南米タンゴ×ヨーロッパジャズの融合『Kind of Tango』
ドイツのドラマー/作曲家、ウォルフガング・ハフナー(Wolfgang Haffner)のCool(2015)、Spain(2017)と続いてきた“Kind of シリーズ”の最新作は『Kind of Tango』。
その名の通り南米のタンゴに焦点を当てた作品だが、(3)「La Cumparsita(ラ・クンパルシータ)」、(5)「Libertango(リベルタンゴ)」といったタンゴの名曲のカヴァーもあるものの楽曲のほとんどはウォルフガング・ハフナー、もしくは今回のバンドメンバーのオリジナルで所謂タンゴのアルバムとも違う独特の風情を放つ。
タンゴの特徴的なリズムはともすると重く硬くなりがちだが、ウォルフガング・ハフナーの柔軟なドラムはタンゴが持つ哀愁感を程よくやわらげ、ラーシュ・ダニエルソン(Lars Danielsson)やヴァンサン・ペラニ(Vincent Peirani)、ウルフ・ワケーニクス(Ulf Wakenius)といった欧州を代表する超一級のミュージシャンたちの感性と混ざり合い魅力的なヨーロッパジャズへと昇華している。
ウォルフガング・ハフナーは1965年ドイツ生まれのドラマー。ジャズ/フュージョンに限らず、R&B、ロック、ポップスなど幅広い分野で活躍する。これまでに400枚以上のアルバムに参加し、20枚ほどのリーダー作をリリース。モダンジャズをテーマにした2015年作『Kind of Cool』はジャズ・チャートの1位になり、5週間に渡りドイツのポップミュージック・チャートにも載るなどヒットした。
Wolfgang Haffner – drums
Lars Danielsson – bass, cello
Christopher Dell – vibraphone
Simon Oslender – piano
Vincent Peirani – accordion
Ulf Wakenius – guitar
Guests :
Sebastián Studnitzky – trumpet
Bill Evans – saxophone
Lars Nilsson – flugelhorn
Alma Naidu – voice