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2026

  • 2026-03-13
  • 2026-03-12

地中海メノルカ島出身ピアニスト、マルコ・メスキーダが呼び覚ます“音楽の触覚”

スペイン・メノルカ島出身のジャズピアニスト/作曲家のマルコ・メスキーダ(Marco Mezquida)は、新作『Táctil』で“音の手触り”を表現しようとしている。Táctilとはスペイン語で「触覚の」「手触りの」といった意味を持つ単語で、音楽における触覚的な感覚を呼び覚まそうとする試みだ。

  • 2026-03-10
  • 2026-04-14

シャイ・マエストロ新境地。ペルシャの詩人ルーミーに触発された新譜『The Guesthouse』

現代ジャズを代表するピアニスト/作曲家のシャイ・マエストロ(Shai Maestro)の新作『The Guesthouse』は、時空すらも操っているのではないかと思わせるほど優れた傑作だ。彼の音楽は世界のユートピアを描くと同時に、ディストピアも体現する。その場の感情を、彼らがその長い人生のなかで培ってきた技術で即興的に表出する音楽である「ジャズ」を、ここまでアーティスティックに昇華した作品はほかになかなか見られない。個人的にシャイ・マエストロは2016年の名盤『The Stone Skipper』が頂点だと感じていたが、今作はそれを遥かに超えてきた。

  • 2026-03-07
  • 2026-03-17

テナーサックスの導師オデッド・ツール、その管に吹く微風、そして痛みを伴った驚くほど激しい熱風

オデッド・ツール(Oded Tzur)が奏でるテナーサックスは、ごくごく普通の真鍮製の楽器なのに、なぜだか“木の音”がする。もっと言えば、木管の中をとおる、“風の音”がする。オデッド・ツールのテナーサックスはいつもとても繊細で、まるでヨガの呼吸の延長にあるかのようだった。けれど、2026年3月初頭にリリースされた彼の新作『Make A Sound』を聴いて、正直僕はかなり驚いた。

  • 2026-03-06
  • 2026-03-05

異なる音楽史を歩んだヴァイオリンとハベッカを再び統合しようとする、“ブラジルの弓”プロジェクト

7年の音楽的パートナーシップを経て、ヒカルド・ヘルス(Ricardo Herz)とヴァニーユ・ゴヴァールツ(Vanille Goovaerts)のヴァイオリン・デュオ作『Arcos Brasileiros』が発表された。二人は曲ごとに起源を共有する二つの弦楽器──ヴァイオリンとハベッカ──を使いわけ、文化的にふたつの楽器を分け隔てなく再統合しようとする。

  • 2026-03-05
  • 2026-03-18

ギター・レジェンド、パット・メシーニが新グループで示す、ジャズの真骨頂。『Side-Eye III+』

パーフェクト、なアルバムではないだろうか。巨匠ギタリスト、パット・メシーニ(Pat Metheny)の新作『Side-Eye III+』。久々にフュージョン/ブラジル音楽寄りのアルバムで、どこまでも果てしなく広がる空間的なサウンドはライル・メイズが居たかつてのパット・メシーニ・グループを彷彿させつつ、確かに現代の音にアップデートされている。長尺の楽曲群はメシーニらしいドラマチックな展開が満載で、アクセルを緩めることなくハイウェイを疾走し、次々と景色が流れゆくかのよう。もう一度言おう、完璧な作品だ、と!

  • 2026-03-03
  • 2026-03-17

21世紀のジャズ・ヒロイン、アンドレア・モティスの音楽的集大成『Intimate』

サン・アンドレウ・ジャズバンド出身のトランペット奏者/シンガーのアンドレア・モティス(Andrea Motis)の2026年新譜『Intimate』は、彼女の音楽的ルーツであるフォーク、R&B、ジャズ、そして特にブラジルの音楽たちを、ギタリストとのデュオで淑やかに演奏する親密な作品だ。1曲を除きカヴァーとなっており、幅広いジャンルからの選曲は、10代の頃から華やかな活躍で注目されてきた彼女の音楽的な集大成と言えるだろう。

  • 2026-03-01
  • 2026-02-21

円熟のベーシスト、マーティン・ウィンドが巨匠ケニー・バロン擁するカルテットで豊かに描くジャズ

ドイツ出身のベーシスト/作曲家、マーティン・ウィンド(Martin Wind)が、ジャズの名手たちを集めたカルテットで語り合うように音を紡ぐアルバム『Stars』をリリースした。ピアノにケニー・バロン(Kenny Barron)、クラリネットにアナット・コーエン(Anat Cohen)、ドラムスにはマット・ウィルソン(Matt Wilson)というオールスター級のメンバーを揃え、音楽の悦びが静かに滲むようなインタープレイが素晴らしい作品となっている。

