ノルウェー発ジャズ・プログレ、Krokofant。象と鰐のキメラな濃厚バンド最新作

Krokofant - 6

北欧のファンタスティックなジャズロック! “Krokofant”

ノルウェーのプログレッシヴ・ジャズバンド、クロコファント(Krokofant)の6枚目のアルバム『6』。彼らのアルバムはもうずっとこんな感じの安易なネーミングで、それがバンドの価値を貶めてしまっていないか心配になるが、音楽自体は紛れもなく本物。70年代のプログレやジャズロックに強く影響された最高に熱い作品だ。

キング・クリムゾン(King Crimson)、ソフト・マシーン(Soft Machine)、メシュガー(Meshuggah)といったプログレッシヴ・ロック〜メタルに、ジョン・コルトレーン(John Coltrane)などのスピリチュアル・ジャズ、マハヴィシュヌ・オーケストラ(Mahavishnu Orchestra)のフュージョンなどが絶妙に組み合わさった音楽、といえば伝わりやすい。メンバー全員が作曲者としてクレジットされており、即興を主体とするところなどは所謂ジャムバンド的な印象も強い。いずれにせよ、ファズの効いた超絶技巧のギター、ユニゾンから解き放たれたあとは自由自在に躍動するサックス、タイト&軽妙なリズムで煽り立てるドラムスのトリオによる演奏は、一日中たっぷり浸るには充分に濃い。

(1)「Harry Davidson」

Krokofantは、ギタリストのトム・ハスラン(Tom Hasslan)、ドラマーのアクセル・スカルスタッド(Axel Skalstad)、そしてサックスのヨルゲン・マティセン(Jørgen Mathisen)によって2011年にノルウェー・ブスケルー県のコングスベルグ (Kongsberg)で結成された。バンド名はノルウェーの童話に登場するゾウとワニを掛け合わせた架空の生き物から取られているといい、“顎に恐ろしい歯が並んでいる、のろのろとトランペットを吹く獣”という意味で、彼らのサウンドをよく表している。

バンドはしばらくオルガン奏者とベーシストを加えた5人編成だったが、今作でトリオに戻ったようだ。ただし今作『6』も音を聴く限りベースがおり、メンバーの誰かがオーバーダブしているのか、あるいはサポートメンバーがいるのか、そのあたりは情報が見つからなかった。

(4)「Country Doom」

Krokofant - 6
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