ノラ・ジョーンズによるクリスマスアルバムが登場
少し気が早いかもしれないが、今年のベスト・クリスマス・アルバム最有力候補が登場した。
ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)の新譜『I Dream Of Christmas』。アルバムには6曲ほどの自作/共作曲のほか、(4)「White Christmas」や(9)「Winter Wonderland」など誰もが知る名曲も収録。デビュー以来変わらない優しく温かく包み込むような歌声とピアノを中心としたアコースティック・サウンドで聴く極上のクリスマス曲集となっている。
ノラは新型コロナ感染症によるロックダウンの間にジェームズ・ブラウンの『Funky Christmas』やエルヴィス・プレスリーの『Elvis’ Christmas Album』を聴いて心地よさを感じ、自身のクリスマスアルバムを制作することを思い立ったという((6)「Blue Christmas」はプレスリーの持ち歌)。
クリスマスソング特有の高揚感や幸福感は多くの人が感じているところだろう。現代最高峰のシンガーが歌うクリスマスソングはこの困難な時代にあって、多くの人々の心に暖かな希望を灯すことになりそうだ。
ノラ・ジョーンズ略歴
ノラ・ジョーンズは1979年生まれ。父親はインドの高名なシタール奏者ラヴィ・シャンカール(Ravi Shankar)、異母妹は同じくシタール奏者のアヌーシュカ・シャンカール(Anoushka Shankar)。父はノラが3歳の頃に母親と離婚しており、幼少時は誰もいない家で母親が所有する膨大なレコードを聴いて寂しさを紛らわせていたという。5歳の頃に教会の聖歌隊合唱団に所属、ピアノは7歳頃から習い始めた。特に歌手のビリー・ホリデイ(Billie Holiday)やビル・エヴァンス(Bill Evans)をよく聴いていたといい、それらの影響はデビュー以降から現在までの彼女の音楽スタイルにも表れている。
ジャズにカテゴライズされていながら、フォークやソウル、カントリーミュージックといったジャンルを広く取り入れピアノで弾き語るスタイルを特徴とし、2002年にアルバム『Come Away With Me』でデビューすると、全世界で1800万枚以上の売上を記録するなど忽ち時の人に。同作は最優秀レコード賞、最優秀楽曲賞、最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンス賞などグラミー賞8部門を受賞した。
Norah Jones – piano, vocals
Brian Blade – drums
Tony Scherr – bass
Nick Movshon – bass
Russ Pahl – pedal steel guitar
Marika Hughes – cello
Dave Guy – trumpet
Raymond Mason – trombone
Leon Michels – saxophone, flute, percussion