ジャズ・フルート奏者リュディヴィーヌ・イッサンブール新作
フランスの気鋭フルート奏者、リュディヴィーヌ・イッサンブール(Ludivine Issambourg)が贈る熱いジャズ・ファンク新譜、『Above The Laws』。アルバムのタイトルには史上最高のジャズ・フルート奏者ヒューバート・ロウズ(Hubert Laws, 1939 – )への最大限のリスペクトが込められている。バンドにはエリック・レニーニ(Eric Legnini, key)、ニルス・ラングレン(Nils Landgren, tb)、シャソール(Chassol, key)といったヨーロッパを代表する錚々たる面子が名を連ね、一大ファンク・パーティーの様相を呈している。
アルバムのコンセプト故か、楽曲や演奏は1970〜80年代を感じさせる。ドラムスのリズムはタイトで重く、ベースはファンキーにスラップをアクセントに用い、ローズピアノによるメロウな和音やモーグ・シンセサイザーの“宇宙的”な音色はジャズ・ファンクの先人たちへの愛のある手紙のようだ。
アルバムのハイライトである(5)には米国のレジェンド、ブライアン・ジャクソン(Brian Jackson)がゲスト参加し、ヴォーカルとキーボードで主役となる(フルートは吹いていない)。ブライアン・ジャクソンがあまりに圧倒的なので気付きにくいが、リュディヴィーヌ・イッサンブールのフルートもソロ、オブリガート、メロディーのユニゾンなど縦横無尽に駆け回り主張していて面白い。
Ludivine Issambourg プロフィール
リュディヴィーヌ・イッサンブールは1983年ノルマンディー地方バイユー生まれ。クラシックとジャズのフルートを学び、ローランド・カーク、エリック・ドルフィー、ユセフ・ラティーフなどから大きな影響を受けている。
2003年にl’Orchestre de flûtes français (OFF)のメンバーとなる。2007年、フランスで開催された初のジャズ・フルートのコンクールで優勝。同年にヒップホップの作曲家/プロデューサーであるワックス・テイラー(Wax Tailor)のグループに加わり5年間ツアーなどに帯同した。
クラシック、ジャズ、ヒップホップなど幅広い経験を積み、2012年に自身のバンドAntiloopsを結成。フルートという楽器で得られるほとんどの奏法を取り入れながら、刺激的な音楽を創り続けている。
Ludivine Issambourg – flutes
Eric Legnini – Fender Rhodes (1, 3, 11)
Michael Lecoq – keyboards (2, 4, 5, 9)
Laurent De Wilde – Fender Rhodes (6, 7)
Swaeli Mbappe – bass, Moog synthesizer
Yoann Serra – drums
Alexandre Herichon – trumpet
Lucas St Cricq – alto saxophone
Sylvain Fetis – tenor saxophone
Vincent Aubert – trombone
Céline Bonacina – baritone saxophone (6, 7)
Amen Viana – guitar (6, 7)
Alex Finkin – keyboards (8)
Xavier Zolli – bass (8)
Octave Ducasse – drums (8)
Wolfgang Valbrun – vocal (5)
Brian Jackson – vocal, Fender Rhodes (5)
Nils Landgren – trombone (2)
Christophe Chassol – Fender Rhodes (10)