 2025-10-22

アルメニア系ピアノ奏者アンドレ・マヌーキアン、国境なき地平を目指すオリエンタル・ジャズ新譜

前作『Anouch』(2022年)で、アルメニア人の記憶に深く刻まれたジェノサイドの悲劇の歴史を、その被害者であった祖母の体験を通して生々しく描き出し芸術的な音楽物語へと昇華させたフランスのピアニスト/作曲家アンドレ・マヌーキアン(André Manoukian)の新作『La Sultane』。ジャズ・ピアノトリオを中心とし、東洋のパーカッションやストリングスなども交え、国境のない地平を描き出してゆく。

  • 2025-10-15
  • 2025-10-10

95歳現役のベース革新者フランソワ・ラバト、世界を巡ったツアーにインスパイアされた新作

ダブルベースの奏法に革新をもたらしたフランスの伝説的なベーシスト、フランソワ・ラバト(François Rabbath, 1931 - )と、その息子であるピアニスト/作曲家/プロデューサーのシルヴァン・ラバト(Sylvain Rabbath, 1984 - )を中心としたプロジェクト、ラバト・エレクトリック・オーケストラ(Rabbath Electric Orchestra)のデビュー作『Amall』が素晴らしい。

  • 2025-10-08
  • 2025-10-05

すべての悩める人へ、音楽は精神の最高の“薬”── ASDを乗り越えたピアニスト、エリオット・ジャック新作

イングランド・ソリハル出身のピアニスト/作曲家エリオット・ジャック(Elliott Jack)が、パートナーの妊娠が発覚した2023年1月から作曲を開始し、初めての息子が誕生したあとの2024年6月まで制作を続けた『Night Light』。父性の芽生えをテーマとし、息子への贈り物としても機能する楽曲が収められており、録音はアップライトピアノの演奏をペダルの動きまで克明に生々しく捉えている。ブラームスの子守唄をアレンジした(5)「Lullaby, Op. 49 No. 4」を除き、全曲がエリオット・ジャックのオリジナルで、ジャズからポスト・クラシカルへ転向したという彼らしい個性が滲む。

  • 2025-10-05
  • 2025-10-05

アルゼンチン・ジャズの新たな傑作。パンチョ・ラゴネセ『Mosaico』

アルゼンチン・ブエノスアイレスのピアニスト/作曲家パンチョ・ラゴネセ(Pancho Ragonese) の2025年作『Mosaico』は、同地のフォルクローレと、ジャズや隣国ブラジルの音楽などが高度に融合した現代アルゼンチン・ジャズ(いわゆる“ネオ・フォルクローレ”)の魅力が凝縮された傑作だ。

  • 2025-10-04
  • 2025-10-04

冒険心溢れるオーストリアの奇才デュオ。David Helbock & Julia Hofer『Faces of Night』

クラシックを原点としながら、大胆なエレクトロニカやヴォイス・パーカッション、ポエトリー・リーディングや変則バンドなど様々な表現方法で毎回驚かせてくれるオーストリア出身の奇才ジャズピアニスト/作曲家、デヴィッド・ヘルボック(David Helbock)が新たにデュオの相手に選んだのは同郷出身のチェリスト/ベーシストのユリア・ホーファー(Julia Hofer)。相当名義の新譜『Faces of Night』は、冒険心と遊び心に溢れる二人のデュオ演奏に加え、フリューゲルホルンのローレンツ・ラープ(Lorenz Raab)、ダブルネック・ギターの鬼才マハン・ミララブ(Mahan Mirarab)、そして歌手ヴェロニカ・ハルチャ(Veronika Harcsa)というユニークな才能もゲストに迎えた楽しいジャズ・アルバムとなっている。

