インドネシアの“神童”ピアニスト、早くも5作目のアルバム
わずか11歳でデビュー、ハービー・ハンコックやウィントン・マルサリスらに絶賛され“神童”と呼ばれたインドネシアのジャズピアニスト、ジョーイ・アレクサンダー(Joey Alexander)。インドネシア語で「色を意味する」彼の最新作『Warna』(2020年)は全12曲中10曲がオリジナルで、演奏旅行先での様々な体験にインスパイアされて書き下ろされた楽曲が収録されている。
基本編成はピアノトリオでベースにラリー・グラナディア(Larry Grenadier)、ドラムスにケンドリック・スコット(Kendrick Scott)というトッププレイヤーを起用。数曲では彼のアルバムでは初の試みとなるパーカッションとフルートも参加させ、アルバムのタイトル通り、より色彩感を増した作品となっている。
カヴァー曲はスティング(Sting)の人気曲(9)「Fragile」とジョー・ヘンダーソン(Joe Henderson)の(6)「Inner Urge」を収録。
早熟の天才ピアニスト
ジョーイ・アレクサンダーは2003年、インドネシア・バリ島デンパサールに生まれた。アマチュア・ミュージシャンでありジャズ好きの父親の影響で、6歳の頃から独学でジャズを弾き始めた。両親はすぐに彼の才能と可能性を信じ、ジャズピアノを習える環境のあるジャカルタに移住。8歳の頃、ユネスコ親善大使としてジャカルタを訪れていたハービー・ハンコックの前で演奏、絶賛される。
9歳でジャワ・ジャズ・フェスティヴァルやコペンハーゲン・ジャズ・フェスティヴァルで演奏。ウクライナで開催された全年齢向けジャズコンクールでは17ヵ国43名、プロミュージシャンも参加する中でグランプリを獲得。
2015年に『My Favorite Things』でアルバムデビュー、これまでに本作『Warna』も含め既に5枚のアルバムをリリース、うち2枚はグラミー賞候補にもノミネートされるなどその才能は世界中から注目を浴び続けている。
Joey Alexander – piano
Larry Grenadier – bass
Kendrick Scott – drums
Luisito Quintero – percussion (1, 4, 10)
Anne Drummond – flute (7, 12)