ジャズを軸に他ジャンルも高度に融合したバンド、VALMUZ
2019年にジョニー・ラデュカヌ国際ジャズフェスティヴァルで最優秀賞を獲得したスペインのジャズ/フュージョンバンド、ヴァルムス(Valmuz)がデビュー作『Three Days』をリリースした。
VALMUZのメンバーはギターとヴォーカル、作詞を担当するアイルランド出身のピーター・コノリー(Peter Connolly)、サックスと作編曲のスペイン出身ヴィクトル・ヒメネス(Victor Jimenez)、そして英国出身のベース奏者クリス・アットウェル(Chris Attwell)の3人。ここにサポートメンバーの英国出身ドラム奏者ジェイミー・マーレイ(Jamie Murray)が加わり基本編成としている。
収録曲は多彩だ。インストとヴォーカル曲のバランスも良く、まとまりもある。
オリジナルのほか、The Stranglers のカヴァー(3)「Golden Brown」やジャズのスタンダード(7)「Night & Day」といったツボを押さえた選曲も。
(1)「Ki」はオーガニックなガットギターのイントロで始まり、ヴォーカル、オクターヴ・ユニゾンのサックス2管、ピアノソロ、サックスソロといった要素で構成される。良曲揃いの本作のなかでも特に近代のアルゼンチン音楽のような爽やかな空気感が際立つ楽曲で、このバンドの世界観を端的に表している。
『Three Days』収録の楽曲群はジャンル分けが難しいが、シンガーソングライター的コンポジションにジャズの即興演奏が加わり、曲によってはロックの影響が濃く表出しているものも多く、野外フェス映えなどを含め多くの人々に受け入れられる音楽性だと感じた。
Valmuz は現在、クラウドファンディングに成功し次回作『Sinergia』の制作に取りかかっている。
Valmuz :
Peter Connolly – guitars, vocals & lyrics
Victor Jimenez – alto saxophone, arrangement, composition
Chris Attwell – bass
Jamie Murray – drums (except 6, 8, 9)
Guests :
Polo Ortí – piano, Synth (1,4)
Josvi Muñoz – tenor saxophone (1,4)
Sergio Martínez – percussion (1)
Toni Belenguer – trombone (4)
Carlos Llidó – percussion (4)
Joshua Wheatley – drums (6, 8, 9)
Perico Sambeat – alto saxophone (9)