  • 2025-09-28
  • 2025-09-28

混乱する現代社会の“解毒剤”。中東ルーツのジャズトリオ「L’Antidote」、デビュー作

いずれも中東にルーツを持ち、音楽家としてヨーロッパで成功を収めた3人──イラン系フランス人の打楽器奏者ビジャン・チェミラニ(Bijan Chemirani)、アルバニア生まれで戦火を逃れイタリアに来たチェロ奏者レディ・ハサ(Redi Hasa)、そしてレバノン出身でやはり内戦から逃れてフランスに移住したピアニストのラミ・カリフェ(Rami Khalife)──。伝統音楽、ジャズ、クラシック、エレクトロなどそれぞれ専門分野は微妙に違えども、音楽的にも文化的にも重なる部分も多い彼らが初めてトリオを組み、“奇跡的”とすら形容したくなるほどに神秘的で感情を揺さぶられる音楽を生み出した。

  • 2025-09-24
  • 2025-09-24

イスラエルとロシア出身の3人による痛々しいほどの音楽表現。社会の不条理を映すアリエル・バルト新譜

イスラエル出身、現在はドイツ・ベルリンを拠点に活動する新世代のジャズ・ハーモニカ奏者/作曲家アリエル・バルト(Ariel Bart)が、数年前から粛々と表現を磨き続けてきた「The Trio Project」の集大成であり、そのデビュー作『After Silence』をリリースした。“抒情的”という言葉では軽い、もっと深い感情表現をハーモニカ、チェロ、ピアノという変則トリオで描き出した素晴らしい作品だ。

  • 2025-09-23
  • 2025-09-22

世界に癒しを──。伊ピアニスト、アントニオ・ファラオが新機軸を提示する『Heal The World』

イタリアを代表するピアニスト、アントニオ・ファラオ(Antonio Faraò)によるスタンダードなどカヴァー曲を中心とした新作『Heal The World』。アルバム・タイトルに採用されたのはマイケル・ジャクソン(Michael Jackson, 1958 - 2009)が湾岸戦争勃発と同時期の1991年に発表した反戦歌であり、“世界に癒しを”というテーマが今作全体に通底する。

  • 2025-09-21
  • 2025-09-15

驚くべき意思疎通によって創られた魔法のような北欧的即興。ヨーナ・トイヴァネン・トリオ『Gravity』

ヨーナ・トイヴァネン・トリオ(Joona Toivanen Trio)はフィンランドでももっとも長い活動歴を誇るトリオのひとつだ。日本でも、彼らの存在は比較的知られているだろうと思う。なにせ、彼らのデビュー作『Numurkah』(2000年)を“若干21歳のトリオ、フィンランドからの新風!”と紹介し大々的に売り出したのはあのレジェンダリーな澤野工房だったからだ。実際、彼らの音は北欧ジャズらしいリリカルさがあり、さらに若手特有の背伸びした青さもあり、非常に魅力的に映った。

  • 2025-09-16
  • 2025-09-15

ピアノの詩人フレッド・ハーシュ、名手たちと紡ぐ極上のピアノトリオ作『The Surrounding Green』

これほど心が洗われるような音楽は、なかなかない。“ピアノの詩人”ことフレッド・ハーシュ(Fred Hersch)による、ECM第3作目『The Surrounding Green』。ベースのドリュー・グレス(Drew Gress)もドラマーのジョーイ・バロン(Joey Baron)も長年のコラボレーターだが、このピアノトリオ編成でのスタジオ録音は初だという。選曲もオリジナルとカヴァーでだいたい半分ずつとバランスが取れており、万人にお勧めできるジャズ・ピアノトリオの作品であることは間違いない。

  • 2025-09-13
  • 2025-09-13

モンゴル出身ピアニストと、ドイツ出身低音マルチ奏者。愛情深き男女デュオの初作にして最高傑作

2023年のデビュー作が高く評価されたモンゴル出身のピアニスト、シュティーン・エルデネバートル(Shuteen Erdenebaatar)と、ドイツ出身のベーシスト/クラリネット奏者ニルス・クーゲルマン(Nils Kugelmann)。2020年に出会って以来、音楽だけではなく人生のパートナーとして絆を深めてきた二人による初のデュオ・アルバムが『Under the Same Stars』だ。