マルコ・ミシアーニャ、驚くほど豊かなバリオス=マンゴレ曲のヴィオラ独奏

Marco Misciagna - Agustín Barrios Mangoré: Compositions Arranged for Viola Solo by Marco Misciagna

名手マルコ・ミシアーニャ、バリオス=マンゴレに挑戦

驚くべき、素晴らしいヴィオラのソロ・アルバムである。
イタリア出身のヴィオラ奏者、マルコ・ミシアーニャ(Marco Misciagna)によるバリオス=マンゴレ曲集『Agustín Barrios Mangoré』。クラシック・ギタリストに人気の「フリア・フロリダ」「蜜蜂」「大聖堂」といったバリオスの代表曲をヴィオラ1本で演奏し、これがヴィオラ特有の豊かな音の深みと相まって新鮮な感動を与えてくれる作品だ。

ヴィオラという楽器は長い間、不遇な扱いを受けてきた。300年の歴史をもつと言われる“ヴィオラ・ジョーク”が、それを端的に物語っている──

ヴァイオリンを盗まれないようにするには?
「ヴィオラのケースに入れておく」

短2度の定義はなに?
「2人のヴィオラ奏者がユニゾンで弾くこと」

ヴァイオリン奏者がヴィオラ奏者より上手にできることは?
「ヴィオラを演奏すること」

ヴァイオリンとヴィオラの違いは?
「 1. ヴィオラのほうが長く燃えます。
2. ヴィオラのほうがビールをたくさん入れられます。
3. ヴァイオリンは調律できます」

なぜヴィオラ奏者は演奏中に微笑んでいるのでしょうか?
「それは、無知は至福であり、知らないことで傷つくことはないからです」

…まだまだたくさん紹介したい“ヴィオラ・ジョーク”はあるのだけど、あまり面白がってやりすぎると日本では“不敬罪”になってしまうらしいのでやめておこう。(https://violajoke.com/ でも見てね)

とにかく、ヴィオラを馬鹿にしている人は今作を聴けば良いと思う。こんなに正しい音程で、早いパッセージを流麗にこなし、それでいて表現力豊かに演奏され、文字通り主役となるヴィオラを聴ける機会はそうそうない。

(2)「Las Abejas」(蜜蜂)

収録曲はパラグアイの作曲家/ギタリストのアグスティン・バリオス=マンゴレ(Agustín Barrios Mangoré, 1885 – 1994)の作品をマルコ・ミシアーニャ自身がヴィオラ独奏用に編曲し、演奏したもの。ギターの名曲をヴィオラの豊かな響きで再解釈した革新的なプロジェクトとして位置づけられており、ミシアーニャの芸術的な探求心が反映されたものとして高く評価されている。

(7)「La Catedral: III. Allegro Solemne」(大聖堂 第3楽章)

どの曲の演奏も素晴らしいのだが、個人的には(8)「Una Limosna por el Amor de Dios」(最後のトレモロ)の超絶的なヴィオラ独奏には特に驚かされた。

Marco Misciagna 略歴

マルコ・ミシアーニャは1984年イタリア生まれのヴィオラ奏者およびヴァイオリン奏者。イタリアのキジアーナ音楽院で学び、同アカデミー史上初の2つの名誉学位(最優秀ヴァイオリニストと最優秀ヴィオリスト)を取得した。

彼はマラガのスペイン弦楽オーケストラの首席ヴィオラ奏者を長年務めるなど、現代でもっとも優れたヴィオラ奏者のひとりとして知られている。彼はまた、マルコ・アンゾレッティ(Marco Anzoletti, 1867 – 1929)の「ヴァイオリン/ヴィオラ(独奏者1人)とオーケストラのための協奏曲」(ソリストがヴァイオリンとヴィオラを交互に演奏し、1回の演奏で両方の楽器の演奏を披露するという珍しい作品)を演奏した最初で唯一の人物でもある。

Marco Misciagna - Agustín Barrios Mangoré: Compositions Arranged for Viola Solo by Marco Misciagna
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