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アフリカ

  • 2024-10-25
  • 2024-10-25

カメルーンをルーツに持つベルギーの女性コラ奏者/SSWルビアナ、音楽の本質を捉えた傑作新譜

カメルーンとベルギーのハーフであり、世界的に見ても珍しい女性コラ奏者/シンガーソングライターのルビアナ(Lubiana)の新譜『Terre Rouge』が素晴らしい。アルバムのタイトルはフランス語で“赤い大地”を意味する。それは彼女が幼少期から毎年家族とともに訪れた父の故郷アフリカ・カメルーンの真っ赤な土の色の記憶であり、コラの繊細な音に乗せて歌うその声にはアフリカへの強い望郷の想いが滲む。

  • 2024-09-06
  • 2024-09-06

北アフリカ文化とジャズを繋ぐ新星ベーシスト、チュニジア出身マルワン・アッラムのデビュー作

チュニジア出身、現在は米国ニューヨークで活動するベーシスト/作曲家マルワン・アッラム(Marwan Allam)がデビューアルバム『باب بحر』(英字転写:Bab Bhar)をリリースした。アルバムのタイトルは彼の祖国であるチュニジアの首都チュニスのヨーロッパ式の新市街とイスラム統治時代に栄えた旧市街(メディナ)を分つ歴史的な門「バブ・エル・バール(海の門)」、別名「ポルト・ド・フランス(フランスの門)」に因んで名付けられている。

  • 2024-07-15
  • 2024-07-15

気鋭トロンボーン奏者マルコム・ジヤネ、南アフリカや黒人文化の真実を語り継ぐ新譜『True Story』

南アフリカ・ヨハネスブルグのトロンボーン/鍵盤奏者/作曲家マルコム・ジヤネ(Malcolm Jiyane)の2ndアルバム『TRUE STORY』がリリースされた。数日間のセッションによって制作され、絶賛されたデビュー作『UMDALI』(2021年)と比べると素朴で映像的な音楽性はそのままに、より“声”による表現を効果的に取り入れ、注意深く練り上げられた作品といえるだろう。

  • 2024-06-10
  • 2024-06-10

ピアニスト/祈祷師ンドゥドゥーゾ・マカティニ、豊穣の女神に捧げる新作『uNomkhubulwane』

2020年に南アフリカ出身者として初めてブルーノート・レコードと契約を交わしたピアニスト/作曲家、ンドゥドゥーゾ・マカティニ(Nduduzo Makhathini)。以来国際的な知名度を高め、その南アフリカの民族的な響きと豊かな抒情性で注目を浴び続ける彼が早くも同レーベルからの3作目となるアルバム『uNomkhubulwane』をリリースした。

  • 2024-06-03
  • 2024-06-03

ソウルフルで壮大な音楽観が身体に魂に反響する。南アフリカの新世代SSW、ゾイ・モディーガ新作

すべてを抱擁するような、あたたかく美しい声と音楽だ。南アフリカのマルチ奏者/シンガーソングライターのゾイ・モディーガ(Zoë Modiga)の3rdアルバム『nomthandazo』。今作でもアコースティックとエレクトロニックのバランスの取れた洗練されたサウンドと、何よりも包容力のあるヴォーカルが彼女のスケールの大きさを物語っている。

  • 2024-03-28
  • 2024-03-28

新時代のジャズを探求する南アフリカのバンド Kujenga、セプテット編成の新譜『In the Wake』

南アフリカ・ケープタウンを拠点とする7人編成のジャズバンド、クジェンガ(Kujenga)。スワヒリ語で“構築する”を意味するバンド名を持つ彼らの2枚目のアルバム『In the Wake』がリリースされた。トランペット、トロンボーン、テナーサックスの3管や電化ギター、ベースなどよくあるジャズ編成ではあるものの、アフリカ南部のアイデンティティを感じさせる力強いサウンドがとても素晴らしいアルバムだ。

  • 2024-03-22
  • 2024-06-22

大洋を吹き、人々の営みを運ぶ風。現代的モルナの歌姫ナンシー・ヴィエイラ 新譜『Gente』

カーボベルデの島々を囲う大洋のように優しく深い歌声が魅力的な歌手ナンシー・ヴィエイラ(Nancy Vieira)。彼女の新作『Gente』(人々)は、カーボベルデの大衆音楽であるモルナを軸に、ブラジルのサンバ、ポルトガルのファド、カリブ海の音楽やジャズを混ぜ熟成させたような極上の滋味深い音楽に仕上がっている。「カーボベルデってどこ?モルナってどんな音楽?」…そういう方にこそ、ぜひ聴いてもらいたい。

