NYに生きるガウチョ、SSWフアナ・ルナ『Canciones en Blanco y Negro』
アルゼンチン出身、現在は米国ニューヨークで活動するシンガーソングライター、フアナ・ルナ(Juana Luna)の新作『Canciones en Blanco y Negro』がリリースされた。ナイロン弦のギターやダブルベースを中心とし、曲によってはアコーディオンやマンドリン、弦楽四重奏なども加わって奏でられる温かく丁寧なアンサンブルに、気品のあるスペイン語の歌が乗る。
アルバムには彼女のオリジナルのほか、 (1)「Merceditas」や(10)「Las Golondrinas」などアルゼンチンの古典4曲が収録されている。(6)「La Paloma」は彼女が子どもの頃に祖父母が一緒に歌っていたアレンジを思い出させるものとのこと。ニューヨークで活動するフアナだが、その歌はとても自然に故郷の空気を運び、空間を南米の香りで豊かに満たすようだ。
「子供の頃に最初にしたことは、ガウチョ1の格好をして馬に乗ってヒネテアダ2に行くことでした。それが私の子供時代でした。」音楽一家に生まれ育ったフアナ・ルナは、自身の少女時代をこのように回想している。このアルバムで彼女は先祖の放浪者たちに敬意を表し、伝統的な音楽と自身のオリジナルを混ぜることで先祖たちとの結びつきと自分自身の夢やヴィジョンを結びつけて表現する。歌声とサウンドには力強い意志が宿る。
Juana Luna 略歴
フアナ・ルナはアルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。2013年にバークリー音楽大学を卒業し、現代音楽の作詞と作曲の学士号を取得。卒業後すぐにニューヨークのブルックリンに移り、現在もそこを拠点にオリジナル曲や南米の伝統的な楽曲の再解釈などを中心に活動し、高い評価を得ている。彼女のシングル「Los Verdes」は、第17回IMAアワードで最優秀ラテンソングに選出。デビュー作も2019年のIMAアワードにノミネートされルナど話題となった。
- ガウチョ(Gaucho)…アルゼンチン、ウルグアイ、ブラジル南部の草原地帯やアンデス山脈東部に17世紀から19世紀にかけて居住し、主として牧畜に従事していたスペイン人と先住民その他との混血住民。 ↩︎
- ヒネテアダ(jineteadas)…アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイ、ブラジル南部などの伝統的なスポーツ。飼い慣らされていない馬に乗馬し、一定時間留まることを目的とし、ロデオに類似する。 ↩︎
Juana Luna – vocals, guitar (6)
Federico Díaz – guitarra criolla
Sebastián de Urquiza – double bass
Pedro Rossi – guitarra criolla (1)
Milagros Caliva – bandoneón (1)
Eduardo Mercuri – mandolin (2)
Claudia Spalletta – violin (2, 9)
Noelia Garasino – violin (2, 9)
Ana Corrado – viola (2, 9)
Lucía Gómez – cello (2, 9)
Asher Kurtz – acoustic guitar, electric guitar, synth, samples, bass (3, 9, 11)
Ludovica Burtone – violin, viola (5)
Agustín Uriburu – cello (5)
Loic da Silva – accordion (5, 7)
Eleni Arapoglou – vocals (6)
Roberto Giaquinto – drums (8)
Leo Genovese – synths (8)
Juan Chiavassa – tambores (8)
Rodrigo Bauzá – violin, viola (10)
Constance Ricard – cello (10)