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オルタナティヴ

  • 2023-12-04
  • 2023-12-04

セルビア・ベオグラード発、バルカン音楽の再構築を掲げるエスノ・ノイズ「Lenhart Tapes」

セルビア・ベオグラード発、“エスノ・ノイズ”を標榜するレンハルト・テイプス(Lenhart Tapes)の2ndアルバム『Dens』。バルカン半島の音楽の再構築を掲げ、ループするサイケデリックなリズムとエスノ・フォークな女性ヴォーカルが強い残り香を残す作品だ。

  • 2023-11-21
  • 2023-11-21

レヴァントの歴史を想うパレスチナ人SSWハヤ・ザートリーの1st『Rahawan』。キャッチーなサウンドの裏に潜む想像を絶する苦悩と葛藤

パレスチナのシンガーソングライター、ハヤ・ザートリー(Haya Zaatry)が16歳のときにギターを手にし独学で曲を書き始めたとき、自分と同じようにアラビア語で歌う女性ミュージシャンはほとんどいなかった。だから、彼女は米国のジョニ・ミッチェル(Joni Mitchel)やアルジェリアのスアド・マッシ(Souad Massi)のアルバムが彼女の大きな影響源となった。

  • 2023-11-18
  • 2023-11-18

Autostrad ──想像を絶する凄まじいエネルギーでアラブ諸国を照らすヨルダン発のバンド。

ヨルダンの首都アンマンで2007年に結成されたアウトストラッド(Autostrad)はロック、レゲエ、ラテン、ファンク、ジャズ、アラブ伝統音楽を組み合わせたバンド名「高速道路」のとおりの疾走感のある音楽をアラビア語のヨルダン方言で歌う、アラブ圏で非常に人気のあるバンドだ。アラビア語圏を中心に各国でツアーを行なっているが、2014年にはイギリス・ロンドンでも演奏をした。

  • 2023-08-06
  • 2023-08-05

黄昏時の魔法のような音楽。フィンランドの“電気羊飼い”が示す伝統と革新の狭間

“電気羊飼い”を意味するグループ名を持つフィンランドの3人組ユニット、セーコパイメン(Sähköpaimen)の2ndアルバム『Hämärä』は非常に興味深い音楽作品だ。アルバムタイトル「Hämärä」とは“黄昏”の意味で、昼と夜の曖昧な境界線を彼らの伝統と革新の両方に足を踏み入れた音楽性に喩えている。

  • 2023-06-30
  • 2023-07-01

多様な音楽的ルーツから独自の音楽を表現。サンパウロの大所帯バンド、Trupe Chá de Boldo 新譜

2006年にサンパウロで結成された大所帯バンド、トゥルピ・シャ・ヂ・ボルド(Trupe Chá de Boldo)による6枚目のアルバム『Rua Rio』。同バンドの特長である雑多なジャンルが混ざり合ったブラジリアン・ロックはエネルギーに溢れており、表情豊かで何よりも愉しく、同時に控えめな複雑さも含んでおり良い意味でカオティックだ。

  • 2022-11-29
  • 2022-11-22

音楽表現を追求するギター、ヴォーカル、ドラムスのアートロック。イタリア発『Oliphantre』

イタリア・ローマを拠点とするギタリスト/作曲家フランチェスコ・ディオダティ(Francesco Diodati)新譜『Oliphantre』は、フランスの歌手レイラ・マーシャル(Leïla Martial)とイタリアのドラマー、ステファノ・タンボリーノ(Stefano Tamborrino)とのトリオで奏でられるアート・ロック風の作品だ。

  • 2022-11-17
  • 2022-11-16

ジャズとロックとエレクトロニックの魔法的融合。新世代SSWヒラ・ラビーのデビュー作

1998年生まれのシンガーソングライター、ヒラ・ラビー(Hila Rabby)のデビュー作 『Visions』は空間的な拡がりをもったサイケデリック感、ジャズやロック、エレクトロニックの絶妙なミックス、そして彼女の自然で飾り気のないヴォーカルが魔法的な魅力を放つ作品だ。

