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ブラジル音楽

  • 2024-03-27
  • 2024-03-26

ミナス器楽音楽の潮流を継承する新星、イガーラがデビュー!技巧的かつ情感豊かな演奏に酔いしれる

ミナスのほかの多くの若手器楽奏者たちの例に漏れず、非常に複雑かつ瑞々しい音楽を作り出す女性ピアニスト/作曲家イガーラ(IGARA)。2021年にBDMGヤング・インストゥルメンタル(BDMG Jovem Instrumentista 2021)を受賞し、その後2023年にミナスの器楽音楽で最も意味のある賞である第22回BDMGインストゥルメンタル(BDMG Instrumental 2023)を受賞した彼女のデビューEP『O Piano, os Cavalos e o Mar』は、哲学や文学の香りをも感じさせる非常に美しい作品だ。

  • 2024-03-23
  • 2024-03-24

美しさと複雑さが混在する現代ブラジル“最高の声”ジョタ・ペー、あまりに完成度の高い新作

2023年に先行してA面5曲がリリースされ、アルバム完成を待ち望まれていたブラジルの新世代SSW、ジョタ・ペー(Jota.pê)がついにフルレンス・アルバムとして『Se o Meu Peito Fosse o Mundo』(もし私の胸が世界だったら)を完成させた。2022年に女性SSWブルーナ・ブラッキ(Bruna Black)とのデュオ「ÀVUÀ」名義でリリースした 『Percorrer Em Nós』で並外れたセンスを見せた彼は、今作でも自作曲・共作曲を中心に様々な文化が混在する新しいブラジルの音楽を聴かせてくれる。

  • 2024-03-18
  • 2024-03-17

南米音楽の真髄に触れる。ヤマンドゥ・コスタ&エロヂー・ボウニー夫妻が贈る究極のギターデュオ作

ブラジルの7弦ギタリスト、ヤマンドゥ・コスタ(Yamandu Costa)とベネズエラ生まれのクラシック・ギタリスト、エロヂー・ボウニー(Elodie Bouny)のデュオ作『Helping Hands』がリリースされた。この夫婦は過去たびたび一緒に演奏する動画をYouTubeなどにアップしているが、こうして音源としてまとまったものは初めてだ。

  • 2024-03-15
  • 2024-10-14

南米と北欧が交叉する、どこかノスタルジックな大傑作。ハファエル・ジメネス新譜

ブラジル出身、デンマーク在住の男性SSWハファエル・ジメネス(Raphael Gimenes)の2024年新譜『DINAMARCA』は、ここ数年でもっとも美しい音楽作品のひとつだ。2016年作『As Montanhas de Som』や2021年作『A Tongue Full of Suns』などリリースの度にファンを驚かせ楽しませてきた彼が、またしても10年に一度の最高のアルバムを作り上げた。

  • 2024-03-05
  • 2024-03-05

MPBやヒップホップに影響されたブラジルのトロンボーン奏者、ジョアベ・ヘイス新譜『028』

ブラジルのトロンボーン奏者/作曲家、ジョアベ・ヘイス(Joabe Reis)の新譜『028』がリリースされた。MPB、ヒップホップ、ファンク、トリップホップなど様々な要素を消化吸収した現代的なジャズが楽しめる作品で、心地よく繰り返されるグルーヴは極上のチルアウト・ミュージックとして紹介しても間違いないだろう。

  • 2024-03-04
  • 2024-06-09

アマロ・フレイタス、自然との対話で紡ぐ幽玄な新作『Y’Y』

ブラジルのピアニスト/作曲家アマロ・フレイタス(Amaro Freitas)の新作『Y'Y』は、彼らの文化の根源のひとつであるブラジル北部のアマゾンや先住民族への深い敬意に満ちた表現が印象的だ。アルバムの前半はピアノ(そして声やパーカッション)を通して自己の内面と自然(nature)を繋ぎ対話する内省的な試みであり、後半ではブラジル国外の素晴らしいゲストも迎え、アフロ・ブレジレイロとしての表現を世界に広く解放し共有する。

  • 2024-02-25
  • 2024-02-25

バーデン・パウエルの“アフロ・ブラジレイロ性”を取り戻す試み。Glaw Nader『Tempo de Amor』

ブラジル・ミナスジェライス州ベロオリゾンチの歌手グラウ・ナデル(Glaw Nader)がデビューアルバム『Tempo de Amor』をリリースした。アフロ・ブレジレイロ(アフリカ系ブラジル人)の音楽や文化とジャズの相互作用を研究する彼女が、このアルバムで選んだテーマは黒人音楽家としてのバーデン・パウエルの再解釈だ。

