どこまでも深い夜に寄り添う音楽。ベルリンの鬼才スタディニツキー新譜『Nocturnal』

Studnitzky - Nocturnal

夜と孤独のための音楽。Studnitzkyの新譜『Nocturnal』

ベルリンを拠点に活動するピアニスト/トランペッター/作曲家のStudnitzky | KY ことセバスチャン・スタディニツキー(Sebastian Studnitzky)の新譜 『Nocturnal』は、数曲でパーカッション奏者を迎えていることを除き、全てのパートを彼一人で作り上げた内省的なジャズ/現代音楽作品だ。

彼の音楽はピアノ、トランペット、ヴォイス、エレクトロニックが有機的に重なり合いひとつの世界を作り上げる。西洋のクラシック音楽や現代音楽、ジャズ、それにワールドミュージックの折衷であるこの世界観は、ポップスにしてはエッジが効きすぎ、ジャズやクラシックにしては感傷的すぎ、エレクトロミュージックにしては生々しすぎる。

ポーランド出身のパーカッション奏者ボデク・ヤンケ(Bodek Janke)は、スタディニツキーの音楽宇宙への訪問を許された唯一の存在だ。彼は(3)「Aria」と(6)「Flusso」のみで参加し、深淵の中で孤独に閉じがちなスタディニツキーの内面に力強い生命の鼓動を与える。

(5)「Omara」

Sebastian Studnitzky 略歴

セバスチャン・スタディニツキーは1972年ドイツ・バーデンヴュルテンベルク州ノイエンビュルク生まれ。オーケストラ、ミニマルテクノビート、トランペットとピアノの即興演奏など音楽性は幅広く、現在MEMENTOとKYという二つの音楽プロジェクトで活動している。

これまでにニルス・ラングレン(Nils Landgren)、ジャザノヴァ(Jazzanova)、メゾフォルテ(Mezzoforte)、ウォルフガング・ハフナー(Wolfgang Haffner)といった欧州を代表するアーティストやグループと共演。

2014年に第一回が開催されたジャズ・フェスティヴァル、XJAZZ Festival Berlin での音楽監督や、ドイツ国立のドレスデン音楽大学の教授も務める。

(3)「Aria」

Studnitzky | KY – most instruments, programming
Bodek Janke – percussions

Studnitzky - Nocturnal
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