  • 2026-02-28
  • 2026-02-28

リオ新世代SSWレオ・ミデア、遠きプーリアから届けるブラジル音楽の鼓動

ブラジル出身、2014年のデビュー後にヨーロッパに移住し、現在はスペインのバルセロナを拠点とするシンガーソングライター、レオ・ミデア(Leo Middea)が6枚目のスタジオ・アルバムとなる『Notícias de Puglia』をリリースした。「プーリアからの便り」のタイトルが示すのは、旅を続ける彼らしい、故郷ブラジルへのサウダーヂの想いだ。

  • 2026-02-27
  • 2026-02-23

多文化混交で沸き立つベルギーの現代JAZZ!若手トロンボーン奏者ネイサン・シュルカン『Ambre』

ベルギー出身のトロンボーン奏者/作曲家ネイサン・シュルカン(Nathan Surquin)の初リーダー作『Ambre』がリリースされた。オランダのサックス奏者ルーク・ファン・デン・ベルフ(Loek Van Den Berg)のアルバム『Seafarer』(2025年)で、サイドマンながら一際光る演奏を見せていた若きアーティストが自身の感性を思い切り出し切った、傑出した作品だ。

  • 2026-02-26
  • 2026-02-26

フランス発の新世代ジャズ、フェーン・トリオ 挑戦的で鮮烈なサウンドの新譜『Soleil de Minuit』

フランス・リヨンを拠点とするピアノトリオ、フェーン・トリオ(Foehn Trio)の4枚目のアルバム『Soleil de Minuit』がリリースされた。これまでの作品で、現代的なアコースティック・ピアノトリオとしてアヴィシャイ・コーエン(Avishai Cohen)などのイスラエルジャズに影響を受けたサウンドで強い印象を与えてきた彼らだが、今作ではその基盤を残しつつもエレクトロニックの比重が大幅に増加。さらにはエチオピア系フランス人シンガーのフルール・ウォルク(Fleur Worku)を3曲でフィーチュアするなど、新基軸を示す鮮烈な作品となっている。

  • 2026-02-24
  • 2026-02-23

ユダヤ文化とジャズの即興芸術を深く繋ぐ。異色の経歴の音楽家ヨセフ・ガトマン新譜『夜の断片』

南アフリカで生まれ、NYでジャズ・ベーシストとして活躍し、10年ほどの活動休止を経て現在はイスラエル・エルサレムで静かながら文化的に重要な音楽活動の動きを見せるヨセフ・ガトマン(Yosef Gutman) は、──彼自身はそう呼ばれることをあまり好まないかも知れないが──特別な音楽家だと断言してよいだろう。

  • 2026-02-23
  • 2026-02-24

生きるための歌──SSW/クラリネット奏者エズギ・セヴギ・ジャンが背負う、あまりに重い苦難の物語

トルコ出身のシンガーソングライター/クラリネット奏者、エズギ・セヴギ・ジャン(Ezgi Sevgi Can)によるデビュー・アルバム『Karanfiller』が素晴らしい。全曲がエズギ・セヴギ・ジャンの作詞作曲で、彼女自身はヴォーカルとクラリネットを担当。サウンドは親しみやすい西洋音楽と、マカームに根差した微分音や変拍子が見事に融合しており、音楽的にも新鮮な感動がある作品だ。しかしその裏には、彼女と彼女の家族をめぐる悲劇的な運命と、15年以上にわたって闘い続ける、彼女の強さが隠されていた。

  • 2026-02-22
  • 2026-02-19

注目の女性ジャズサックス奏者メリッサ・アルダナ、念願の中南米バラード曲集『Filin』

チリ出身のサックス奏者メリッサ・アルダナ(Melissa Aldana)の新作『Filin』は、彼女の念願だったというバラード集だ。キューバのレジェンド、ゴンサロ・ルバルカバ(Gonzalo Rubalcaba)をピアノに迎え、1940年代から60年代にかけてキューバで流行した歌謡スタイルであるフィリン(Filin)にインスパイアされたジャズを聴かせてくれる良盤となっている。

  • 2026-02-21
  • 2026-02-20

長引く戦争への苛立ちを激しいポストパンクに乗せる、“憎悪のリクビダートル” Gogol Bordello 新譜

ロシアのウクライナ侵攻は開戦から4年が経つが、いまだに終わりが見えない。そんな状況の中、チェルノブイリ原子力発電所事故によって故郷ウクライナを追われ難民となったユージーン・フッツ率いるゴーゴル・ボルデロ(Gogol Bordello)は、9枚目のアルバムとなる新作『We Mean It, Man!』を2026年2月13日にリリースした。