ダン・マヨ。ジャズ×エレクトロニカな最先端ドラマー
1990年イスラエル生まれ、ダン・マヨ(Dan Mayo)はエレクトロニカ、ジャズ、ロック、ファンクなど多様な音楽にインスパイアされ、独自の方法論を確立したドラマー。
彼の2019年のアルバム『Big Brown Eyes』がちょっとヤバい感じなので紹介したい。
まずは手っ取り早く、音と映像で楽しんでいただこう…
いかがだろうか…
エレクトロサウンドと絡む独特のドラミングに、目と耳を奪われたのではないだろうか。
アルバム『Big Brown Eyes』では、こうしたジャズドラムとエレクトロニカが融合した奇跡のような演奏を堪能することができる。一度ハマるとちょっとヤバい、麻薬的なめくるめく音の世界だ。
ポストロック界隈で注目される、現代最高峰のドラマー
父親がレッド・ツェッペリン(Led Zeppelin)とラッシュ(Rush)の音楽で家中を埋めた家庭に育ったダン・マヨは、3歳でドラムやパーカッションに大いなる関心を示した。6歳から音楽のエリート教育を受けピアノ、サックス、マリンバを習得。音楽とドラムに集中するため高校を中退し音楽学校に入学したが、音楽をフレームワークで理解することに意味はないと感じ、ファンクやロック、ジャズの影響のもとドラム演奏の方法論を独自に構築していった。
そして2011年に結成されたTATRANというスリーピースバンド(パワートリオ)では、2014年のアルバム『Shvat』で世界的な称賛を浴び、バンドキャンプのジャズ、インストゥルメンタル、ポストロックのチャートで1位を飾るほどの大成功を収めた。
今回紹介している『Big Brown Eyes』もダン・マヨのソロプロジェクトではあるが、数曲で参加しているベースのOffir Benjaminov、ギターのTamuz Dekel ともにTATRANのメンバーなので、実質TATRANの新譜といってもほぼ差し支えないだろう。
ダン・マヨは2018年からは世界的バンド、リンキン・パーク(Linkin Park)のヴォーカル/ギターのマイク・シノダ(Mike Shinoda)からのオファーがあり、シノダのバンドメンバーとしてツアーを行うなど、ポストロック界隈で注目されるドラマーになりつつある。
ダン・マヨはまた、ドラム講師としてオンラインレッスンにも力を入れている。Inner Voice と名付けられたこのプログラムはダン自身が開発し、世界中の音楽関係者の支援を受けているとのこと。
地元イスラエルでは既にカリスマドラマーとなっているダン・マヨ。既にモントリオール・ジャズフェスティバル、アトランタ・ジャズフェスティバル、バンクーバー・ジャズフェスティバルなどの大舞台で演奏をしており、その独特なドラミングで世界を制する日も近そうだ。
Dan Mayo – drums
Offir Benjaminov – bass (3,4,8,10)
Tamuz Dekel – guitar (1,2,5)