イタリアの気鋭ベーシスト、ヤコポ・フェラッツァの壮大な新譜
イタリアのベーシスト/作曲家ヤコポ・フェラッツァ(Jacopo Ferrazza)の新譜『Fantàsia』は、一般的なピアノトリオに加え女性ヴォーカルやチェロ、ライヴ・エレクトロニクスも加えたスケールの大きな作品だ。
1990年生まれのイタリアの注目の若手ピアニスト、エンリコ・ザニシ(Enrico Zanisi)による不穏なピアノによって導かれる(1)「Fantàsia」から既にこの作品の物語性の豊かさ、予想できない展開への期待感、それぞれが反響する即興の興奮に傑作の予感を得る。この曲にはゲストでファブリツィオ・ボッソ(Fabrizio Bosso)も参加し、咆哮するようなトランペットを聴かせてくれる。
楽曲はすべてヤコポ・フェラッツァの作曲。
根底にはジャズのみならずクラシックや実験的な現代音楽にも呼応する多様な感性があり、ありそうでなかったサウンドスケープを描き出す。バンドのアンサンブルも素晴らしく、特にドラムスのヴァレリオ・ヴァンタッジオ(Valerio Vantaggio)には非凡なセンスを感じる。
Jacopo Ferrazza プロフィール
ヤコポ・フェラッツァは1989年にローマ近郊の町フラスカーティで生まれた。イタリアのフロジノーネ音楽院でクラシックのコントラバスとピアノを学び、同時にジャズ演奏家としても活動しエンリコ・ラヴァ、エンリコ・ピエラヌンツィ、グレッグ・ハッチンソン、パオロ・フレス、デイヴ・リーブマンといった国内外の名手とも数多くの共演を果たしてきた。
2017年に初リーダー作『Rebirth』をリリース、その後もコンスタントにアルバムをリリースしている。
Jacopa Ferrazza – double bass, synths
Allessandro Diodati – voice
Enrico Zanisi – piano, synths, live electronics
Livia De Romanis – cello
Valerio Vantaggio – drums
Guests :
Fabrizio Bosso – trumpet (1, 4)
Marcello Allulli – soprano sax (9)