“ビートサイエンティスト” Makaya McCraven 新譜『In These Times』
ドラマー、マカヤ・マクレイヴン(Makaya McCraven)の新作『In These Times』が、インターナショナル・アンセム、ノンサッチ、XLレコーディングスの3レーベルによる合同プロジェクトとして9月23日にリリースされた。
今作はすべてマカヤ・マクレイヴンによるオリジナル曲。
約7年間にわたって録りためてきた音源によって構築されており、録音場所も5つの異なるスタジオと4つのライヴ演奏スペースと多岐にわたる。ジェフ・パーカー(Jeff Parker, g)、ジョエル・ロス(Joel Ross, vib)、マーキス・ヒル(Marquis Hill, tr)、グレッグ・ウォード(Greg Ward, as)ブランディー・ヤンガー(Brandee Younger, harp)など総勢15名以上のミュージシャンが参加し、マカヤ・マクレイヴンの自宅にて徹底的なポスト・プロダクションが行われた音源の立体感も素晴らしく、ブルーノート・レコードの音源を再構築した前作『Deciphering The Message』などで見せていたプロデューサーとしての類稀な才能も存分に発揮。そのサウンドは“音を楽しむ”音楽の原点のようでもあり、ジャズやポピュラー音楽の未来を指し示すようでもある。
マカヤ・マクレイヴンはドラムス、パーカッションの他にヴィブラフォンやオルガン、シンセなども演奏。微妙な揺らぎをもった有機的なグルーヴが、今作のドリーミーな印象をより強くしている。
Makaya McCraven 略歴
マカヤ・マクレイヴンは1983年フランス・パリ生まれ。アフリカ音楽に強い影響を受けたフリージャズの巨匠サックス奏者アーチー・シェップ(Archie Shepp)のバンドで活動したドラマーのステファン・マクレイヴン(Stephen McCraven)を父に、ハンガリーの歌手アグネス・ジグモンディ(Agnes Zsigmondi)を母に持ち、3歳の頃に米国マサチューセッツ州に家族で移住している。
シカゴを音楽活動の拠点とし、ヒップホップ文化の影響が色濃い2015年作『In The Moment』で注目を浴び、2018年には2枚組の大作『Universal Beings』で絶賛された。まさにカマシ・ワシントン(Kamasi Washington)らに並ぶ現在進行形のジャズを代表する音楽家で、“ビート・サイエンティスト”の異名も。
Makaya McCraven – drums, sampler, percussion, tambourine, baby sitar, synths, kalimba, handclaps, vibraphone, wurlitzer, organ
Junius Paul – double bass, percussion, electric bass guitar, small instruments
Jeff Parker – guitar
Brandee Younger – harp
Joel Ross – vibraphone, marimba
Marta Sofia Honer – viola
Lia Kohl – cello
Macie Stewart – violin
Zara Zaharieva – violin
Greg Ward – alto sax
Irvin Pierce – tenor sax
Marquis Hill – trumpet, flugelhorn
Greg Spero – piano
Rob Clearfield – piano
Matt Gold – guitar, percussion, baby sitar
De’Sean Jones – flute