中東音楽からプログレまでを内包する魅惑のジャズピアノ。イスラエルの鍵盤奏者エレズ・アヴィラム

Erez Aviram - Piano Solo

Anakdotaを率いるエレズ・アヴィラム、初のソロ作

イスラエルのジャズ/プログレ界隈で特異な存在感を放つピアニスト/作曲家エレズ・アヴィラム(Erez Aviram)が2020年にリリースしたピアノソロの2枚のEP『Piano Solo, Vol. 1』『Piano Solo, Vol. 2』
クラシックやメタル、プログレ、イスラエルやアラブ音楽の影響を受けつつ、全体としてはヨーロッパのジャズのような叙情性を湛えた素晴らしい作品だ。

彼のピアノはとてもダイナミックだが端正でもあり、即興の音紡ぎも個性的で魅力がある。左手もメロディックに動き、ピアニストとしての確かな基礎の上に築かれた自由な世界観は、プログレッシヴ寄りの彼のプロジェクト「Anakdota」にも通じる場面も。

Anakdotaを始めとした複雑なアンサンブルで本領を発揮するピアニストというイメージはあるものの、彼のルーツを垣間見る意味でも注目すべき作品だろう。

(vol.1 – 1)「CMD」は中東音楽の要素が強い魅惑のピアノソロ。

Erez Aviram プロフィール

エレズ・アヴィラム(Erez Aviram)はイスラエルのピアニスト/作曲家。
最初にクラシックピアノを習い始め、のちにビル・エヴァンス、セロニアス・モンク、マッコイ・タイナーなどのレコードを通じてジャズを習得。そしてすぐにティグラン・ハマシアンやシャイ・マエストロ、スナーキー・パピーといった、より現代的なサウンドの影響を受けるようになっていった。

2016年にデビューしたバンド、アナクドタ(Anakdota)の作曲家/鍵盤奏者としても知られており、男女ヴォーカル、ベース、ドラムス、そしてピアノという編成で、イスラエルのジャズ/プログレらしく個性的・技巧的かつポップなセンスを見せつけたデビュー作『Overloading』は世界中で絶賛。日本でも一部界隈で絶大な支持を得ている。

(vol.1 – 3)「Rechter」はイスラエルを代表するSSW、ヨニ・レヒテル(Yoni Rechter)に捧げられた美しい曲だ。

Erez Aviram – piano

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