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アフリカ

  • 2023-06-26
  • 2023-06-26

芸能一家の祝福と呪いの経験から、現代の子どもたちの未来を見つめるキミ・ジャバテの新作

ギニアビサウ出身ポルトガル在住、グリオの家系に生まれたバラフォン/打楽器/ギター奏者キミ・ジャバテ(Kimi Djabaté)による2023年作『Dindin』は、グリオに代々伝わる伝統とアフリカ社会の複雑さを魅力的に発信する素晴らしい音楽だ。本作はキミ・ジャバテ自身の経験に基づく個人的なものであると同時に、愛、コミュニケーション、人間のつながりという普遍的なものでもある。

  • 2023-06-13
  • 2023-06-13

ガーナの次なるスター Baaba J、繊細でソウルフルな新譜『Okay Baby, Lets Do This』

現地の伝統的なポピュラー音楽であるハイライフの流れを汲みつつ、世界的なスターのアシャ(Asa)やビヨンセといったアーティストからの影響も独自に消化し、ソウルフルな世界観を確立したガーナの若きシンガーソングライター、Baaba J。 彼女の待望の2ndとなる『Okay Baby, Lets Do This』も様々な音楽ジャンルが絶妙にブレンドされ、彼女の豊かな才能と創造性を示している。 

  • 2023-06-04
  • 2023-06-03

南アのギター奏者ヴマ・レヴィンとオランダの先鋭管弦楽団AM.OKの奇跡的共演!要注目の大傑作

南アフリカの気鋭ギタリスト/作曲家ヴマ・レヴィン(Vuma Levin)が、自身のクインテットとオランダ・アムステルダムの管弦楽団アモック(AM.OK)とともに制作した新作『The Past Is Unpredictable, Only the Future Is Certain』が素晴らしい。南アフリカの先住民族の伝統的な音楽実践と楽器編成をベースとしつつ、ジャズ、ポピュラー音楽、カリブ海の音楽、そして西洋クラシック音楽のオーケストラというフィルターを通して構築された音世界は越境的で斬新。

  • 2023-05-10
  • 2023-09-18

どこまでも澄んだ音色に心が奪われる。ペルシャのケマンチェ&西アフリカのコラの幽玄な即興デュオ

イラン出身のケマンチェ奏者カイハン・カルホール(Kayhan Kalhor)と、マリのコラ奏者トゥマニ・ジャバテ(Toumani Diabaté)がデュオを組み、事前の取り決めをほとんど何も行わずに即興で演奏したアルバム『The Sky Is the Same Colour Everywhere』。ペルシャと西アフリカ、ふたつの伝統的な弦楽器が奏でる音楽は国や言葉、文化の壁に阻まれず、どこまでも幽玄で美しい。

  • 2023-04-09
  • 2023-04-09

カーボベルデの若き“シンデレラ” エリーダ・アルメイダ、波瀾万丈の半生を赤裸々に語る新作

カーボベルデ出身のシンガーソングライター、エリーダ・アルメイダ(Elida Almeida)の4枚目のアルバム 『Di Lonji』。カーボベルデのクレオール語で「遠くから」を意味するこの作品で、彼女は自身の半生を振り返りつつ困難を越えて辿り着いた現在地を確認し、この先どんなところに行きたいかについてを語る。

  • 2023-04-04
  • 2023-04-02

南アの新星ノブレ・アシャンティ、瑞々しい感性を反映したデビュー作『Bait For Steps Forward』

南アフリカ・ケープタウン出身のピアニスト/作曲家ノブレ・アシャンティ(Nobuhle Ashanti)が『Bait For Steps Forward』で素晴らしいデビューを飾った。豊かな抒情性を湛えた瑞々しい感性のジャズ、ソウル、R&Bを主軸とする音楽で、丁寧かつ現代的なエッセンスを含んだサウンド・プロダクションも魅力的な作品だ。

  • 2023-03-30
  • 2023-03-30

西洋音楽とグナワの幸せな出会い。アジズ・サハマウイ&エリック・ロングスワース共演作

モロッコ出身で現代グナワ音楽を代表するアジズ・サハマウイ(Aziz Sahmaoui)と、アメリカ合衆国のチェロ奏者エリック・ロングスワース(Eric Longsworth)による双頭名義の『Il fera beau demain matin jusqu'à midi』。アラビア語、フランス語、英語でフォーク・ミュージックやジャズ、ブルースをグナワ音楽と巧みに融合させる試みだ。

