世界中の音楽が混淆するイスラエル・ジャズシーンを凝縮。“Karasorchestra Project”

Asaf Karaso - Karasorchestra Project

様々な音楽を融合するイスラエル・ジャズの面白さを凝縮した作品

イスラエルの作曲家/ピアニスト、アサフ・カラソ(Asaf Karaso)のデビュー作『Karasorchestra Project』はイスラエル特有のジャズから北アフリカ音楽、ブラジル音楽、アフロ・キューバンといった幅広い音楽性が魅力のハイレベルな作品だ。ここにはイスラエル・ジャズと呼ばれるシーンの面白さが凝縮されている。

エルサレムの路上ミュージシャンの集いから始まったというこの“カラソーケストラ・プロジェクト(Karasorchestra Project)”には総勢26名の音楽家が参加。楽器も一般的な西洋楽器をはじめ、ブラジルの打楽器パンデイロ、インドの打楽器タブラ、ペルシャの擦弦楽器ケマンチェ、アラブの弦楽器ウードなど多様。アサフ・カラソが主に作曲し、バンドのコアメンバーが編曲した楽曲群は変拍子当たり前、西洋楽器も民族楽器も入り乱れる酒池肉林で、めくるめく音の洪水に身も震える。

(3)「Of the Albanian」

ケマンチェのように構えて弾くヴァイオリンが新鮮な驚きをもたらす(3)「Of the Albanian」、パンデイロやフルートが主役となるブラジリアン×中東ジャズの(5)「Im Diego La Pandeiro」、バルカン音楽とジャズサンバが掛け合わさったような(6)「Night Before Serbia」、アフリカ発祥で中近東やアジアでも広く知られる伝統的なゲーム“マンカラ”を題材とした(8)「Mankalah」、イスラエル随一のバンド Pinhas & Sons への客演でも知られるトランペット奏者オリ・ヨセフ(Ori Yossef)が作曲した(10)「One That Got Away」、今作のレコーディングが行われたスタジオの名を冠したアサフ・カラソによるソロピアノ曲(13)「Nagariya」など、収録曲はどれも凝っていて魅力的だ。

多彩な音楽的背景の混淆で新たな音楽を生み出し続けるイスラエルのジャズシーンの面白さが感じ取れる、最高のアルバムのひとつである。

(11)「Wednesday」のライヴ演奏動画。

Karasorchestra Project Member :
Asaf Karaso – piano
Nevo Castiel – guitar
Gilad Fried – bass
Amiel Wanszelbaum – drums
Ori Yossef – trumpet
Ioram Linker – saxophones
Diego Cossamores – violin, pandeiro
Itamar Panai – percussions

Guests :
Ron Schussheim – basson
Elad Levi – violin kamanche
Matan Caspi – percussion
Ido Tzur – percussion
Itamar Dagan – tabla
Sari Dar – kamanche
Eliran Swissa – oud
Nadav Ziamond – oud
Uriel Weinstein – flute
Rony Iwryn – percussions
Uriya El Ami – guitar
Ilan Bar Lavi – guitar solo
Aviram Kushnir – bass
Katarina Medakovic – vocals
Itamar Ben Yakir – trumpet
Noam Hazwi – soprano saxophone
Oded Ben Itzhak – tenor saxophone
Roy Lazar – guitar solo

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