カタルーニャの歌姫ジュディット・ネッデルマン、心に沁み入る新譜

Judit Neddermann - Aire

カタルーニャのSSWジュディット・ネッデルマン、心に沁み入る新譜

スペインで最高の“声”を持つシンガーソングライターのひとり、ジュディット・ネッデルマン(Judit Neddermann)の2021年新譜『Aire』。ソロ4作目となる今作ではアコースティックギターを中心としたオーガニックなサウンドに乗せた絶品の歌を堪能することができる。

今作ではこれまでの彼女の作品のプロデューサーであったギタリストのパウ・フィゲレス(Pau Figueres)に代わり、共同プロデューサーにパウの兄でドラマーのアルナウ・フィゲレス(Arnau Figueres)を迎えている。プロデューサーにアルナウ・フィゲレスを推薦したのは他でもないパウ・フィゲレスとのことで、ジュディットとアルナウは親密な関係を築き、1ヶ月間にわたるスタジオ録音で落ち着いた素晴らしい音楽を生み出した。

今作ではこれまでのカタルーニャ語ではなく、大半がスペイン語で歌われているという点も特徴的だ。彼女にスペイン語で歌をつくることを勧めたのは共演経験もあるスペインの大御所SSWアレハンドロ・サンス(Alejandro Sanz)で、試してみたところ驚くほどナチュラルに(3)「Borro Mi Nombre」という曲が出来上がった。これに気をよくしたジュディットは他の曲もスペイン語で書いたが、彼女曰くカタルーニャ語で書いた曲は起伏が大きいがスペイン語で書いた曲は比較的シンプルなものになるとのこと(なぜそうなるのか、彼女にはわからない)。

(7)「Jo Et Canto A Tu」では妹のピアニスト、メリチェイ・ネッデルマン(Meritxell Neddermann)も共演。ここではカタルーニャ語で母に捧げる歌を歌っているが、彼女の言うように確かにカタルーニャ語の曲はスペイン語のそれとは一味違う、より民族的アイデンティティを強調した響きに聴こえる。

コロナ禍のため当初のリリース予定を半年遅らせたという今作。電子的な音はほぼなく、“商業的な音楽”とは一線を画するが、それ故に尊く美しい。

(1)「Canta」
(2)「Luna」

ジュディット・ネッデルマンは1991年バルセロナ生まれ(奇しくもアレハンドロ・サンスがデビューした年である)。2014年にソロデビュー作『Tot el que he vist』をリリース。ジャズやソウルのエッセンスも感じられる歌声はここ日本でも高く評価されている。

2019年末に妹メリチェイとの共作で心落ち着くカタルーニャのクリスマスソング集『Present』を発表し、一部界隈では大きな話題となった。

現代のカタルーニャを代表する歌手シルヴィア・ペレス・クルス(Sílvia Pérez Cruz)は師でもある。

(4)「Siento Que Vuela」

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