  • 2024-01-25
  • 2024-09-23

カメルーン系フランス人ラッパー James BKS、自身のルーツ“アフリカ”を探求する2部作

カメルーン系フランス人のラッパー/プロデューサー、ジェイムス・BKS(James BKS)のデビューアルバムである二部作『Wolves of Africa』は、アフリカン・ディアスポラである彼が多くのミュージシャンを迎えてそのルーツを探ろうとするアフリカ系ヒップホップの傑作だ。2022年にリリースされた『Part 1/2』、そして2023年リリースの第二弾『2/2』ともに素晴らしい内容で、ここでまとめて紹介したい。

  • 2024-01-18
  • 2024-01-18

モロッコ出身の巨匠ドラマー モクタル・サンバ、音楽の豊かな多様性への賛歌『Safar』

モロッコとセネガルにルーツを持ち、フランスで活動するドラマー、モクタル・サンバ(Mokhtar Samba)の新作『Safar』。キャリアの初期でエディ・ルイスに見出され、ジャコ・パストリアスのサポートを行い、その後スアド・マッシ、サリフ・ケイタ、ユッスー・ンドゥール、カルリーニョス・ブラウン、カルロス・サンタナ、ジョー・ザヴィヌルら多くの世界的音楽家とプレイしてきた1960年生まれの彼が今もなお音楽観をアップデートし続け、最先端でいることを証明する傑作だ。

  • 2023-12-08
  • 2023-12-07

チュニジア出身のヴィオラ・ダモーレ奏者ジャッセル・ハジ・ユーセフ、フランスの古城で紡ぐ瞑想的な音楽

チュニジア出身のヴィオラ・ダモーレ奏者ジャッセル・ハジ・ユーセフ(Jasser Haj Youssef)の新作『Reminiscence』は、フランスの世界遺産シャンボール城の広間で収録した深淵な響きが神秘的で美しい作品だ。収録曲のほとんどはヴィオラ・ダモーレの独奏だが、数曲でガエル・カドー(Gaël Cadoux)がローズピアノを演奏しており、古楽器と電気楽器の対比も面白い。

  • 2023-11-06
  • 2023-11-06

ロンドンで活躍するザンビア出身SSWナンヴラ、社会的テーマを独自の音で表現する新作

ロンドンを拠点に活動するシンガーソングライター、ナンヴラ(Namvula)。彼女のアイデンティティはアフリカ南部の内陸国ザンビアにあり、彼女の音楽もまた、ザンビアの伝統的な音楽スタイルとロック、ジャズ、フォークなどのジャンルを融合させた独自のものを築いている。彼女の新作EP『All Shades of the Sun』は、前作『State of Emergency』で試みたエレクトロニックとの融合は幾分影をひそめ、ギターを中心とした素朴な曲調、丁寧なサウンド・プロダクションが印象的な作品に仕上がっている。

  • 2023-10-20
  • 2023-10-19

カーボベルデの歌姫ルーラ、色鮮やかな伝統と革新の新譜『MULTICOLOR』

カーボベルデの両親のもと、ポルトガル・リスボンに生まれたシンガーソングライター、ルーラ(Lura)。モルナやフナナ、バトゥーキといったカーボベルデの伝統音楽をベースにした彼女の音楽は同国の伝説的歌手の後継と期待され“ポスト・セザリア・エヴォラ”と称賛されてきたが、2023年の新作『MULTICOLOR』ではそうした伝統音楽のソダーデ(郷愁)を感じさせるエッセンスを残しつつ、現代的なサウンドへと進化を遂げた最先端のカーボベルデ音楽を聴かせてくれるものに仕上がっている。

  • 2023-10-09
  • 2023-10-09

欧州ジャズとアフリカ音楽の見事な融合。African Jazz Roots『Seetu』

欧州を代表するプログレバンド Magmaで活躍したドラマー/ピアニスト、シモン・グーベル(Simon Goubert)とセネガルのグリオの系譜のコラ奏者アブライエ・シソコ(Ablaye Cissoko)の二人によるプロジェクトが、これまでも強力なサポートを受けてきたピアニストのソフィア・ドマンシッチ(Sophia Domancich)そしてコントラバス奏者のジャン=フィリップ・ヴェレ(Jean-Philippe Viret)らを正式にメンバーとして迎え、バンド名:アフリカン・ジャズ・ルーツ(African Jazz Roots)として始動。