- 2024-11-04
- 2024-11-07
北アフリカにルーツを持つSSW/チェリスト、ネスリーヌ アラビア語とフランス語で歌う物語
フランス育ちのアルジェリア系チェリスト/歌手/作曲家のネスリーヌ(Nesrine)の新作『Kan Ya Makan (Once Upon a Time)』がリリースされた。ジャズ、北アフリカの伝統音楽、西洋クラシック音楽、R&Bなどか混合する個性的で非常に豊かな色彩を持った作品だ。
アフリカ音楽
フランス育ちのアルジェリア系チェリスト/歌手/作曲家のネスリーヌ(Nesrine)の新作『Kan Ya Makan (Once Upon a Time)』がリリースされた。ジャズ、北アフリカの伝統音楽、西洋クラシック音楽、R&Bなどか混合する個性的で非常に豊かな色彩を持った作品だ。
カメルーンとベルギーのハーフであり、世界的に見ても珍しい女性コラ奏者/シンガーソングライターのルビアナ(Lubiana)の新譜『Terre Rouge』が素晴らしい。アルバムのタイトルはフランス語で“赤い大地”を意味する。それは彼女が幼少期から毎年家族とともに訪れた父の故郷アフリカ・カメルーンの真っ赤な土の色の記憶であり、コラの繊細な音に乗せて歌うその声にはアフリカへの強い望郷の想いが滲む。
ブラジル、アンゴラ、イタリア、ギリシャ出身の6人のメンバーで構成され、ポルトガルのリスボンとスペインのバルセロナを拠点とする多文化バンド、アヨム(Ayom)の2ndアルバム『Sa.Li.Va』が素晴らしい。ブラジル出身で2008年にバルセロナに移住した女性ヴォーカリスト/打楽器奏者ジャブー・モラレス(Jabu Morales)を中心とするバンドは、ブラジル、アンゴラ、そしてカーボベルデというルゾフォニア(ポルトガル語圏諸国)の音楽文化を結び、そこに地中海沿岸の伝統音楽の影響も加え、とても面白い作品を作り上げた。
2022年リリースのアルバム『Where I'm Meant To Be』で、ジャズバンドとして史上初めてマーキュリー賞を受賞した頃から、UKジャズの中心には常にエズラ・コレクティヴ(Ezra Collective)という存在があった。ジャズバンドがおおよそ到達できるものとは多くの人が思ってもいなかった高みに到達した彼らは、多くの人々に音楽的な豊かさや発見をもたらし、そのポジティヴな音楽は人々を勇気づけた。
タイトルに冠されたアフリカ系アメリカ人の思想家・ジェームズ・ボールドウィン(James Boldwin)。彼にインスパイアされた本作は、近年のアートポップ路線でありながらも、ポリティカルでより人間の内面を炙り出すようなメッセージ性の強い作品に仕上がった。"読む音楽"と呼びたくなる示唆に富んだミシェル・ンデゲオチェロの最新作を紐解いていきたい。
Love3先日の記事で子守唄の作曲を依頼した経験について紹介しているが、実は子守唄に関してはもう一つ出会いがあった。 それが、子供の誕生前にアメリカの知人が送ってくれたアルバム「The World Sings Goodnight」だ。 筆者の手元に届 […]
アンゴラ出身、青春時代をブラジルで過ごし、現在はポルトガルを拠点とするパーカッション奏者ルカ・レボルダン(Ruca Rebordão)。これまで200枚以上のアルバムの録音に参加してきたというベテランだが、彼自身の名義としてはこれが初めてのアルバムになるそうだ。『Mestiço Atlântico』、“混血の大西洋”と題された今作で、彼がこれまで過ごしてきたポルトガル語文化圏での多様な音楽をひとつのサラダボウルに入れ、大西洋の両岸をつなぐ壮大な音空間を作り上げた。
インド系アメリカ人のシンガー、カヴィータ・シャー(Kavita Shah)がカーボベルデのサンヴィセンテ島に計7年間滞在して制作した『Cape Verdean Blues』。カーボベルデの伝統的な大衆音楽モルナに魅せられ、2014年のアルバム『Visions』でセザリア・エヴォラ(Cesária Évora, 1941 - 2011)の「Sodade」を歌った彼女が本格的にカーボベルデ音楽に取り組んだ作品で、同国の文化、とりわけセザリア・エヴォラという偉大な歌手への心からのリスペクトを感じさせる素晴らしいアルバムに仕上がっている。
2020年に南アフリカ出身者として初めてブルーノート・レコードと契約を交わしたピアニスト/作曲家、ンドゥドゥーゾ・マカティニ(Nduduzo Makhathini)。以来国際的な知名度を高め、その南アフリカの民族的な響きと豊かな抒情性で注目を浴び続ける彼が早くも同レーベルからの3作目となるアルバム『uNomkhubulwane』をリリースした。
すべてを抱擁するような、あたたかく美しい声と音楽だ。南アフリカのマルチ奏者/シンガーソングライターのゾイ・モディーガ(Zoë Modiga)の3rdアルバム『nomthandazo』。今作でもアコースティックとエレクトロニックのバランスの取れた洗練されたサウンドと、何よりも包容力のあるヴォーカルが彼女のスケールの大きさを物語っている。
ベルギーのエチオジャズバンド、コロネル・ジャファール(Kolonel Djafaar)の2ndアルバム『Getaway』がリリースされた。エチオピアに特徴的な音階(いわゆる“ヨナ抜き”、日本の演歌で用いられる音階と同一のもの)がアフロビート/ファンク/サイケロックがシームレスに融合するサウンドに乗り、どこか郷愁を感じさせる魅惑のグルーヴを生み出す。
南アフリカ・ケープタウンを拠点とする7人編成のジャズバンド、クジェンガ(Kujenga)。スワヒリ語で“構築する”を意味するバンド名を持つ彼らの2枚目のアルバム『In the Wake』がリリースされた。トランペット、トロンボーン、テナーサックスの3管や電化ギター、ベースなどよくあるジャズ編成ではあるものの、アフリカ南部のアイデンティティを感じさせる力強いサウンドがとても素晴らしいアルバムだ。
前作『Reclusive Rituals』でグナワやジャズ、ヒップホップの高度な融合を見せたイスラエルのゲンブリ奏者シャイ・ハザン(Shay Hazan)が新作『Wusul』をリリースした。アルバムタイトルはアラビア語表記で「وصول」、"到着"を意味する。中米から日本までの広範囲にわたる旅の中で接した異文化から大きなインスピレーションを得ており、アルバムには東京世田谷・下北沢をテーマにした(7)「Shimo Kitazawa」をはじめとした豊かな楽曲群が収録されている。
アフリカン・レゲエのレジェンド、コートジボワール出身のSSWティケン・ジャー・ファコリー(Tiken Jah Fakoly)が自身のこれまでの代表曲をアコースティック編成で再解釈した新作『Acoustic』をリリースした。