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アメリカ合衆国

  • 2025-04-29
  • 2025-04-29

躍動するアフロ・カリビアン・バッハ!! ヨアキム・ホースレイ「Via Havana」トリロジー最終章

西洋クラシックの作曲家の名曲をアフロ・カリビアン音楽で再解釈するプロジェクトが人気の米国のピアニスト/作編曲家ヨアキム・ホースレイ(Joachim Horsley)が最新作『Afro Bach』をリリースした。その名のとおり、“音楽の父”ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(Johann Sebastian Bach, 1685 - 1750)の名曲を独創的にカヴァーしており、そのアイディアに驚き(そしてたくさんの楽しさ)を提供してくれるアルバムとなっている。

  • 2025-04-26
  • 2025-04-26

スーパーベーシスト、モヒニ・デイ最新作!強烈な印象を残すプログレッシヴ・ジャズロック

米国ロサンゼルス出身、現在はインドに移住したサックス奏者/作曲家マーク・ハートサッチ(Mark Hartsuch)と、彼の妻でありインド出身の世界的なベース・ヒロインであるモヒニ・デイ(Mohini Dey)、そしてモヒニと長年音楽活動を共にしてきたインド出身のドラマー、ジーノ・バンクス(Gino Banks)によるプログレッシヴ・ジャズロック・トリオ、マモジ(MaMoGi)が新作『MaMoGi II』をリリースした。トリオのデビュー作『Mamogi』(2023年)から2年、今作でも強固でパワフルで超絶的なバンドサウンドを聴かせてくれる好盤となっている。

  • 2025-04-19
  • 2025-04-12

繊細かつ知的な創造性に満ちたギタリスト、タル・ヤハロムの初リーダー作『 Mirror Image』

創造的でアグレッシヴな2013年結成のジャズ/プログレバンド、カダワ(Kadawa)のギタリストであり、優れた作曲家であるタル・ヤハロム(Tal Yahalom)が自身初のリーダー作『Mirror Image』をリリースした。バンドはクインテット編成だが、各メンバーの楽器の持ち替えや、曲ごとに多ジャンルに渡る音楽性によって非常に多様な音楽を楽しめる作品となっている。

  • 2025-04-16
  • 2025-04-17

驚異のエレクトリック・バスーン×プログレジャズ! ポール・ハンソン&レイズ・ザ・メイズ

バスーン(ファゴット)をジャズやロックの領域に持ち込み、ソロ楽器として革新的な役割を果たすことに成功した米国サンフランシスコのバスーン奏者/作曲家のポール・ハンソン(Paul Hanson)の2024年作『CALLIOPE』は驚きに満ちたアルバムだ。プログレッシヴ・ロックの男女デュオであるレイズ・ザ・メイズ(Raze The Maze)とのコラボレーションを軸に、ルスラン・シロタやビリー・コブハムといった大物も参加。エレクトリック・バスーンを手に新たな時代を切り拓いてきた彼の集大成的な傑作となっている。

  • 2025-03-30
  • 2025-04-09

ラテンジャズを愛するスイス出身若手女性ピアニスト、マノン・ミュレナーが描くそれぞれの人生の物語

スイス出身、ニューヨークで活動するジャズピアニスト/作曲家マノン・ミュレナー(Manon Mullener)が、世界中で出会った人々の人生の物語にインスパイアされ制作した新譜『Stories』が素晴らしい。キューバ音楽に影響を受け、現代NYで演じられるヨーロピアン・ジャズといった独特の趣のある作品で、多様なアイディアの発現からこの若手音楽家の才能が確信できる秀でた作品となっている。

  • 2025-03-23
  • 2025-03-23

アメリカの燻銀アンサンブル Conjunto Berretin、タンゴの深淵を覗かせる新譜『La Mariposa』

アメリカ合衆国オレゴン州ポートランドを拠点に20年以上活動するタンゴ・アンサンブル、コンフント・ベレティン(Conjunto Berretin)の2025年新譜『La Mariposa』は、伝統的なアルゼンチン・タンゴを軸に、ジャズやクラシックの音楽的な要素が絶妙にブレンドされたなんとも魅力的な作品だ。

  • 2025-03-21
  • 2025-03-21

知性派現代ジャズの最前線ピアノトリオ。太陽の恵みをテーマとしたフィリップ・レム最新作

オランダ出身のドラマー/作曲家フィリップ・レム(Philippe Lemm)の4枚目となるスタジオ・アルバム『Echo The Sun』。今作ではトリオにインド出身ピアニストのシャーリク・ハサン(Sharik Hasan)を新たに迎え、太陽の恵みによる光と温かさ、回復力をテーマとした音楽的探求を特徴とした素晴らしい現代ジャズを展開する。

  • 2025-03-13
  • 2025-03-14

ジャズに魅了されたモロッコ出身の天才マルチ弦楽器奏者マフムード・ショウキが奏でる“交易の音”

