- 2024-11-03
- 2024-10-31
時代を超越する普遍的な音楽。リアナ・フローレスのメジャーデビュー作『Flower of the soul』
ロンドンのシンガーソングライター、リアナ・フローレス(Liana Flores)のメジャーデビュー作『Flower of the soul』は、万人におすすめしたい傑作だ。イギリスのフォークに60年代のブラジルのボサノヴァとジャズの雰囲気をまぶし、時代を超えた魅惑のベッドルーム・ポップに仕立て上げる。
フォークミュージック
ロンドンのシンガーソングライター、リアナ・フローレス(Liana Flores)のメジャーデビュー作『Flower of the soul』は、万人におすすめしたい傑作だ。イギリスのフォークに60年代のブラジルのボサノヴァとジャズの雰囲気をまぶし、時代を超えた魅惑のベッドルーム・ポップに仕立て上げる。
コロンビアを代表する女性シンガーソングライター、マルタ・ゴメス(Marta Gómez)による新作『Seré Guitarra』がリリースされた。子供時代のインスピレーションをもとにしたという純真な感性に満ちた作品となっており、オリジナル曲には世界を変えることはできないかもしれないが、少なくともそれを試みようという詩的なメッセージが散りばめられている。
イスラエルのシンガーソングライター/ギタリストのナルキス・ラアム(Narkis Raam, ヘブライ語表記:נרקיס רעם)のデビュー・アルバム『אחיזה אחרת』がとても良い。穏やかで瑞々しい彼女の歌とギターを中心としつつ、センスよく注意深くアレンジされた控えめなバンドによる彩りが添えられている。
2021年のデビュー作『Human Nature』が絶賛され、新世代の有力なボサノヴァ・ミュージシャンとして名乗りをあげたNYのSSWジョン・ローズボロ(John Roseboro)が待望の2枚目となるフルアルバム『Fools』をリリース。メイ・シモネスをはじめブルックリンの実力派の友人たちが強力にジョン・ローズボロをサポートしており、前作でも味を出していた程よい塩梅のユルさはそのままに、アンサンブルの魅力も楽しめる極上の一枚となっている。
幼なじみのホセ・トマス・プーガ(José Tomás Puga)とビセンテ・ラルーレ(Vicente Larroulet)によって結成された南米チリのフォークデュオ、ホセ・ビセンテス(José Vicentes)による2枚目のアルバム『Lugar donde se florece』は、オーガニックなサウンドに、子どもたちの声なども平和で心安らぐ素敵な作品だ。
チリの歌手フランチェスカ・アンカローラ(Francesca Ancarola)の新作『Canciones de Hugo Moraga』は、チリのヌエバ・カンシオン(Nueva canción)を代表するSSWであるウーゴ・モラガ(Hugo Moraga, 1952 - )のカヴァー集だ。演奏にはチリのギタリスト、シモン・シュリーバー(Simón Schriever)に打楽器奏者ルイス・バルエト(Luis Barrueto)、アルゼンチンの鍵盤奏者カルロス・アギーレ(Carlos Aguirre)、ブラジルのフルート奏者アリーネ・ゴンサウヴェス(Aline Gonçalves)ら南米の優れた音楽家が参加。
カナダのシンガーソングライター、ルカ・クプロフスキー(Luka Kuplowsky)による、江戸時代後期の禅僧/詩人・良寛(Ryōkan Taigu, 1758 - 1831)をはじめとした世界各地の詩人たちにインスパイアされた新作『How Can I Possibly Sleep When There is Music』。ザ・リョウカン・バンド(The Ryōkan Band)と名付けられたバンドによる静謐で哲学を感じさせるバンドサウンドと、ルカ・クプロフスキーと女性歌手フェリシティ・ウィリアムス(Felicity Williams)による男女ヴォーカルが詩的な世界へと連れていってくれる素晴らしい作品だ。
インドネシア・ジャワ島の伝統音楽に根差しながら、独自の現代的な感性を持ったシンガーソングライター、ペニ・チャンドラ・リニ(Peni Candra Rini)の新作『Wulansih』。米国の民族音楽博士アンディ・マグロウ(Andy McGraw)やニューヨーク出身のチェロ奏者レスター・セントルイス(Lester St. Louis)らとともに作り上げた、“未来志向の伝統音楽”とも呼ぶべき素晴らしい作品だ。
結成15年を迎え、アメリカのケルト音楽シーンをリードするバンド、ルナ(Runa)が通算8枚目の作品 『When the Light Gets In』をリリースした。ケルト音楽を根幹としながらも、アメリカーナやフランメンコの要素もさりげなく取り入れた独自色の強いサウンドは“フォーク・ミュージック”と呼ぶにはあまりに魅力的だ。
米国ノースカロライナ州のバンジョー奏者/作曲家ベン・クラカウアー(Ben Krakauer)の2ndアルバム『Hidden Animals』は、南インド音楽やブルーグラスを専門とする民族音楽学者でもある彼の個性が発揮された、独創的な作品だ。バンジョー、フィドル、チェロ、ダブルベース、ドラムスというクインテット編成で、ジャズの影響を強く受けた技巧的かつ楽しい音楽を聴くことができる。
また、とんでもないアーティストが現れた。インド系移民2世として米国で生まれ育ったシンガーソングライター、シェへラザード(Sheherazaad)。近年大ブレイクしたパキスタン出身のSSWアルージ・アフタブ(Arooj Aftab)がプロデュースしたデビュー作『Qasr』は、音楽が従来のジャンルという概念ではなく、その人自身のパーソナルに大きく依存する時代を象徴するような素晴らしい仕上がりだ。
カタルーニャのシンガーソングライター、カロリーナ・アラバウ(Carolina Alabau)の第3作目となる『Una Frase Imaginada』。プロデューサー/ギタリストのハビエル・リモン(Javier Limón)と共同作業で作り出したこの傑作は、複雑すぎる社会の中で生きていく彼女の不安が、その繊細な表現を通じて霧のように目の前に存在しているような不思議な感覚を抱かせる。
1994年カタルーニャ生まれのシンガーソングライター/ギタリストのラウ・ノア(Lau Noah)が世界中のトップミュージシャンとのコラボレーションを収録した新譜『A Dos』をリリースした。世代も国籍も違うゲストたち──ジェイコブ・コリアー、ホルヘ・ドレクスレル、シルビア・ペレス・クルス、クリス・シーレ、セシル・マクロリン・サルヴァント、サルヴァドール・ソブラルなどが参加した美しい傑作。
アルゼンチンの気鋭作曲家/歌手ソエマ・モンテネグロ(Soema Montenegro)は、4年ぶりのスタジオ・アルバムとなる新作『CIRCULO RADIANTE』で、“詩人のシャーマン”と形容される独特の感性を驚くべき完成度の高さで披露する。南米のジャングルなどの自然から得たインスピレーションと、人間が持つ叡智と技術の結晶が融合した個性的な音楽に魅了される素晴らしいアルバムだ。