カタルーニャを代表する歌手とギタリストによる“シンプルで、最高に贅沢な”アルバム

Judit Neddermann & Pau Figueres

ジュディット・ネッデルマン&パウ・フィゲレス

カタルーニャを代表するシンガー、ジュディット・ネッデルマン(Judit Neddermann)と、これまでも彼女の作品にプロデュースや演奏で関わってきたギタリストのパウ・フィゲレス(Pau Figueres)による初の相当名義のアルバム『Judit Neddermann & Pau Figueres』。おそらくは現在のカタルーニャの音楽シーンにおいて感性、テクニックともにもっとも優れた音楽家の二人による、“シンプルで、最高に贅沢な”作品だ。

基本的にはフラメンコ、フォーク、ジャズ、クラシックなど多様なスタイルを取り入れたパウ・フィゲレスのギターと、ジュディット・ネッデルマンの自然で飾らない歌によって構成された音楽。いくつかの曲ではジュディットはカタルーニャの伝統的な四角いフレームドラムであるパンデーロ・クアドラットを叩いたり、パウとともにギターを演奏している。ジュディットにとって6枚目のスタジオアルバムである今作は過去の作品と比べてより“裸に近く”、“親密な”アプローチが取られており、即興的な要素も含め瞬間的な生々しさを美しく捉えたものとなっている。

(1)「la alegría de vivir」

2018年作『Nua』に収められていたジュディット・ネッデルマンの代表曲である(4)「vinc d’un poble」では、カタルーニャを代表するSSWであるジョアン・マヌエル・セラート(Joan Manuel Serrat, 1943 – )をゲストに迎え、パウが弾く情熱的なギターの上で詩情豊かな二人の歌唱を聴かせてくれる。

(6)「em plou a dins」

ジュディット・ネッデルマンは1991年にビラサール・デ・マルで生まれ、2014年にデビューアルバム『Tot el que he vist』をリリースして以来、10年間のキャリアを築いてきた。彼女はこれまでに5枚のオリジナルアルバムを発表し、数々の賞を受賞、国際的なアーティストとのコラボレーションも経験している。
一方のパウ・フィゲレスはジュディットのキャリアにおいて欠かせない存在で、過去3枚のアルバムのプロデューサーを務め、ほぼ10年にわたり彼女のライヴでギターを演奏してきた。このアルバムは、二人の長年におよぶ音楽的な信頼関係と共鳴から生まれた美しい結晶だ。

Judit Neddermann – vocal, guitar, pandero quadrat
Pau Figueres – guitar

Guest :
Joan Manuel Serrat – vocal (4)

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