  • 2023-03-09
  • 2023-03-05

アンゴラの歌姫ヨラ・セメード、すべてのキゾンバ愛好家に捧げる新作『Sou Kizombeira』

アンゴラの歌手、ヨラ・セメード(Yola Semedo)の7枚目となる新作『Sou Kizombeira』がリリースされている。今作はアンゴラ生まれのダンス音楽であるキゾンバをベースとしたダンサブルでパンチの効いたサウンドが特長的で、レゲエやソウル、R&Bといった要素も感じさせ、アンゴラの歌姫の貫禄を感じさせるアルバムに仕上がっている。

  • 2023-03-08
  • 2023-03-08

8人組ジャズ・コレクティヴ「The Unity Band」、多様性豊かな南アフリカ現代ジャズを象徴する新譜

ケープタウンで最も危険な街といわれるニャンガ生まれのドラマー Lumanyano Unity Mzi を中心に結成されたジャズ・オクテット、ユニティ・バンド(The Unity Band)の2ndアルバム『Breaking Bread』がリリースされた。さまざまなリズムを取り入れた現代的で洗練されたサウンドに、女性ヴォーカリスト Thandeka Dladlaの歌も適度にキャッチーで魅力溢れるアルバムに仕上がっており、注目される南アフリカのジャズ・シーンの最先端と呼んでも過言ではない。

  • 2023-02-12
  • 2023-02-12

西アフリカ音楽×R&B/ソウルの言葉にできない魅力。セネガルの歌姫ジュリア・サール 9年ぶり新譜

セネガル出身の歌手ジュリア・サール(Julia Sarr)の新作『Njaboot』が素晴らしい。2014年の『Daraludul Yow』以来の3rdアルバムとなる今作では、前作にも深く関わっていたフランスのマルチ奏者/作曲家フレッド・ソウル(Fred Soul)らを中心としたオーガニックで洗練されたサウンドに乗せて至高のアフロ・ソウルを聴かせてくれる。

  • 2023-01-28
  • 2023-02-02

チュニジア出身ダファー・ヨーゼフ新譜。H.ハンコック、M.ミラーなど参加の現代ジャズの最重要作

北アフリカのチュニジアに生まれ、アラブ世界の伝統音楽と西洋音楽、特にジャズとの融合に挑戦し続けるウード奏者/ヴォーカリストのダファー・ヨーゼフ(Dhafer Youssef)の新譜『Street of Minarets』がリリースされた。まさしく唯一無二のスタイルを武器に、まだ誰も歩んでいない音楽の道を進み続けてきた彼が辿り着いた最高峰だと断言できる素晴らしい作品で、ぜひ多くの人にこの驚異的な音楽を体験してほしいと思う。

  • 2023-01-27
  • 2023-01-26

オマール・ソーサとチガナ・サンタナ。共通のルーツへの畏敬の念によって結ばれた深淵なデュオ作

キューバのピアニストのオマール・ソーサ(Omar Sosa)と、ブラジルのシンガーソングライター/ギタリストのチガナ・サンタナ(Tiganá Santana)のデュオ・アルバム『Iroko』は、世界的にも稀に見る才能を持つ二人の音楽家による深淵な語らいが垣間見える傑出した作品だ。

  • 2023-01-08
  • 2023-11-15

アルジェリアを代表する女性SSWスアド・マッシ、地中海周辺音楽や南米テイストも取り込んだ新作

アルジェリア出身のシンガーソングライター/ギタリストのスアド・マッシ(Souad Massi)は、通算10枚目となる新作『Sequana』で彼女の音楽の幅をさらに広げた。プロデューサーはアラブやアフリカ音楽にも造詣の深い英国のギタリスト、ジャスティン・アダムス(Justin Adams)。

  • 2023-01-01
  • 2022-12-31

カーボベルデのSSWマリオ・ルシオ、遠い海の彼方への希望と故郷への郷愁を歌う『Migrants』

ルゾフォニア(ポルトガル語圏)の最重要ミュージシャンの一人であるカーボベルデのシンガーソングライター、マリオ・ルシオ(Mário Lúcio)の2022年新作『Migrants』。“移民”を意味するタイトルの本作は、国境を越える彼の音楽を象徴的に示している。