トム・ミッシュ&ユセフ・デイズ。UKジャズの若き鬼才が組んだ『What Kinda Music』

Tom Misch & Yussef Dayes - What Kinda Music

UKジャズシーンで注目される二人の共作アルバム

イギリス・ロンドン出身のマルチ奏者/作曲家のトム・ミッシュ(Tom Misch)と、同じくロンドンのジャズドラマー、ユセフ・デイズ(Yussef Dayes)が共同制作した2020年新譜『What Kinda Music』がリリースされた。
今作は特にユセフ・デイズによる躍動する人力グルーヴが、様々な音楽を吸収したトム・ミッシュによる色彩感覚豊かな楽曲に絡んだサウンド。
革新的ではないが進歩的な、現代のロンドン・ジャズシーンらしい聴いていて自然と体が揺れるような気持ちいい作品だ。

(1)「What Kinda Music」のMV。
米国のラッパー、フレディ・ギブス(Freddie Gibbs)をフィーチュアした(3)「Nightrider」のMV。

音からはトム・ミッシュとユセフ・デイズというそれぞれ違った才能のある二人が、互いにアイディアを出し合いながら作り上げていった充実した制作過程が想像される。個性をぶつけ合いながらも、尖り過ぎない。バランス感覚といえば聞こえはいいが、全体的に“無難”で印象には残りにくい感じもする。

ゲストとして(7)「Lift Off」にはThe Whoのベーシストとして知られるピノ・パラディーノ(Pino Palladino)の息子ロッコ・パラディーノ(Rocco Palladino)がベースで参加。
(3)「Nightrider」には米国のラッパー、フレディ・ギブス(Freddie Gibbs)も参加している。

ロッコ・パラディーノ(Rocco Palladino)をフィーチュアした(7)「Lift Off」のライヴMV。

トム・ミッシュ(Thomas Abraham Misch, 1995年 -)はイギリスのロンドン出身のSSW/マルチ奏者/ビートメイカー/プロデューサー。
ギター、ヴァイオリン、キーボードなどを得意とするマルチ・インストゥルメンタリストで、2012年頃よりSoundCloudで頭角を表してきた。2018年のデビューアルバム『Geography』はその圧倒的なクオリティの高さで評価された。
日本では星野源とのコラボ「Ain’t Nobody Know」でもよく知られている。

ユセフ・デイズ(Yussef Dayes, 1993年 – )はトム・ミッシュ同様に南ロンドンに生まれ育ったジャズドラマー/パーカッション奏者。ファンク、アフロビート、グライムなど多彩なリズムに習熟した、ロンドンのジャズシーンでも最も卓越したドラマーとされている。

アルバム『What Kinda Music』のミニ・ドキュメンタリー映像。
Tom Misch & Yussef Dayes - What Kinda Music
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