キューバ系ピアニスト、マーティン・ベヘラーノの新譜
キューバ系アメリカ人のピアニスト/作曲家、マーティン・ベヘラーノ(Martin Bejerano)『#CubanAmerican』がリリースされた。自身のルーツを辿りながら、現代的なサウンドプロダクションもしっかりと取り入れた、多様化する現在のジャズシーンのラテンサイドからの好作だ。
アルバムはピアノ、ベース、ドラムス、パーカッションのカルテット編成で、コロンビアの作曲家パチョ・ガラン(Pacho Galán, 1906 – 1988)のカヴァー(1)「Ay Cosita Linda」で幕を開ける。偉大なジャズヴォーカリスト、ナット・キング・コール(Nat King Cole)が歌ったことでも知られる曲で、ここではサンプリングされた音源をミックスしつつカルテットでスリリングにテーマを展開していく。
コロンビアの作曲家アントニオ・フエンテス(Antonio Fuentes)とクレッシェンシオ・サルセド(Crescencio Salcedo)作の(8)「Mi Cafetal」ではアルゼンチン出身の気鋭歌手ロサーナ・アメー(Roxana Amed)が今作では唯一のヴォーカルを披露。
終盤はエレクトリック・ピアノやシンセサイザーの比重も増え、マーティン・ベヘラーノの未来志向を明かにする。
Martin Bejerano 略歴
フロリダ州マイアミに生まれたマーティン・ベヘラーノは15歳からプロのミュージシャンとして活動を開始し、2000年にNYに移住してからは巨匠ドラマー、ロイ・ヘインズ(Roy Haynes)のカルテットのピアニストに抜擢されたことで特に知られている。
2004年の初のソロ作『Fountain of Youth』は、グラミー賞のベスト・インストゥルメンタル・ジャズ・アルバムにもノミネートされた。
彼は現在、マイアミ大学フロスト音楽校のジャズピアノの助教授でもある。
Martin Bejerano – piano, keyboards
Edward Perez – bass
Ludwig Afonso – drums
Samuel Torres – percussion
Roxana Amed – vocals (8)