ドイツを代表するトランペッター、マルクス・シュトックハウゼンが描き出す壮大な祝福の抒情詩

Markus Stockhausen - Celebration

マルクス・シュトックハウゼンによる壮大な抒情詩

ドイツのトランペッター/作曲家、マルクス・シュトックハウゼン(Markus Stockhausen)。彼が自身のカルテットに加え6人のゲスト・ミュージシャンを招いて録音した新譜『Celebration』は、ジャズ、現代音楽、プログレなどを境界なく内包した稀有な作品だ。

アルバムは2枚組で、2時間16分の全18曲と長大だ。演奏にはベトナム系フランス人ギタリストのグェン・レ(Nguyên Lê)、ウクライナの歌手タマラ・ルカシェワ(Tamara Lukacheva)、レバノンの歌手ラビイ・ラフード(Rabih Lahoud)、ポーランドのヴァイオリン奏者マテウシュ・スモチンスキー(Mateusz Smoczyński)、グルジア系ドイツ人のチェロ奏者レヴァン・アンドリア(Levan Andria)、そしてポーランドの打楽器奏者ボデク・ヤンケ(Bodek Janke)がフィーチュアされており、楽曲ごとに異なる彩りを加えている。

全曲マルクス・シュトックハウゼンの作曲で、楽曲は緻密に構成されていながら、各人のソロの余白も残す巧みな作り。即興による瞬間的な音楽の創造は随所で素晴らしい結果を生んでいるが、楽曲自体や演奏者の力量といった土台がそれを支えていることに気付かされる。アルバムのタイトルであるセレブレーション、つまり“祝福”は音楽そのものへと向けたシュトックハウゼンの想いなのだろう。

アルバム『Celebration』のEPK

Markus Stockhausen 略歴

マルクス・シュトックハウゼンは1957年に西ドイツ・ケルンに生まれた。父カールハインツ・シュトックハウゼン(Karlheinz Stockhausen)は現代音楽の作曲家、母ドリス・シュトックハウゼン(Doris Stockhausen)はピアニスト/教育者という音楽のエリートの家庭で、彼もクラシックや現代音楽、ジャズなどに自然に触れて育った。
6歳でピアノを弾き始め、1975年で入学したケルン音楽大学ではピアノとトランペットを学んだ。1981年にドイツ音楽コンクールで初受賞して以来、ソリストとして定期的に演奏し、2002年にロンドンのBBC交響楽団と共演したペーター・エトヴェシュのトランペット協奏曲「ジェット・ストリーム」など、数多くの初演にも出演している。

これまでにECM、o-tone music、Enja、EMI Classics、Sony、Aktivraum、Stockhausen-Verlag、
ACTなどのレーベルから90枚以上の作品をリリースしており、名実ともにドイツを代表するトランペッターとして名を馳せている。

Markus Stockhausen – flugelhorn, trumpet, electronics
Jeroen van Vliet – piano, keyboards
Jörg Brinkmann – cello, electronics
Christian Thomé – drums

Guests :
Tamara Lukacheva – vocals
Rabih Lahoud – vocals
Nguyên Lê – electric guitar
Mateusz Smoczyński – violin
Levan Andria – cello
Bodek Janke – tabla, percussion

Markus Stockhausen - Celebration
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