シャウリ・エイナヴ、個性的なピアノレスジャズ
イスラエル出身、NYで活動したのち現在はフランスのパリを拠点に活動する作曲家/サックス奏者シャウリ・エイナヴ(Shauli Einav)の2019年作『Animi』。ピアノレスのユニークなクインテットによるインタープレイの妙を楽しめる。
シャウリ・エイナヴは1982年、イスラエルの出身。これまでにシャイ・マエストロやアーロン・ゴールドバーグ、オメル・アヴィタル、ギラッド・ヘクセルマンといった現代ジャズの主要な音楽家たちと共演している注目のサックス奏者だ。
彼は4歳でバイオリンを始め、13歳でサックスに持ち替え、エルサレムとテルアビブでバンド演奏を始めた。米国の伝説的サックス奏者アーニー・ローレンスに見初められ米国に渡り、NYで7年間活動後、現在はパリを拠点としている。
今作『Animi』は6枚目のリーダーアルバムとなり、サックス、ヴィブラフォン、トロンボーン、ベース、ドラムスという珍しい5人編成(5曲目のみウードが参加)で演奏される。
オーソドックスなモダンジャズを基調としながら、サックスとトロンボーンの2管が複雑に絡みながら奏でる旋律や、時折見せるクレズマー的な旋律、ドラムスとベースの弾力性のあるリズムなど、聴きどころは満載。ピアノの代わりに和音を奏でるティム・コリンズ(Tim Collins)のヴィブラフォンが非常に効果的で、この作品の印象をより一層ユニークなものにしている。
Shauli Einav – tenor sax, soprano sax
Tim Collins – vibraphone
Andy Hunter – trombone
Jonathan Zelnik – bass
Guilhem Flouzat – drums
Faycal Salhi – oud(5)