トルコのクラシックギター・デュオが贈る珠玉の南米音楽集

Erdem Sökmen & Hasan Meten - 1

ギターデュオ、Erdem Sökmen & Hasan Meten『1』

トルコのクラシックギタリスト、エルデム・スクマーン(Erdem Sökmen)とハサン・メタン(Hasan Meten)が南米音楽をテーマにデュオで録音したアルバム、『1』(2019年)。2013年からデュオを組む二人による素晴らしい演奏が楽しめる。

2本ともクラシックギター(ガットギター)による演奏だが、ブラジル音楽らしく豊かなハーモニーとジャズの即興演奏が魅力的で、デュオというフォーマットを活かした豊かな音楽が存分に堪能できる作品だ。

収録曲の作曲者は1〜4曲目がセルジオ・アサド(Sérgio Assad)、5〜7曲目がエグベルト・ジスモンチ(Egberto Gismonti)、8,9曲目がハダメス・ジナタリ(Radames Gnattali)、その後はガロート(Garoto, 本名:Anibal Augusto Sardinha)、エルメート・パスコアール(Hermeto Pascoal)、ラルフ・タウナー(Ralph Towner)、オスカー・カストロ・ネヴィス(Oscar Castro-Neves)が1曲ずつ続き、14〜16曲目がパウロ・ベリナッチ(Paulo Bellinati)という、ほぼブラジルの音楽家で占められている(ラルフ・タウナーのみアメリカ人)。
ソロでもアンサンブルでも他にたくさんの録音が残されている名曲が多いので、聴き比べも楽しめるはずだ。

個人的には、このようなクラシックギターの優れた演奏や、まろやかで嫌味のない音色はどんな生活シーンにおいても空間を彩る効果があるので、過ごす時間を何倍も充実したものへと変えるためのBGMとして重宝している。誤解を恐れずに言うならば…これは本当に“有用な”アルバムだ。

オスカー・カストロ・ネヴィス作曲の(13)「More than Yesterday」
ジスモンチ作曲(5)「Memoria e Fado」のライヴ演奏
(6)「Frevo」を作曲者エグベルト・ジスモンチの前で披露する動画。演奏後、ジスモンチが何度も「Very Good」と称えている!

Erdem Sökmen – guitar
Hasan Meten – guitar

Erdem Sökmen & Hasan Meten - 1
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