多彩なゲストも素晴らしいチェンバー・ジャズ傑作
アルゼンチンの打楽器奏者/作曲家、レアンドロ・サヴェロン(Leandro Savelón)の2019年作『De Ver』は、知られざる名盤といっても過言ではない作品だ。
アルバムにはピアノにアレハンドロ・マンツォーニ(Alejandro Manzoni)、ベースにセバスティアン・カーラ(Sebastián Calá)を擁するレギュラートリオに加え、曲ごとに多彩なゲストが参加する。
ハーモニカ奏者のフランコ・ルシアーニ(Franco Luciani)、ヴォーカリストのアビ・ゴンサレス(Abi González)、ギタリストのペドロ・ロッシ(Pedro Rossi)、シンガーソングライター/ギタリストのセシリア・ガウナ(Cecilia Gauna)、そしてギタリストのキケ・シネシ(Quique Sinesi)。さらに数曲で室内管弦楽も加わるなど飽きさせない。
収録曲はすべてオリジナル。
(1)「Siesta y Resurrección de Puk y Ponyo(プクとポニョの午睡と復活)」から、すぐにその楽曲と演奏の素晴らしさに気付く。緻密なコンポージングによる現代アルゼンチン音楽が持つ独特の澄んだ空気感と、中盤から展開するスリリングなジャズの即興演奏。これこそアルゼンチン・ジャズの真骨頂!
レアンドロ・サヴェロン(Leandro Savelón)はこれまでにディノ・サルーシ(Dino Saluzzi)、ニコラス・ゲルシュベルグ(Nicolas Guershberg)、ベルナルド・バラフ(Bernardo Baraj)といったアルゼンチン音楽の巨匠たちと共演を積み重ねてきた。セッション・ミュージシャンとして参加したアルバムは実に60枚以上を数える。ドラマーでありながら、作曲にはピアノやギターを使用。
2012年に『Cebador』でデビューしており、今作は7年ぶりの2ndアルバムとなっている。
Leandro Savelón – drums
Alejandro Manzoni – piano
Sebastián “Taty” Calá – bass
Featureing :
Franco Luciani – harmonica (1, 7)
Abi González – vocal (2)
Pedro Rossi – guitar (3)
Cecilia Gauna – vocal (4)
Quique Sinesi – guitar (6)