- 2025-07-18
- 2025-07-18
コラ、チェロ、ソプラノサックス、アコーディオンによる異文化の美しい調和。『Sou Kora』
前作『Les Égarés』が深い感動を呼んだカルテットによる新作『Sou Kora』がリリースされた。コラ、チェロ、サックス、アコーディオンというユニークな四重奏をさらに深める試みで、アフリカやヨーロッパの伝統音楽、室内楽、ジャズといった要素を融合した美しい響きを堪能できる作品だ。
前作『Les Égarés』が深い感動を呼んだカルテットによる新作『Sou Kora』がリリースされた。コラ、チェロ、サックス、アコーディオンというユニークな四重奏をさらに深める試みで、アフリカやヨーロッパの伝統音楽、室内楽、ジャズといった要素を融合した美しい響きを堪能できる作品だ。
南アフリカの気鋭シンガーソングライター、ガビ・モトゥバ(Gabi Motuba)の2枚目のフルアルバムとなる『The Sabbath』(2024年)が素晴らしい。敬愛する父親を新型コロナウイルス感染症で亡くしたことをきっかけに制作した、弦楽四重奏を中心とした前作の5曲入りEP『The Sabbath』(2022年)をより発展させた形となっており、彼女のこれまでの作品と同じように弦楽四重奏をサウンドのコアとしつつ、ギターやドラムスなどを加えたジャズに寄せた編成で奏でられる音楽は至福の極みだ。
ガーナ北部ボルガタンガのフラフラ・ゴスペルのシーンを代表するバンド、アログテ・オホ&ヒズ・サウンズ・オブ・ジョイ(Alogte Oho & His Sounds of Joy)の2ndアルバム『O Yinne!』(2023年)が最高だ。絶え間なく降り注ぐアフロ・フューチャリスティックな重厚なグルーヴ、力強いブラスや女性コーラス、そしてアフロビート、ハイライフ、ジャズやR&B、レゲエなどを自由に飲み込んだ音楽観が生み出すエネルギーは活力と喜びに満ちている。
セネガル出身のベーシスト/作曲家アルネ・ワデ(Alune Wade)は、新作『New African Orleans』で、タイトルが象徴するようにジャズの発祥地ニューオーリンズと、アフリカ文化との繋がりを探求している。本作は単なる音楽ジャンルや文化の融合ではなく、アフリカとそのディアスポラの歴史、魂、そしてレジリエンスを讃える対話だ。
ベナン、ベルギー、イタリアとそれぞれ異なるルーツを持つ3人によるマコンド・トリオ(Macondo Trio)。ガブリエル・ガルシア=マルケスが『百年の孤独』で描いた魔法のような町の名前に因むトリオは、ヨルバ語で「喜びを見つけた」という意味を冠する新作『Morayò』で、ジャズやアフリカのリズム、アラブ文化が共生する奥行きのある音楽観を提示している。
アンゴラのセンバの巨匠、パウロ・フローレス(Paulo Flores)が新作『CANÇÕES QUE FIZ PRA QUEM ME AMA』をリリースした。今作はアンゴラを象徴する音楽家として37年のキャリアを誇る彼の集大成的な作品で、祝祭的なエネルギーに満ち、ポジティヴな印象を受ける仕上がりだ。
モロッコ出身で現在は米国ニューオーリンズを拠点とするマルチ弦楽器奏者/作曲家マフムード・ショウキ(Mahmoud Chouki)。2024年リリースの『Caravan "From Marrakech To New Orleans"』は、ギターやウードを卓越した技巧で操り、マグレブ(北西アフリカ諸国)の音楽とニューオーリンズで生まれたジャズを融合した独創的な音楽で国際的に称賛される彼の新作だ。
ナイジェリアにルーツを持つロンドン生まれのピアニスト/作曲家/プロデューサーであるニジ(NIJI)の 新作『Oríkì』がリリースされた。自身のルーツであるヨルバ族の伝統文化や音楽をコンテンポラリー・ジャズと融合させる野心的なプロジェクトであり、その仕上がりはアフロビートの流れを汲みつつ、より現代的に洗練された彼の音楽的探求の優れた成果だ。
ガーナの“フラフラ・ゴスペル・クイーン”として注目される歌手フローレンス・アドーニ(Florence Adooni)による国際シーンにおけるデビュー作『A.O.E.I.U. (An Ordinary Exercise In Unity)』。伝統と革新の絶妙なバランス、力強いヴォーカルと洗練されたプロダクション、そして“団結”という普遍的なメッセージによって多くのリスナーに強いインパクトを残す作品となっている。
南アフリカ・プレトリア生まれの作曲家/シンガー、ロリサン・セシェレ(Rorisang Sechele)が初のアルバム『The Seed』で華々しいデビューを飾った。彼女のプロジェクト「In Full Bloom」は花(とりわけ、蘭)のライフサイクルの各段階にインスピレーションを得ており、歌詞と音で自己発見の本質を捉えている。そのプロジェクト発の最初のリリースである本作では、成長の最初期の段階についての考察を、ジャズ、ソウル、R&Bを巧みに融合したサウンドで美しい物語に仕立て上げた。
トーゴ出身で米国ワシントンD.C.に20年間住み、現在はトーゴの首都ロメとワシントンD.C.を行き来するシンガーソングライター/ギタリストのドゴ・デュ・トーゴ(Dogo Du Togo)が率いるバンド、アラガア・ビート・バンド(The Alagaa Beat Band)のデビュー・アルバム『Avoudé』。彼が“アラガア・ビート”と呼ぶサウンドは、トーゴの伝統的なリズムや旋律にロックやファンクの要素が絡み、エネルギーに溢れる独特の創造的な音楽を作り上げている。
世界最大の瀑布であるジンバブエのヴィクトリアの滝近くを拠点とするバンド、フライング・バントゥー(Flying Bantu)。非常に洗練されたアフロ・フュージョンで、ファンク、レゲエ、ロック、ジャズの要素が混ざり合ったサウンドに英語やバントゥー語の歌詞が乗る。楽器は一部でムビラの音色が聴こえるほかはほぼ西洋楽器で、スケールなども西洋音楽のものなので民族音楽色はかなり薄いが、それが逆に耳馴染みの良さに繋がっている。
フランス育ちのアルジェリア系チェリスト/歌手/作曲家のネスリーヌ(Nesrine)の新作『Kan Ya Makan (Once Upon a Time)』がリリースされた。ジャズ、北アフリカの伝統音楽、西洋クラシック音楽、R&Bなどか混合する個性的で非常に豊かな色彩を持った作品だ。
カメルーンとベルギーのハーフであり、世界的に見ても珍しい女性コラ奏者/シンガーソングライターのルビアナ(Lubiana)の新譜『Terre Rouge』が素晴らしい。アルバムのタイトルはフランス語で“赤い大地”を意味する。それは彼女が幼少期から毎年家族とともに訪れた父の故郷アフリカ・カメルーンの真っ赤な土の色の記憶であり、コラの繊細な音に乗せて歌うその声にはアフリカへの強い望郷の想いが滲む。