避けて通れない、現在進行形イスラエル音楽シーンの話題作
2019年のイスラエルジャズ界隈でもっとも話題になった作品が、リキッド・サルーン(Liquid Saloon)なるバンドの『Liquid Saloon』だろう。
この新しいバンドはアミール・ブレスラー(Amir Bresler, ds)、セフィ・ジスリング(Sefi Zisling, tr)、そしてノモク(Nomok, key)という現代イスラエルジャズシーンを牽引する3人が核となり、リジョイサー(Rejoicer, key)やニタイ・ハーシュコヴィッツ(Nitai Hershkovits, key)、エヤル・タルムディ(Eyal Talmudi, cl)ら豪華なゲストを迎えて制作された。
彼らの音楽は西アフリカのハイライフや、アフロビートに大いに影響された現代ジャズだ。
表面的には最高にクールな“今JAZZ”なのだが、近年急速に発展を遂げたイスラエルジャズという混血音楽の中で、その進化を担う新世代の音楽家たちが、アフリカ音楽に惹かれ、自らの血肉の中に吸収していく過程が生々しく感じられもするアルバムだ。
アフロビートのリズムを基調にしながらも、巧みにイスラエルジャズやエレクトロニカのエッセンスを取り入れた『Liquid Saloon』の現代的なサウンドに魅了される人は多いと思う。ぜひ、聴いてみてほしい。