- 2026-02-12
- 2026-02-11
女性たちの歴史的トラウマ「結婚」についての深い考察。マガリ・サーレの壮大な音楽抒情詩
カタルーニャのシンガーソングライター、マガリ・サーレ(Magalí Sare)の2026年新譜『DESCASADA, Vol. 1』は、単なる美しい楽曲のコレクションではない。これは、数世紀にわたり女性を縛り付けてきた「結婚」という制度、そしてそこからの解放を巡る、壮大な音楽的人類学の試みであり、アーティストとしての彼女にとって重要なマイルストーンでもある。
フォークミュージック
カタルーニャのシンガーソングライター、マガリ・サーレ(Magalí Sare)の2026年新譜『DESCASADA, Vol. 1』は、単なる美しい楽曲のコレクションではない。これは、数世紀にわたり女性を縛り付けてきた「結婚」という制度、そしてそこからの解放を巡る、壮大な音楽的人類学の試みであり、アーティストとしての彼女にとって重要なマイルストーンでもある。
スペイン・マヨルカ島出身、伝統的なフォーク音楽をポップスやエレクトロニックと融合させ独自のスタイルを築くシンガーソングライターのジュリア・コロム(Júlia Colom)。高く評価された2023年のデビュー作『Miramar』につづく2ndアルバムとして、2025年末に『Paradís』がリリースされた。
“ギリシャ・インディーの女王”と呼ばれるシンガーソングライター、ステラ(Σtella)の5作目となるアルバム『Adagio』。ナイロン弦のギターを中心にした穏やかなサウンドで、今作では英語だけでなくキャリアで初めてのギリシャ語詞の曲も収録。彼女の原点である“平穏な人生”が凝縮されたような、美しく栄養の高い音楽を聴かせてくれる。
過去リリースされた「Muocalé」が著名なコンピレーション・アルバム『Buddha-Bar』に収録されたり、「Aspetterò」がジョルジオ・アルマーニのCMに起用されたりと静かに注目を浴びるフランスを拠点とする男女デュオ、ハジュナ&ミナ・シャンカ(Hajna & Mina Shankha)のデビューEP『Fluyen Colores』がリリースされた。オーガニック・エレクトロニカを基調とした魅力的なサウンドで、瞑想的なリスニング体験を生み出す優れた作品だ。
イスラエルのシンガーソングライター/マルチ奏者トム・コーエン・ショシャン(Tom Cohen Shoshan, ヘブライ語:תום כהן שושן)の新作『כאבי כמיהה』(日本語訳:『渇望の痛み』)が素晴らしい。ジャズ、クラシック、ブラジル音楽、プログレッシヴ・ロックといった様々なジャンルの音楽からの影響を感じさせる作編曲で、ピアノを中心に据え、適度なエレクトロニックも交えた洗練されたサウンドと、彼の自然体のヴォーカルが組み合わさって美しい音風景が繰り広げられる。
メキシコのSSW、シルバナ・エストラーダ(Silvana Estrada)の2ndアルバムとなる新作『Vendrán Suaves Lluvias』は、前作『Marchita』がラテングラミー賞の栄誉に輝いた後の予期せぬ困難を乗り越えて制作・リリースされた。アルバムタイトルに冠せられた”やわらかな雨が降る”の言葉には、彼女が3年間自分を見失い、”再び人生を愛する”までの不完全で激しい嵐の道程が隠されている。
英国ロンドンを拠点に活動するピアニスト/シンガーソングライターのホーネン・フォード(Hohnen Ford)は、リスナーを一瞬で虜にする特別な才能を持っているようだ。ロンドンの豊かなジャズシーンの中で学び、とりわけジョニ・ミッチェル、デヴィッド・ロングストレス、ビッグ・シーフといったアーティストたちからも大きな影響を受けてきた彼女は、最終的にそれらの影響を結びつけ、シンプルなようでいて複雑な、色彩豊かな歌を作りあげてきた。
イスラエル・テルアビブのSSW、アナット・モシュコフスキー(Anat Moshkovski)の初のフルレンス・アルバム『ANAT』が素晴らしい。1970年代前後のフォークロックやフレンチポップの手触りのある良質なポップスで、アコースティック楽器を軸にした室内楽的な優しいサウンドに英語やフランス語の歌詞を乗せて優美に歌う。
ロンドンのシンガーソングライター、リアナ・フローレス(Liana Flores)のメジャーデビュー作『Flower of the soul』は、万人におすすめしたい傑作だ。イギリスのフォークに60年代のブラジルのボサノヴァとジャズの雰囲気をまぶし、時代を超えた魅惑のベッドルーム・ポップに仕立て上げる。
コロンビアを代表する女性シンガーソングライター、マルタ・ゴメス(Marta Gómez)による新作『Seré Guitarra』がリリースされた。子供時代のインスピレーションをもとにしたという純真な感性に満ちた作品となっており、オリジナル曲には世界を変えることはできないかもしれないが、少なくともそれを試みようという詩的なメッセージが散りばめられている。
イスラエルのシンガーソングライター/ギタリストのナルキス・ラアム(Narkis Raam, ヘブライ語表記:נרקיס רעם)のデビュー・アルバム『אחיזה אחרת』がとても良い。穏やかで瑞々しい彼女の歌とギターを中心としつつ、センスよく注意深くアレンジされた控えめなバンドによる彩りが添えられている。
2021年のデビュー作『Human Nature』が絶賛され、新世代の有力なボサノヴァ・ミュージシャンとして名乗りをあげたNYのSSWジョン・ローズボロ(John Roseboro)が待望の2枚目となるフルアルバム『Fools』をリリース。メイ・シモネスをはじめブルックリンの実力派の友人たちが強力にジョン・ローズボロをサポートしており、前作でも味を出していた程よい塩梅のユルさはそのままに、アンサンブルの魅力も楽しめる極上の一枚となっている。
幼なじみのホセ・トマス・プーガ(José Tomás Puga)とビセンテ・ラルーレ(Vicente Larroulet)によって結成された南米チリのフォークデュオ、ホセ・ビセンテス(José Vicentes)による2枚目のアルバム『Lugar donde se florece』は、オーガニックなサウンドに、子どもたちの声なども平和で心安らぐ素敵な作品だ。
チリの歌手フランチェスカ・アンカローラ(Francesca Ancarola)の新作『Canciones de Hugo Moraga』は、チリのヌエバ・カンシオン(Nueva canción)を代表するSSWであるウーゴ・モラガ(Hugo Moraga, 1952 - )のカヴァー集だ。演奏にはチリのギタリスト、シモン・シュリーバー(Simón Schriever)に打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、アルゼンチンの鍵盤奏者カルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)、ブラジルのフルート奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)ら南米の優れた音楽家が参加。