世界の度肝を抜いた驚異の奇才ベーシスト、アダム・ベン・エズラ

Adam Ben Ezra - Hide and Seek

イスラエル発の奇才ベーシスト、Adam Ben Ezra

イスラエル出身のアダム・ベン・エズラ(Adam Ben Ezra)は多彩な奏法を駆使する超絶ベーシストとして知られている。ダブルベース1本でメロディ、ベースライン、パーカッションパートを同時に演奏して見せた「Can’t Stop Running」の動画は世界中のベーシストを紹介するYouTubeチャンネル「BassTheWorld.com」で紹介され、300万回を超える再生回数を記録している。

多くの音楽ファン/ベースファンの度肝を抜いたアダム・ベン・エズラ「Can’t Stop Running」の驚異的なパフォーマンス。

この他にもフラメンコのリズムやギター奏法を取り入れた「Flamenco」など、ベースと一体化したような躍動感の溢れる演奏とパフォーマンスで独自の立ち位置を築く音楽家だ。

2020年新譜も多彩な音楽性を魅せた傑作

今回はそんな彼のサードアルバム『Hide and Seek』(2020年)の紹介。
ジャズを基調とし、イスラエル伝統音楽やアラブ音楽、フラメンコなどの影響、そしてエレクトロニカも駆使した絶品のイスラエルジャズだ。

アダム・ベン・エズラ自身はその超絶技巧のベースだけでなく、ピアノ、キーボード、ウード、フルート、クラリネットなどマルチプレイヤーぶりを存分に発揮。楽曲はどれも個性的かつキャッチーで、いくつかの曲では味のあるヴォーカルも聴かせてくれる。個人的なおすすめはアダム・ベン・エズラ自身のピアノやウードの演奏も楽しめ、その中東感溢れる旋律が堪らない(2)「Chasing the Rabbit」、続くアラビックなヴォーカルが魅力の(3)「Mamaja」、テクニカルなベースを存分に楽しめる(6)「Fair Fight」、(10)「Sunny Shades」など。

(4)「Hide and Seek」のライヴ演奏。
ループマシンを駆使し、リアルタイムでひとり多重奏を魅せる。

アダム・ベン・エズラ(Adam Ben Ezra, ヘブライ語表記:אדם בן עזרא)は1982年、イスラエルのテルアビブ生まれ。5歳でヴァイオリン、9歳でギター、16歳でエレクトリックベース、その後ダブルベース(コントラバス)の演奏を開始。楽器演奏も作曲もほぼ独学だという。今作でもほぼ全ての楽器を演奏している。
これまでにパット・メセニー(Pat Metheny)、ヴィクター・ウッテン(Victor Wooten)、リチャード・ボナ(Richard Bona)といった著名アーティストとも共演し、間違いなくイスラエルを代表するアーティストのひとりだ。

ベースだけでなくピアノでも独特の表現力をみせる(2)「Chasing the Rabbit」
アルバム収録版のこの曲ではウードも弾いている。

Adam Ben Ezra – double bass, piano, vocals, keyboards, oud, flute, clarinet, melodica, percussion, beatbox
Omer Mor – programming, percussion, drums, beatbox, backing vocals, additional keyboards, electric guitar (6)
Amitai Ben Ezra – baby shout (7)
Guy Dayan – tongue clicks (8)
Uriya Simon – backing vocals (10)

Adam Ben Ezra - Hide and Seek
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