気鋭SSWリタ・ヴィアン、エレクトロニック・ファドで紡ぐ言葉と歌

Rita Vian - Sensoreal

ポルトガルのSSWリタ・ヴィアン、初のフルアルバム『Sensoreal』

ポルトガルのシンガーソングライター、リタ・ヴィアン(Rita Vian)による初のフルレンス・アルバム『Sensoreal』(2023年)。2021年のデビューEP『CAOS’A』がポルトガル・ミュージック・アワードの新人賞にノミネートされ話題となった気鋭アーティストが放つ絶妙のセンスのエレクトロニック・ファドだ。

リタ・ヴィアンは音楽一家に生まれ育ち、幼い頃からファドを歌っていたが、学生時代には周りにラッパーも多く、伝統的なものからトレンドの音楽まだ幅広く吸収して育った。大学でジャーナリズムを学ぶ傍ら、2010年に英国のアシッドフォークやブラジルのトロピカリア、さらに現代的なエレクトロニカの影響を受けたリスボンのバンド「Beautify Junkyards」にヴォーカリストとして参加し音楽活動を開始。2018年にラッパー、マイク・エル・ナイト(Mike El Nite)の曲に参加したことで鍵盤奏者/プロデューサーのジョアン・マイア・フェレイラ(João Maia Ferreira)との繋がりが生まれ、ソロとしての最初のシングル「Diágonas」をプロデュースしてもらうことになった。

(1)「Animals」

今作のプロデューサーもジョアン・マイア・フェレイラが務めており、リタ・ヴィアンの歌と作曲、そして作詞の才能の魅力を引き出すことに成功している。
前述のようにジャーナリズムを学んだ経験は、彼女の詩作にも表れているようだ。ラップを取り入れた(3)「Podes Ficar」で言葉はマシンガンのように紡がれ、シンプルだが魅力的なサウンドに乗せた歌は今作随一の楽曲を形作っている。

(3)「Podes Ficar」

Rita Vian - Sensoreal
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