モロッコ出身で現在は米国ニューオーリンズを拠点とするマルチ弦楽器奏者/作曲家マフムード・ショウキ(Mahmoud Chouki)。2024年リリースの『Caravan "From Marrakech To New Orleans"』は、ギターやウードを卓越した技巧で操り、マグレブ(北西アフリカ諸国)の音楽とニューオーリンズで生まれたジャズを融合した独創的な音楽で国際的に称賛される彼の新作だ。

  • 2025-02-28
  • 2025-02-16

研ぎ澄まされた水晶のように透明な美しさ。ケヴィン・ヘイズ、ホルヘ・ロッシ 初のデュオ作

90年代からニューヨークでしばしば演奏を重ねてきた二人の名手、ピアニストのケヴィン・ヘイズ(Kevin Hays)と打楽器奏者ホルへ・ロッシ(Jorge Rossy)が再会。ピアノとヴィブラフォンの編成で初のデュオ作『The Wait』をリリースした。トニーニョ・オルタ(Toninho Horta)がジョビン(A.C. Jobim)逝去後にトリビュートとして作曲した(1)「De Ton Pra Tom」で始まる今作には、二人のオリジナルやスタンダードをバランスよく収録。大胆と繊細が同居する深淵なサウンドに魅せられる美しいアルバムとなっている。

  • 2025-02-13
  • 2025-02-12

“豪州ジャズの未来”ロス・マクヘンリー、壊滅的な森林火災や家族の想い出をテーマにした新譜

オーストラリア出身のベーシスト/作曲家ロス・マクヘンリー(Ross McHenry)の5枚目のアルバム『Waves』(2024年)。2019年の夏のオーストラリアを襲った史上最悪の森林火災をきっかけに制作された。バンドはドラムスのエリック・ハーランドやピアノのマシュー・シーンズを中心に、テナーサックスのダニー・マッキャスリン、トランペットのアダム・オファーリル、ギターのベン・モンダーとNYで活躍するスターが集結。前述の災害を含め、ロス・マクヘンリーの個人的な記憶に基づく出来事で覆われており、全体的に彼の優れたストーリーテラー/作曲家としての輝きを強調する素晴らしく調和した演奏で、“内省的”という看板を掲げるに相応しい作品となっている。

  • 2025-01-31
  • 2025-01-30

魅惑のポップネスと芸術的な独創性が同居する奇跡のバンド Fievel Is Glauque、洗練極める3rd

予測不能な奇妙なポップネスが炸裂する話題作!米国ニューヨーク出身のマルチ奏者ザック・フィリップス(Zach Phillips)と、ベルギー・ブリュッセル出身のシンガー、マ・クレマン(Ma Clément)によるオルタナ・ジャズポップ・ユニット、ファイベル・イズ・グローク(Fievel Is Glauque)による2024年作『Rong Weicknes』。そのオリジナリティは新鮮で突き抜けており、キャッチーでアーティスティックなセンスに脱帽。

  • 2025-01-21
  • 2025-01-21

Banda Magda のマグダ・ヤニクゥ、四季をテーマにした4部作プロジェクト第1作『For Spring』

マイケル・リーグや小川慶太ら、スナーキー・パピーが強力にバックアップしたことで人気を博したバンダ・マグダを率いるギリシャ出身SSWマグダ・ヤニクゥ(Magda Giannikou)による、ソロ・アーティストとしての新作『For Spring』。今作の名義は「Magda & Banda Magda」となっており、スナーキー・パピーのトランペッター/鍵盤奏者であるジャスティン・スタントン(Justin Stanton)や、ニュージャージー州出身のベース奏者マット・アロノフ(Matt Aronoff)らを迎えたバンドで彼女の独創的な世界観を表現した作品だ。

  • 2025-01-12
  • 2025-01-10

シアトルの気鋭ピアニスト、ビル・アンシェルのユニークな個性と創造性『Improbable Solutions』

米国シアトルのジャズ・ピアニスト/作曲家、ビル・アンシェル(Bill Anschell)の2024年作『Improbable Solutions』。自分にとって名前も演奏も初めて聴くピアニストで、とても瑞々しく若い感性が作曲やサウンドの随所に感じられたので若手かなと思っていたが、なんと1959年生まれの還暦過ぎのベテランだった。

  • 2025-01-07
  • 2025-01-05

現代最高峰のオーセンティック・ジャズ。アリ・ホーニグ・トリオ新作『Tea for three』

米国のドラマー、アリ・ホーニグ(Ari Hoenig)の新譜『Tea for three』。ピアノのガディ・レハヴィ(Gadi Lehavi)、ベースのベン・ティベリオ(Benjamin "Ben" Tiberio)とのトリオ編成は前作『Golden Treasures』(2022年)と同じ面子で、長いキャリアを持つアリにとっても同じメンバーで2枚続けてアルバムをリリースするのは初めてのようだ。