  • 2024-02-22
  • 2024-02-22

アンドレ・メマーリ、ブラジル音楽史に埋もれた作曲家を甦らせる新譜『Sombra e Luz』

ブラジル随一のピアニスト、アンドレ・メマーリ(André Mehmari)が新しいソロピアノ・アルバム『Sombra e Luz』をリリースした。これはショーロ黎明期の作曲家マルセロ・トゥピナンバ(Marcello Tupynamba, 1889 - 1953)の作品集で、これまでに作家単体をテーマとしたアルバムとしてはエルネスト・ナザレー作品集『Ouro Sobre Azul – Ernesto Nazareth』(2014年)やノエル・ホーザ作品集『Noël: Estrela da Manhã』(2020年)に続くものとなる。

  • 2024-02-20
  • 2024-02-19

人気サンビスタ・ソンブリーニャ、早逝の社会派SSWゴンザギーニャへのトリビュート作

人気パゴーヂ・バンド、フンド・ヂ・キンタウ(Fundo de Quintal)の初期メンバーのひとりであり、絶大な人気を誇る歌手/作曲家/弦楽器奏者ソンブリーニャ(Sombrinha)の新譜『Viver Gonzaguinha』は、その名の通りブラジル音楽を代表するSSWゴンザギーニャ(Gonzaguinha, 1945 - 1991)への愛情溢れるトリビュート作品だ。

  • 2024-02-12
  • 2024-02-12

コンビに乗り世界を旅する国境なきバンド「Čao Laru」。音楽的ルーツ“ミナス”をテーマにした新譜

2015年にブラジル系フランス人たちによって結成された旅とともにあるバンド、チャオ・ラルー(Čao Laru)。彼らは新作『Minas』で、自身たちのルーツであるブラジル音楽により深く潜り込んだ。街角クラブ(Clube da Esquina)からグラヴェオーラ(Graveola)までミナス・ジェライスの音楽をこよなく愛する彼らは、ブラジルから多くのゲスト・ミュージシャンを彼らの“コンビ”に招き、4枚目のアルバムを完成させた。

  • 2024-02-11
  • 2024-02-11

アンドレア・モティスがチリの室内楽団と奏でる、ラテンアメリカの幸せな“2月”の歌たち

カタルーニャの歌手/トランペット奏者アンドレア・モティス(Andrea Motis)が、南米チリの室内楽団カメラータ・パパゲーノ(Camerata Papageno)と録音した新譜『Febrero』がリリースされた。タイトルは「2月」の意味だが、北半球の寒い2月ではなく、南米の暑い夏を祝う意が込められている。毎年のようにチリを訪れているアンドレア・モティスにとって、2月とは“喜び、カーニバル、友情、花、太陽、光、熱の象徴”なのだという。

  • 2024-02-05
  • 2024-02-03

ブラジル北東部音楽の雄アルセウ・ヴァレンサ、歓喜と狂乱のフレーヴォ・アルバム

ペルナンブーコ州の田舎町サン・ベント・ド・ウナ(São Bento do Una)で1946年に生まれ、幼い頃に家族で州都レシーフェに引っ越したアルセウ・ヴァレンサ(Alceu Valença)は、幼少期に家の前を通りレシーフェの中心部に向かうカルナヴァルのブロコをよく記憶している。彼の家の右側にはフレーヴォの巨匠ネルソン・フェレイラがおり、左側にはペルナンブーコを代表する詩人カルロス・ペナ・フィーリョが住んでいた。

  • 2024-02-04
  • 2024-02-03

ファビアーノ・ド・ナシメント&サム・ゲンデル、音楽の普遍の美しさを体現する初デュオ作

7弦ギター奏者のファビアーノ・ド・ナシメント(Fabiano do Nascimento)と、サックス奏者のサム・ゲンデル(Sam Gendel)の初デュオ作『The Room』は、南米のシャーマニックな土着音楽が主なレパートリー。ギターとソプラノサックスのみという編成ながら、多彩な奏法を用い、実に色彩豊かで美しい音楽を作り上げている傑作だ。