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オルタナティヴ

  • 2024-12-27
  • 2024-12-29

ジャズ、カリビアン、ソウルなど多彩な”遺産”を音楽の軸とするフランスの素晴らしいバンド、Yusan

韓国語で“遺産”(유산)の意味を持つフランスのバンド、ユサン(Yusan)の2024年新譜『Ba Yo』が素晴らしい。現代ジャズ、ネオソウル、アフロ・カリビアン、ゴスペルなど様々な要素が溶け込んだ技巧的かつ斬新な音楽性で、今作ではさまざまなリズム、声を組み合わせた万華鏡のような音楽観で強いインパクトを与える。

  • 2024-12-24
  • 2024-12-24

グアテマラ出身の前衛チェリスト、マベ・フラッティ最新作『Sentir Que No Sabes』

グアテマラ出身でメキシコシティを拠点に活動するチェロ奏者/歌手/作曲家のマベ・フラッティ(Mabe Fratti)の4枚目となるアルバム『Sentir Que No Sabes』。チェロとヴォーカルをサウンドの軸に据えた実験的な作風で現代エクスペリメンタル・ジャズの旗手に名乗りをあげた彼女の最新作は、これまで以上にロックやポップスの輪郭を浮かび上がらせつつも、アヴァンギャルドな音響空間に留まった魅力的な作品だ。

  • 2024-10-18
  • 2024-10-18

多文化共生の象徴的オリエンタル・ポップ、Kit Sebastian 世界へ羽ばたく3rdアルバム

従来の音楽の“常識”や“法則”を打ち破りながらも、排他的なマニアたちの溜飲を下げるだけでなく、市井の多くの人々の間でインフルエンスしそうな興味深いグループが現れた。ロンドンを拠点に活動する男女ユニット、キット・セバスチャン(Kit Sebastian)の奇妙な音楽には従来なかった新しさがあり、同時に時代を超えたノスタルジアがあり、そしてポップスの純粋な至福と安心感もある。

  • 2024-09-22
  • 2026-03-23

イスラエルのSSWノガ・エレズ待望の新譜『THE VANDALIST』、欺瞞に満ちた社会への最後の抵抗

ずっと厭世的だった彼女の歌は、いよいよ絶望の色を極めてきた。 イスラエルのシンガーソングライター/プロデューサー、ノガ・エレズ(Noga Erez)。 新作アルバムに付けられたタイトルは『THE VANDALIST』。つまり、愛し尊ぶべきもの、美しいものの“破壊者”たちへの彼女なりの最後通牒なのだろう。

  • 2024-09-21
  • 2024-09-28

現代ジャズと現代音楽の最もエキサイティングな融合。Trio HLK『Anthropometricks』

スコットランドのジャズトリオ、Trio HLK が2ndアルバムとなる『Anthropometricks』をリリースした。鍵盤奏者/作曲家のリッチ・ハロルド(Rich Harrold)、8弦ギター奏者アント・ロウ(Ant Law)、そしてドラマーのリッチ・カス(Rich Kass)の頭文字から取られたこのトリオは、伝統的なジャズやクラシックの枠に囚われない自由な発想で聴き応え抜群の音楽を発信している。

  • 2024-09-14
  • 2026-10-02

まさに読む音楽。ミシェル・ンデゲオチェロの最新作『No More Water: The Gospel of James Baldwin』

『No More Water: The Gospel of James Baldwin』タイトルに冠されたアフリカ系アメリカ人の思想家・ジェームズ・ボールドウィン(James Boldwin)。彼にインスパイアされた本作は、近年のアートポップ路線でありながらも、ポリティカルでより人間の内面を炙り出すようなメッセージ性の強い作品に仕上がった。”読む音楽”と呼びたくなる示唆に富んだミシェル・ンデゲオチェロの最新作を紐解いていきたい。

  • 2024-08-27
  • 2024-08-27

古今東西の詩人たちにインスパイアされた究極的スピリチュアル・フォーク。ルカ・クプロフスキー新作

カナダのシンガーソングライター、ルカ・クプロフスキー(Luka Kuplowsky)による、江戸時代後期の禅僧/詩人・良寛(Ryōkan Taigu, 1758 - 1831)をはじめとした世界各地の詩人たちにインスパイアされた新作『How Can I Possibly Sleep When There is Music』。 ザ・リョウカン・バンド(The Ryōkan Band)と名付けられたバンドによる静謐で哲学を感じさせるバンドサウンドと、ルカ・クプロフスキーと女性歌手フェリシティ・ウィリアムス(Felicity Williams)による男女ヴォーカルが詩的な世界へと連れていってくれる素晴らしい作品だ。

