• 2023-12-26
  • 2023-12-25

NY・ブルックリンの新進気鋭ギタリスト、マックス・ライト新譜『Bramble』

ニューヨーク・ブルックリンを拠点とする新進気鋭のギタリスト、マックス・ライト(Max Light)の新作EP『Bramble』。ピアノにエヴァン・メイン(Evan Main)、ベースにデンマーク出身のマティアス・ホイゴール・ジェンセン(Mathias Højgaard Jensen)、そしてドラムスにスティーヴン・クラマー(Steven Crammer)という若く柔軟な感性を持ったメンバーを迎えたカルテットで、伝統と革新が両立する優れたジャズを展開している。

  • 2023-12-24
  • 2023-12-24

高度に洗練されたNYジャズ×ブラジリアン・ギター。マルシオ・フィロメナのデビューアルバム『Trails』

ブラジル・ポルトアレグレ出身、現在はニューヨークのブルックリンを拠点に活動するジャズ・ギタリスト、マルシオ・フィロメナ(Marcio Philomena)の初のフルレンス・アルバム『Trails』。コンテンポラリー・ジャズ、ブラジル音楽、ロックなどの軽やかなブレンドである今作で、彼はリラックスと緊張が絶妙に共存する絶品のインストゥルメンタル音楽を提供している。

  • 2023-12-23
  • 2023-12-19

無数のインスピレーションから創られたロシアのラージ・アンサンブル。アンドレイ・クラシルニコフ『Bloody Belly Comb Jelly』

ロシアのサックス奏者/作編曲家アンドレイ・クラシルニコフ(Andrew Krasilnikov)が、2008年のデビュー作『Serpentine』以来15年ぶりとなる2ndアルバム『Bloody Belly Comb Jelly』をリリースした。サックス、ピアノ、ベース、ドラムスのカルテットを核とし、ラージ・アンサンブルの表現を効果的に取り入れた優れた作品だ。

  • 2023-12-22
  • 2023-12-16

自由な感性がぶつかり合う、完全即興北欧ジャズの傑作。デンマークの名手カーステン・ダールのピアノトリオ作『Prism』

デンマークのピアノ奏者カーステン・ダール(Carsten Dahl)と、ノルウェーのベース奏者オーレ・モルテン・ヴォーガン(Ole Morten Vågan)、そしてラトビア出身のドラムス奏者イヴァルス・アルトゥニアン(Ivars Arutyunyan)。北欧の名手3人による『Prism』は、ジャズらしいスウィング感も、欧州らしい抒情性も兼ね備えた見事なアルバムだ。

  • 2023-12-21
  • 2023-12-16

ジャズ・ハープの新たな可能性を切り拓く! エジプトにルーツを持つ女性エレクトリック・ハープ奏者のデビュー作『Passing By』

エジプトにルーツを持つギリシャ生まれのハープ奏者、マリア=クリスティーナ・ハーパー(Maria-Christina Harper)が、イギリスのサックス奏者ジョセフィン・デイヴィス(Josephine Davies)と、ニュージーランド生まれでロンドンで活躍するドラマー、エヴァン・ジェンキンス(Evan Jenkins)とのトリオ「ハーパー・トリオ(Harper Trio)」で野心的なデビュー作『Passing By』をリリース。

  • 2023-12-20
  • 2023-12-19

ウブントゥの精神を体現する、南アフリカのジャズギター奏者ンコシ・ゾンドのピースフルなデビュー作『Bophelo Batho Pele』

南アフリカのギタリスト、ンコシ・ゾンド(Nkosi Zondo)のソロデビュー作『Bophelo Batho Pele』は、どこまでも素直で寛大で、愛の塊のような音楽だ。1986年に南アフリカ最大のタウンシップであるヨハネスブルグ市ソウェトの貧しい家庭に生まれた彼は2006年にファンダ・コミュニティ・カレッジ(Funda Community College)を卒業後、長い間、セッション・ミュージシャンとしてそれほど目立たずに活動してきた。

  • 2023-12-19
  • 2023-12-19

南米アルゼンチン発のハイセンスなネオソウル・バンド、NAFTA 絶品2ndアルバム『NAFTA II』

アルゼンチン・ブエノスアイレスを拠点とするネオソウル・バンド、NAFTAの2ndアルバム『NAFTA II』が良い。ファンクを基調とした重いグルーヴに男女ヴォーカル、ジャジーな鍵盤や木管、サウンドを随所で彩る見事なアレンジのストリングス。スペイン語で歌われることを除けば所謂“南米らしさ”はほとんどないが、世界を見渡してもこれほど良質なソウル系のバンドはなかなかいない。

