至福の歌とギター。イスラエルのSSWナルキス・ラアムのデビュー作『אחיזה אחרת』

Narkis Raam - אחיזה אחרת

新人SSWナルキス・ラアムのデビュー・アルバム

イスラエルのシンガーソングライター/ギタリストのナルキス・ラアムNarkis Raam, ヘブライ語表記:נרקיס רעם)のデビュー・アルバム『אחיזה אחרת』がとても良い。穏やかで瑞々しい彼女の歌とギターを中心としつつ、センスよく注意深くアレンジされた控えめなバンドによる彩りが添えられている。

アルバムの表題曲でもある(1)「אחיזה אחרת」は直訳で“別のグリップ”を意味し、歌詞では日々のすれ違いの結果としての失恋と、一緒に過ごした日々への感謝についてが歌われている。この曲はクリーン・トーンのエレクトリック・ギターでの弾き語りというスタイルを軸に演奏され、中盤からは控えめなバンドサウンドに包まれる。ギターもヴォーカルも表現力に優れており、曲調や歌には多幸感が漂っている。ラストの囁くような「תודה」(“トダ”と発音する。ヘブライ語で「ありがとう」の意味)が印象的だ。

(1)「אחיזה אחרת」

歌もギターも素晴らしい。その佇まいは優しくさりげないが、高度な演奏技術と歌唱による表現力を持っている。
英語での情報は皆無、ヘブライ語での情報もほぼ無いため、ナルキス・ラアム自身の生い立ちや彼女が音楽に込めた思いについて多くを紹介することは難しいが、この音楽には偶然出会えた宝物のような輝きがある。

(8)「חלמתי」

Narkis Raam – guitar, vocal
Nir Kleiner – drums
Naama Gur – bass
Daniel Itzhaki – keyboards
Itay Spiegel – background guitars
Tal Ifergan – ambient guitars (4)
Assaf Goren – trumpet
Shawn Law Yone Gilad – violins

Narkis Raam - אחיזה אחרת
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