  • 2024-06-04
  • 2026-07-25

コロンビアのSSW、Aristi ソロ4作目は素朴な味わいのクンビア・アルバム

コロンビア・マニサレス出身のシンガーソングライター、アリスティ(Aristi)の新作『En busca del flow perdido』。クンビアを基調とし、優しく温かみのある声や素朴な楽曲構成、適度に緩いライヴ感のあるギターやパーカッション、管楽器などの演奏もなんとも言えず素敵で味わい深い。アルバムのタイトルはスペイン語で「失われた流れを求めて」の意味で、今作のルーツ回帰志向を象徴する。

  • 2024-05-04
  • 2024-05-04

世界が注目する新鋭女性ジャズドラマー、ロニ・カスピ。天才的ポップ感覚を発揮した初SSW作

2020年にドラマーとしてアヴィシャイ・コーエン・トリオ(Avishai Cohen Trio)に加入し、一躍現代を代表する女性ジャズドラマーとして知られることになったイスラエル出身のロニ・カスピ(Roni Kaspi)が、シンガーソングライターとしての才覚を発揮した初ソロ作『Poni』をリリースした。数年前から自身のプロジェクトとして心血を注ぐ“ロニポニ”(Roni Poni)の最初の集大成で、若い女性らしいポップ感覚と、奔放な自由さに溢れた魅力的な音楽に仕上がっている。

  • 2024-04-22
  • 2024-04-21

奇才レイニエル・バース新譜、これは音楽的サイコパスたちのエキセントリック・パーティーだ

オランダのギタリスト、レイニエル・バース(Reinier Baas)の新作『Relief Party』は、まさに奇妙な人々のためのダンス・ミュージックと呼ぶにふさわしい。音楽的サイコパスたちのエキセントリックなパーティーに、ようこそ…。類は友を呼び、アルバムには世界中から奇才たちが集う。

  • 2023-12-04
  • 2023-12-04

セルビア・ベオグラード発、バルカン音楽の再構築を掲げるエスノ・ノイズ「Lenhart Tapes」

セルビア・ベオグラード発、“エスノ・ノイズ”を標榜するレンハルト・テイプス(Lenhart Tapes)の2ndアルバム『Dens』。バルカン半島の音楽の再構築を掲げ、ループするサイケデリックなリズムとエスノ・フォークな女性ヴォーカルが強い残り香を残す作品だ。

  • 2023-11-21
  • 2025-11-07

レヴァントの歴史を想うパレスチナ人SSWハヤ・ザートリーの1st『Rahawan』。キャッチーなサウンドの裏に潜む想像を絶する苦悩と葛藤

パレスチナのシンガーソングライター、ハヤ・ザートリー(Haya Zaatry)が16歳のときにギターを手にし独学で曲を書き始めたとき、自分と同じようにアラビア語で歌う女性ミュージシャンはほとんどいなかった。だから、彼女は米国のジョニ・ミッチェル(Joni Mitchel)やアルジェリアのスアド・マッシ(Souad Massi)のアルバムが彼女の大きな影響源となった。

  • 2023-11-18
  • 2025-11-24

Autostrad ──想像を絶する凄まじいエネルギーでアラブ諸国を照らすヨルダン発のバンド。

ヨルダンの首都アンマンで2007年に結成されたアウトストラッド(Autostrad)はロック、レゲエ、ラテン、ファンク、ジャズ、アラブ伝統音楽を組み合わせたバンド名「高速道路」のとおりの疾走感のある音楽をアラビア語のヨルダン方言で歌う、アラブ圏で非常に人気のあるバンドだ。アラビア語圏を中心に各国でツアーを行なっているが、2014年にはイギリス・ロンドンでも演奏をした。

  • 2023-08-06
  • 2023-08-05

黄昏時の魔法のような音楽。フィンランドの“電気羊飼い”が示す伝統と革新の狭間

“電気羊飼い”を意味するグループ名を持つフィンランドの3人組ユニット、セーコパイメン(Sähköpaimen)の2ndアルバム『Hämärä』は非常に興味深い音楽作品だ。アルバムタイトル「Hämärä」とは“黄昏”の意味で、昼と夜の曖昧な境界線を彼らの伝統と革新の両方に足を踏み入れた音楽性に喩えている。