  • 2023-12-18
  • 2023-12-17

アンブローズ・アキンムシーレ、憧れのビル・フリゼール/ハーレン・ライリーとの静かで鋭いトリオ作『Owl Song』

米国を代表するトランペッター、アンブローズ・アキンムシーレ(Ambrose Akinmusire)は新作『Owl Song』で彼が敬愛する二人のミュージシャンを招いた。ギタリストのビル・フリゼール(Bill Frisell)とドラマーのハーレン・ライリー(Herlin Riley)だ。アンブローズとは20も30も歳の離れたベテランとのセッションは、マイルス・デイヴィスと同じように“少ないほど良い(less is more)”という信念をもつ彼の音楽観を体現している。

  • 2023-12-17
  • 2023-12-19

ブラジルとポルトガル、そしてアフリカが躍動する傑作。ルイスガとエドガル・ヴァレンテ、濃密な共演作『AIÊ』

ブラジル・ミナス出身のルイスガ(LuizGa)と、ポルトガルのエドガル・ヴァレンテ(Edgar Valente)によるデュオ作品『AIÊ』。アルバムのタイトルはヨルバ語で“生きている世界”の意味で、異なる地域における共通のルーツや精神的なつながり、共鳴の可能性の探究をコンセプトに掲げている。特に彼らが生きる世界であるルゾフォニア(ポルトガル語文化圏)における、人々の幾代にもおよぶ生活史に想いを馳せる音楽が展開される。

  • 2023-12-15
  • 2023-12-15

種を蒔くため、大地を耕す。バルセロナの新進気鋭の女性デュオARAR、温かなガットギターとサックスに歌が溶け込む珠玉のデビュー・アルバム!

バルセロナの女性二人組ユニット、アラル(ARAR)のデビュー作『Arar』は、ガットギターとサックスを中心とした温かみのあるサウンドに、二人によるコーラスが優しく溶け込むとても穏やかで素敵な作品だ。グループ名でありアルバム・タイトルでもあるararとは、カタルーニャ語で“耕す”、つまり種を蒔くために大地を掘り返し、豊かな作物が実る土壌をつくることを意味する。

  • 2023-12-14
  • 2023-12-13

しなやかなグルーヴで魅了するオーストラリアの新鋭ユニット「Special Feelings」デビュー!有機的かつ近未来的サウンドが素晴らしい

オーストラリア・メルボルンの女性二人組ユニット、スペシャル・フィーリングス(Special Feelings)のデビュー・アルバム『Special Feelings』が最高だ。クラブ・ジャズに通ずるしなやかな即興的グルーヴが心地よく、ノイエ・グラフィック(Neue Grafik)からユセフ・デイズ(Yussef Dayes)、マッドリブ(Madlib)までという彼女らの影響源を凝縮したようなサウンドが展開される。

  • 2023-12-12
  • 2023-12-12

“詩人のシャーマン”アルゼンチン前衛SSWソエマ・モンテネグロ、現代社会とジャングルが交錯する新譜『CIRCULO RADIANTE』

アルゼンチンの気鋭作曲家/歌手ソエマ・モンテネグロ(Soema Montenegro)は、4年ぶりのスタジオ・アルバムとなる新作『CIRCULO RADIANTE』で、“詩人のシャーマン”と形容される独特の感性を驚くべき完成度の高さで披露する。南米のジャングルなどの自然から得たインスピレーションと、人間が持つ叡智と技術の結晶が融合した個性的な音楽に魅了される素晴らしいアルバムだ。

  • 2023-12-11
  • 2023-12-11

フランスを代表する女性サックス奏者ソフィー・アルール、自己の内面を深く探求する9枚目のアルバム『Le temps virtuose』

フランスのサックス/フルート奏者ソフィー・アルール(Sophie Alour)の9枚目のスタジオ・アルバム『Le temps virtuose』に派手さや分かりやすさはない。サックス、ギター、チェロ、ドラムスという編成も珍しいし、ジャズらしいスウィングもない。リズムはあるが、それを強力に推進するグルーヴも希薄。それでも不思議とどこか惹かれるものがあり、ふとしたときに自然と再生してしまうような類のアルバムだ。

  • 2023-12-10
  • 2023-12-09

ドイツの新星サックス奏者ヴィクター・フォックス、やり場のないエネルギーが炸裂するデビュー・アルバム『Mumble Jazz』

サーキュラー・ブリージー(Circular Breeezy)の名でも知られる2000年生まれのドイツのサックス奏者/作曲家ヴィクター・フォックス(Victor Fox)。彼のデビュー作『Mumble Jazz』で彼の音を初めて聴いたが、もうめちゃくちゃに熱く、クレイジーで最高だ。