  • 2022-10-29
  • 2022-10-28

ハファエル・ドゥトラ、ミナス発ブラジリアン・ロックの“今”を端的に示す待望の新作『Agora』

2014年のデビュー作『Oásis de Vidro』が高く評価されたブラジル・ミナスジェライスのSSWハファエル・ドゥトラ(Rafael Dutra)が待望の新作『Agora』をリリースした。今作もハファエル・マルチニ、ユリ・ヴェラスコ、ガブリエル・ブルース、ペドロ・ドゥランエスといった現代ミナス音楽のキーマンたちを迎え、衝撃をもって受け入れられた前作にも負けず劣らずのミナス発の特徴的なロックを聴かせてくれる注目作となっている。

  • 2022-04-03
  • 2022-04-03

リタ・パイエス全面参加。気鋭SSWポル・バトレ待望のソロデビュー作『Salt Mortal』

スペインのSSW/ギタリストのポル・バトレ(Pol Batlle)が待望のソロ・デビューアルバム『Salt Mortal』をリリースした。彼は日本でも人気の歌手/トロンボーン奏者リタ・パイエスの夫で、リタと彼女の母エリザベト・ローマのデュオ2作目『Como la Piel』にも数曲で参加し、それまでの母娘の作品のテイストには全くなかったダーク・ファンタジーな風を吹き込んでいた張本人である。

  • 2022-02-20
  • 2022-02-20

【特集】The Weekndが現代のNe-yoたる7つの理由

2022年年明け早々に2年ぶり5枚目のアルバム『Dawn FM』をリリースした現代R&Bの旗手・ウィークエンド(The Weeknd)。考えてみれば、POP/R&Bの垣根を超え、ここまで市民権を得、チャートを賑わしているR&Bに触れるのはどれくらいぶりだろうか。そこに浮かび上がるのは一人のR&Bシンガー、今から約15年前『In My Own Words』で鮮烈なデビューを果たしたニーヨ(Ne-yo)の存在だ。The Weekndが「陰」だとしたら、Ne-yoは「陽」。嗜好も音楽性も違う2人のR&Bアーティストの意外な共通点から、今注目を集めるThe Weekndを考察していきたい。

  • 2022-01-19
  • 2022-09-10

感性豊かなグアドループ出身のソロパフォーマー、シンシア・アブラハム

グアドループ出身のSSW/作曲家シンシア・アブラハム(Cynthia Abraham)は自身による声、フルート、打楽器のみで自由に、クリエイティヴに音楽を構築してゆく女性アーティストだ。2021年11月リリースの最新作『Unisson』は一応“ジャズ”にカテゴライズされているが、とてもその分類で片付けてしまうことはできない。

  • 2021-12-19
  • 2023-10-29

伝統の継承と実験精神が同居。Bottle Treeのベン・ラマー・ゲイ新譜

員で、シカゴのジャズシーンでも突出した存在感を示すコルネット奏者/シンガー/作曲家ベン・ラマー・ゲイ(Ben LaMar Gay)のソロ第二作目となる新譜『Open Arms to Open Us』は、世界中の音楽ファンに彼のその強烈に個性的な音楽を知らしめるための強力な武器となるだろう。

  • 2021-11-06
  • 2022-06-19

ディストピア・ポップの女王ノガ・エレズ、“非電子”の『KIDS』リアレンジ盤が驚くほど素晴らしい!

前作『KIDS』から約半年。イスラエルの新世代オルタナティヴ・ポップを象徴するSSWノガ・エレズ(Noga Erez)が前作収録曲をリアレンジした『KIDS (Against the Machine)』をリリースした。『KIDS』制作と並行して進んでいた非エレクトロニックのプロジェクトで、彼女の新たな魅力を映し出しつつもノガ・エレズ以外では考えられないような個性的なサウンドの作品となっている。

  • 2021-07-12
  • 2021-10-01

スナーキー・パピー首謀者マイケル・リーグ、中東音楽を消化した初ソロアルバム

大世帯バンド、スナーキー・パピー(Snarky Puppy)を率いるベーシスト/マルチ奏者/作曲家のマイケル・リーグ(Michael League)の初ソロ作『So Many Me』は、そのタイトル通り全ての楽器やヴォーカルをマイケル・リーグ自身が担う、驚くほど内向きで、それでいてマーブル模様のように豊かな音が散りばめられたアルバムだ。