- 2024-07-11
- 2024-07-12
これぞ至高、現代のアフロ・スピリチュアル・ジャズ。Àbáse 新作『Awakening』
ハンガリー出身のマルチ奏者/作曲家サボルチ・ボグナール(Szabolcs Bognár)のプロジェクト、アバセ(Àbáse)の新作『Awakening』がリリースされた。強めのブラジル音楽エッセンスで絶賛された前作『Laroyê』(2021年)と比較すると今作はよりルーツ回帰的で、アフロ・スピリチュアルな生々しいグルーヴを全編に湛えている。
ハンガリー出身のマルチ奏者/作曲家サボルチ・ボグナール(Szabolcs Bognár)のプロジェクト、アバセ(Àbáse)の新作『Awakening』がリリースされた。強めのブラジル音楽エッセンスで絶賛された前作『Laroyê』(2021年)と比較すると今作はよりルーツ回帰的で、アフロ・スピリチュアルな生々しいグルーヴを全編に湛えている。
ニューヨーク州ロングアイランド出身の作編曲家クリストファー・ズアー(Christopher Zuar)が、ジャズ・オーケストラを率いて録音した新譜『Exuberance』。新進気鋭のジャズ作曲家の登場と讃えられた2016年作『Musings』以来となる待望の第二作目だ。深い思慮によって丁寧に練り上げられた楽曲群は調和のとれた20人規模のオーケストラによって演奏されるが、そこには小難しさはなく、どこか無防備で人懐っこい感覚すら覚えさせるような柔和な優しさが感じられる。
Love3先日の記事で子守唄の作曲を依頼した経験について紹介しているが、実は子守唄に関してはもう一つ出会いがあった。 それが、子供の誕生前にアメリカの知人が送ってくれたアルバム「The World Sings Goodnight」だ。 筆者の手元に届 […]
ブラジル・サンパウロ州ヒベイラン・プレト出身のSSW/ギタリスト、ヴェロニカ・フェヒアーニ(Verônica Ferriani)の2024年新譜『Cochicho no silêncio vira barulho, irmã』。タイトルのポルトガル語は直訳で「静寂の中での囁きはやがて騒音になるよ、シスター」の意味で、2枚組のアルバムのほぼ全てが女性だけで作られており、コンセプトも女性そのものの存在と、その存在がもたらす様々な事象をテーマとして扱っている重要作だ。
AO(エイオー)とは、古代ポリネシア語で“純粋な光”あるいは“すべての色”を指すらしい。セントルイス出身のリチャード・ギャナウェイ(Richard Gannaway)とジェイ・オリヴァー(Jay Oliver)を中心に2000年にデビューしたエイオー・ミュージック(AO Music)。独自の“ワールド・ミュージック”を探求し続けてきた彼らが、通算7枚目の新作『Otherness』をリリースした。
プログレッシヴ・ロックバンド「Square to Check」のギタリスト/作曲家、ダニエル・ウェイス(Daniel Weiss)がソロ名義として2作目となるアルバム『The Vortex』をリリースした。今作もバンドメイトのシャロン・ペトロヴェール(Sharon Petrover, ds)、リオール・オゼリ(Lior Ozeri, b)らとともに、圧巻の超絶技巧アンサンブルが繰り広げられる。
アメリカ合衆国ミシガン州アナーバー出身、現在はNYブルックリンで活動する女性ギタリスト/SSWメイ・シモネス(Mei Semones)。ジャズやブラジル音楽を軸にした卓越したギター演奏と洗練されたリズムやハーモニーの感覚、英語と日本語で歌う個性的で自然体のシンガーソングライター然とした佇まいが魅力の新進気鋭アーティストだ。彼女の最新EP『Kabutomushi』がとても良いので紹介したい。
イマニュエル・ウィルキンス(Immanuel Wilkins)が吹くアルトサックスの音色で、全ての疲れが身体から抜けていく感じがした。冒頭の有名なスタンダード(1)「The Nearness of You」、これほど水分のように沁みるジャズは久々だ。無理でもしないと生きてはいけないと思い込んでいたが、立ち止まることも必要だということを思い出させてくれるような温かさがあった。
フランスのトロンボーン奏者/作曲家ロビンソン・クーリー(Robinson Khoury)の新作『MŸA』は、アラビア音楽の旋法、デジタル・パーカッションやアナログシンセなどエレクトロニックの多用が特徴的な前衛的ジャズ作品。
シンガーソングライターとして稀有な才能を知らしめた2020年のデビュー作『Songs』から4年、イスラエル出身のピアニスト/作曲家スタヴ・ゴールドベルグ(Stav Goldberg)の新作『Symphony of Water』は一転してインストゥルメンタルの作品となった。音楽性はジャズが基底となってはいるが、もっとスピリチュアルな何かを秘めた、自由で無限の深みのある音楽だ。
アンゴラ出身、青春時代をブラジルで過ごし、現在はポルトガルを拠点とするパーカッション奏者ルカ・レボルダン(Ruca Rebordão)。これまで200枚以上のアルバムの録音に参加してきたというベテランだが、彼自身の名義としてはこれが初めてのアルバムになるそうだ。『Mestiço Atlântico』、“混血の大西洋”と題された今作で、彼がこれまで過ごしてきたポルトガル語文化圏での多様な音楽をひとつのサラダボウルに入れ、大西洋の両岸をつなぐ壮大な音空間を作り上げた。
イスラエルのコメディ・パンク・バンド、ラマ・アニ・ハイ(ヘブライ語:למה אני חי?)が最高に面白い!バンドは日本のアニメやゲームから多大な影響を受けたコメディアンのコンビ、シュガー・ザザ(Sugar Zaza)と、過去に当サイトでも絶賛とともに紹介させていただいたバカテク系マルチ奏者ロン・ミニス(Ron Minis)の3人で構成され、ユニークな笑撃的パンクロックを展開する。2022年にリリースされたデビューアルバム『הלוואי הייתי מת』は突き抜けたお馬鹿さ加減が楽しく、全13曲18分間を台風のように駆け抜ける。
タスマニア生まれ、メルボルン在住の鍵盤奏者/作曲家フィン・リーズ(Finn Rees)。30/70やClose Counters、アリーシャ・ジョイ(Allysha Joy)などのキーボード奏者としてメルボルンの音楽シーンで活躍する彼のソロ・デビュー作『Dawn Is A Melody』がリリースされた。最大で10人を超える色彩豊かなラージ・アンサンブル・ジャズで、エキサイティングな音楽体験を得られる絶品だ。
結成から30年近くが経ってもなおその進化を止めないオランダの7人組バンド、アムステルダム・クレズマー・バンド(Amsterdam Klezmer Band, 通称:AKB)の2024年新作『Bomba Pop』。ウィーン在住のドイツ人DJ/プロデューサー、ダンケルブント(Dunkelbunt)ことウルフ・リンデマン(Ulf Lindemann)とのコラボレーションで、クレズマー、バルカン、スカ、ジャズ、ジプシー、オリエンタル、ヒップホップが融合した伝統的かつ前衛的な世界観を持った楽しい光景が繰り広げられる。