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現代音楽

  • 2024-02-08
  • 2024-02-07

調律の異なる2台のグランドピアノとルネサンス・ヴァイオリンによる異色のデュオ作

ヴァイオリニストのアダム・バウディヒ(Adam Baldych)と、ピアニストのレシェック・モジジェル(Leszek Możdżer)。ポーリッシュ・ジャズを代表するこの2人によるデュオ・アルバム『Passacaglia』は、期待を超える素晴らしい作品だった。クラシックとジャズを内包しながらもそのどちらとも異なる、プリミティヴな“音楽そのもの”の体験はまさに唯一無二だ。

  • 2023-11-30
  • 2023-11-27

未踏の音楽を探求するエドゥアール・フェルレ、人間と機械による驚異のピアノデュオ作品『PIANOïD²』

独特の視点・さまざまなアプローチ方法でピアノという楽器の可能性の探求を続けてきたフランスの先駆的ピアニスト/作曲家エドゥアール・フェルレ(Edouard Ferlet)が『PIANOïD²』をリリース。ヤマハの「ディスクラヴィア」によってコントロールされた自動演奏ピアノと、自身が即興も交え演奏するサイレントピアノという2台のピアノによる未踏の音楽が繰り広げられる。

  • 2023-11-27
  • 2023-11-27

ヴォーカリスト/即興音楽家サニー・キムがヴァルダン・オヴセピアン、ベン・モンダーと創り上げた“静寂の音世界”

韓国出身のヴォーカリスト/即興音楽家サニー・キム(Sunny Kim)と、アルメニア出身のピアニストのヴァルダン・オヴセピアン(Vardan Ovsepian)、そして米国のギタリストのベン・モンダー(Ben Monder)による“静寂”をテーマにした即興音楽プロジェクト『Liminal Silence』。ここにある音は終始瞑想的で、タイトルのとおり音楽と静寂の間にある機微な閾を表現する。

  • 2023-10-24
  • 2023-10-23

シリア出身クラリネット奏者キナン・アズメとNYの革新的弦楽四重奏団の共演作

シリア出身のクラリネット奏者/作曲家キナン・アズメ(Kinan Azmeh)と、米国の弦楽四重奏団ブルックリン・ライダー(Brooklyn Rider)の共演作『Starlighter』は、クラシックやジャズの分野で革新的な活躍を続ける両者の長年のコラボレーションを記念するクラリネット五重奏の作品だ。

  • 2023-09-20
  • 2023-09-19

フレッテッド&フレットレスのダブルネック・ギターが驚異的!ペルシアン・ジャズの天才ギタリスト

イラン・テヘラン出身のギタリスト/作曲家、マハン・ミララブ(Mahan Mirarab)の2022年作『Say Your Most Beautiful Word』。“ジャズのペルシャ側”(Persian side of jazz)を標榜する彼の武器はフレッテッドとフレットレスの2本のネックを備えたギターだ。スピリチュアルな女性ヴォーカルやヴァイオリン、クラリネットなどバンドメイトの音も滋味深く、マハン・ミララブのオーストリアでの15年近い活動の中でも今作はより深い精神性を探求する作品となった。

  • 2023-06-28
  • 2023-06-27

コロナ禍、当代最高峰の気鋭即興音楽家がリモートで集結。MultiTraction Orchestra デビュー作

米国デトロイト出身、現在はポーランドを拠点に活動する作曲家/ギタリストのアレックス・ロス(Alex Roth)の呼びかけに応じて集まった実験的ジャズ集団、マルチトラクション・オーケストラ(MultiTraction Orchestra)がファースト・アルバム『Reactor One』をリリース。演奏には北欧を代表する個性派トランペット奏者アルヴェ・ヘンリクセン(Arve Henriksen)らが参加している。

  • 2023-05-11
  • 2023-05-10

奇術のようなサウンド・デザイン。仮面のピアニスト、ランバート新譜『All This Time』

仮面で素顔を隠し活動するドイツのピアニスト/作曲家ランバート(Lambert)による実験的な新譜『All This Time』。カテゴライズするとしたら、ジャズか現代音楽、もしくはクラシック・クロスオーヴァーか。エレクトロニックも交え、刺激的な世界観だが、音は聴きやすく万人にもおすすめできる作品だ。

  • 2023-04-11
  • 2023-04-09

バルセロナの才能と創造性を結集する斬新なラグタイム楽団、Barcelona Art Orchestra

クラリネット/テナーサックス奏者のLluc Casares、ドラマーのJoan Vidal、ピアニストのNéstor Giménez、そして同じくピアニストのLluís Vidalというスペインを代表する4人の作曲家が中心となって始めたオーケストラ・プロジェクトであるバルセロナ・アート・オーケストラ(Barcelona Art Orchestra)。彼らが「ラグタイム」をキーワードに、演劇や詩、ダンスなど幅広い芸術をジャズの観点から探求するファースト・アルバムが『Ragtime Stories』だ。

  • 2023-02-26
  • 2023-09-12

シリア出身クラリネット奏者キナン・アズメ、ビッグバンドで奏でる魅惑のアラビック・ジャズ

アラブ音楽、クラシック、ジャズと幅広く活躍するシリア出身のクラリネット奏者キナン・アズメ(Kinan Azmeh)が、ドイツを代表するジャズ・ビッグバンドであるNDRビッグバンド(NDR Bigband)と共演した2021年作『Flow』。すべての作曲はキナン・アズメで、アラブと西洋が見事に融合した魅力的な音楽を、ビッグバンドの壮大なスケールで映し出す。

  • 2022-07-02
  • 2022-07-02

どこまでも深い夜に寄り添う音楽。ベルリンの鬼才スタディニツキー新譜『Nocturnal』

ベルリンを拠点に活動するピアニスト/トランペッター/作曲家のStudnitzky | KY ことセバスチャン・スタディニツキー(Sebastian Studnitzky)の新譜 『Nocturnal』は、数曲でパーカッション奏者を迎えていることを除き、全てのパートを彼一人で作り上げた内省的なジャズ/現代音楽作品だ。

  • 2022-06-01
  • 2022-05-31

知的な遊び心溢れるピアノと声のデュオ。ダヴィッド・ヘルボック&カミーユ・ベルトー

オーストリア生まれのピアニスト、ダヴィッド・ヘルボックと、フランス生まれYouTube育ち(?)のジャズ・ヴォーカリスト、カミーユ・ベルトーのデュオアルバム『Playground』。一見するとピアノと女性ヴォーカルというよくあるデュオのフォーマットだが、そこはユニークな個性と経歴を持つこの二人だからこそ成し得た、非常に特色のある作品に仕上がっている。

  • 2022-01-19
  • 2022-09-10

感性豊かなグアドループ出身のソロパフォーマー、シンシア・アブラハム

グアドループ出身のSSW/作曲家シンシア・アブラハム(Cynthia Abraham)は自身による声、フルート、打楽器のみで自由に、クリエイティヴに音楽を構築してゆく女性アーティストだ。2021年11月リリースの最新作『Unisson』は一応“ジャズ”にカテゴライズされているが、とてもその分類で片付けてしまうことはできない。

  • 2021-06-30
  • 2022-05-19

現代最高の作曲家キャロライン・ショウ、革新的パーカッション集団と奏でる至高の音楽

グラミー賞受賞作曲家/歌手のキャロライン・ショウ(Caroline Shaw)と、ブルックリンを拠点に活動する打楽器集団ソー・パーカッション(Sō Percussion)の共演作『Let the Soil Play Its Simple Part』はクラシックや現代音楽に分類されてはいるが、その範疇にとどまらない驚くべき作品だ。