ネイト・スミス新作EP『Light and Shadow』
現代ジャズシーンを代表するドラマー/作曲家、ネイト・スミス(Nate Smith)の新譜EP『Light and Shadow』は、ジャズ/R&B/ソウル/ロックと幅広いジャンルで引っ張りだこの最強ドラマーの底知れぬ才能を堪能できる素晴らしい作品だ。彼の2017年の名盤『KINFOLK: Postcards from Everywhere』を好きな方は絶対にハマるはず!
今作は全面的にストリングス・カルテットを招聘し、ドラムスやピアノを含めた他の楽器のほとんどをネイト・スミス自身が演奏している。
ヴォーカル/ギターに稀代のSSW、ヴァン・ハント(Van Hunt)を迎えた(2)「(If Love Won’t) Can We Forgive Ourselves?」は今作のハイライトのひとつだろう。ネイト・スミスのドラミングはいつものように後ノリで重く、そして極めて繊細。そこに幾重にも絡むヴァン・ハントのヴォーカルが完璧に溶け込む。弦楽四重奏による対旋律も印象的で、新時代のR&Bと呼ぶにふさわしいトラックだと思う。
EPには他にも秀逸なR&B/ソウルの佳曲が5曲収録されているが、できればフルアルバムの尺でこれらの作品を堪能したかった。
絶妙なタイム感で突出するグルーヴ・マスター、ネイト・スミスの新たな傑作をぜひ聴いてもらいたい。