イスラエル発、4人の少年の夢の結晶。世界初「アニメジャズバンド」Friendyデビュー!

Friendy - Fire

少年時代から共に演奏するFriendy、日本アニメに感化されたデビューアルバム

“世界初のアニメジャズバンド”を自称する4人組フレンディ(Friendy)。2021年2月にリリースされたデビューアルバム『Friendy Fire』は日本の少年漫画風のジャケットが一際目を惹く。

メンバーはサックスのゾハール・マカディ・アマル(Zohar Mokady Amar)、ピアノのノアム・ボーンズ(Noam Borns)、ベースのダニエル・アシュケナジー(Daniel Ashkenazy)、ドラムスのシャイ・ユヴァル(Shai Yuval)で、全員がイスラエルの出身。彼らは12〜13歳の頃から一緒に演奏をしているとのことで、「Friend = 友達」に由来するバンド名もその友情に因む(ピアノのノアム曰く“もう800年も一緒に演奏しているような感覚”とのこと)。過去3年間ほどは米国ボストンやニューヨークを拠点に活動し、メンバーはケニー・ギャレット、マーク・ターナー、カート・ローゼンウィンケルといったビッグネームとも共演するなど研鑽を積んできたが、新型コロナ禍を機に現在はイスラエルでプレーしているようだ。

そんな彼らが初のアルバム『Friendy Fire』を2021年初頭にリリースした。

日本のアニメのOP曲にインスパイアされたという彼らのオリジナル曲が10曲。どれもジャケット(スコットランドの著名な漫画家が描いたもの)のイメージ通りの熱い展開が繰り広げられ、ソロのせめぎ合いなどまるで能力者同士のバトルを見ているようだ。
彼ら4人が特に影響されたアニメは『NARUTO -ナルト-』や宮崎駿の映画のようだが、他にも30以上の日本アニメを観て、それらが秘めている芸術性や精神性を深く学んできた。

(4)〜(5)「Beyond Sad」では、ジューイッシュな旋律も覗かせるサックスのソロに導かれ、いかにも少年漫画的なタイトル(悲しみを越えて)のとおり、感傷に浸りつつも強く結ばれた絆で前に進もう的な濃いインプロを聴かせてくれる。ラストのピアノの終わり方も日本人の感性にぐさっと刺さりそうで、とても良い。
作曲のセンス、演奏技術どれをとっても一級品。少年時代から一緒にジャズを演奏してきて成功したバンドというのも人気ジャズ漫画『Blue Giant』以上に話が出来過ぎている気もするが、これは今や世界随一のジャズの“聖地”となったイスラエルが生んだひとつの奇蹟なのかもしれない。

このアルバム『Friendy Fire』は4人の少年による10年以上にわたる努力と友情、そしてジャズのプロになるという共通の夢の集大成だ。その情熱はしっかりと“漫画とアニメ文化の国”日本にも届いている。

彼らの夢は日本で自分たちの音楽を演奏したり、アニメの音楽を作ったりすることだという。
最近は巨匠ベーシスト、アヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)の現行トリオにも抜擢された女性ドラマー、ロニ・カスピ(Roni Kaspi)とも共演するなど、これからさらに活躍の幅を広げることは間違いない。

(2)「My Ninja Way」と題された曲。
アヴィシャイ・コーエンのトリオに抜擢されたドラマー、“Roniponi”ことロニ・カスピ(Roni Kaspi)との共演ライヴ。

Zohar Mokady Amar – tenor sax
Shai Yuval – drums
Daniel Ashkenazy – bass
Noam Borns – piano

Friendy - Fire
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