- 2026-10-03
- 2026-10-02
ジャズ、ヒップホップ、クラシック、プログレの間を自在に流れる幾何学的な音楽。Claudio Vignali『Flow』
イタリアのピアニスト/作曲家クラウディオ・ヴィニャーリ(Claudio Vignali)が、新譜『Flow』をリリースした。ピアノ、8弦エレクトリック・ギター、ドラムスという編成を軸とし、奇数系変拍子やラップなどを取り入れた非常にクオリティの高いコンテンポラリー・ジャズ作品となっている。
イタリアのピアニスト/作曲家クラウディオ・ヴィニャーリ(Claudio Vignali)が、新譜『Flow』をリリースした。ピアノ、8弦エレクトリック・ギター、ドラムスという編成を軸とし、奇数系変拍子やラップなどを取り入れた非常にクオリティの高いコンテンポラリー・ジャズ作品となっている。
“サイケデリック・グルーヴ”を掲げるオランダ・ユトレヒトの6人組バンド、カーヴァロ・ネーロ(Cavolo Nero)による初のフル・アルバム『Mountain Disco』。山の中にある架空のクラブ「Mountain Disco」では、アフロビートも、ファンクも、ディスコも、クンビアも、サイケデリック・ロックも関係なく、ただ音楽が鳴っている。日常のことはいったん忘れて、踊る──そんな幸せな場所が、このアルバムのテーマだ。
フィンランドのアンダーグラウンド・シーンで活動するマルチ奏者/作曲家サミ・アレクシ・ケイナネン(Sami Aleksi Keinänen)が、ソロプロジェクト、スムポサウッタヤ(Sumuposauttaja)名義でのアルバム『Work and Play』をリリースした。ローファイ・ポップを起点に、パーカッション多めの生バンドのアンサンブルによって西アフリカ系のリズムを孕んだ、レトロな質感のある心地よいグルーヴを生み出す優れたアルバムに仕上がっている。
ポーランドを代表するジャズ・ヴァイオリニスト、アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、新たに結成した多国籍カルテットでの演奏を収録した新譜『Endless』をリリースした。僕はこの音楽家の音色や表現力が大好きなので、やや偏愛的なレビューになってしまうかもしれないけれど、やはり彼の音楽は最高だ。この地球上で最高に美しい音楽のひとつだと言って過言ではないと思う。
イタリアのピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が変則ピアノトリオで録音した2000年のアルバム『Racconti mediterranei』を聴き返している。サルヴァドール・ソブラルが2017年のユーロビジョン・ソングコンテストの授賞式で無邪気に言い放った言葉を借りれば、“内容のほとんどない、使い捨ての無意味な音楽が蔓延するこの世界”なのだからこそ、ときどきはこういう本物の音楽に立ち返り、体の芯から暖かく沸き立つような人間らしい感情の震えに身を任せたくなるのだ。
オーストリア・ウィーンを拠点とするジャズ集団シェイク・スチュー(Shake Stew)は、2016年の結成以降、その先進的な音楽性で注目を浴び、とりわけクラウトロックの反復するリズムやサイケデリックな感覚と現代ジャズやアフロビートなどを融合させた“クラウトジャズ”の代表格として称賛を浴びてきた。結成10周年を記念して制作された2枚組大作『TEN ONE TWO』は、そうした彼らの歩みを総括すると同時に、次の10年へ向けた宣言でもある。
スウェーデンのシンガーソングライター、スミエ(Sumie、本名サンドラ・スミエ・ナガノ)の9年ぶりとなるアルバム『Stardust In Valleys』は、ギターと声を中心としたシンプルなサウンドによって、驚くほど豊かな感情を包み込んだ優れた北欧フォーク作品だ。
フランスの新鋭ピアニスト、トリスタン・メリア(Tristan Mélia)のソロピアノ作『The Bird in My Heart』が素晴らしい。アルバムはピアノ演奏、録音、ミキシング、マスタリングがすべて彼自身によって行われており、真に内省的な制作プロセスを通じて生み出された音にはアーティストの独白が綴られており、さらにはその奥に秘められた彼の魂の咆哮を感じさせる。3曲のカヴァーと、5曲のオリジナルを収録。
北欧を代表するピアノトリオ、ソーレン・ベーべ・トリオ(Søren Bebe Trio)による9枚目のスタジオ・アルバム『Gratitude』がリリースされた。デンマークの音楽賞にノミネートされた前作『Here Now』(2023年)で確立された、ベーシストのカスパー・テーイル(Kasper Tagel)とドラマーのクヌート・フィンスルー(Knut Finsrud)とのピアノトリオ編成で、オリジナル曲を中心に北欧らしい抑制された美学が貫かれた作品となっている。
フランスの人気ピアノトリオ、EYM Trio はこれまで世界中をツアーする合間に、訪れた街の街角で、海辺で、廃墟で、ときには火山の火口付近で、「ノマド・セッション」と彼らが呼ぶ屋外セッションを繰り広げてきた。2019年から続けられてきたこのプロジェクトの動画は、2026年7月現在で13本あり、それらはYouTubeの彼らの公式チャンネルで観ることができる。2026年7月にデジタル・リリースされた彼らの新作『NOMAD SESSIONS』は、そのノマド・セッションの集大成的なアルバムだ。
ビョーク(Björk)がポルトガル語で歌い上げた、ミルトン・ナシメントの大名曲「Travessia(トラヴェシーア)」。録音には、オリジナルの「Travessia」のアレンジにも関わったエウミール・デオダートも参加している。 エイズ撲滅支援の世界的プロジェクト『Red Hot + Rio』のために録音されながらも、結果的に公式リリースを見送られ、「幻の音源」となってしまった。当時の報道では、ビョークがこの仕上がりを気に入り、自身の新作のために取っておきたいと考えたためだと伝えられている。だが、その後の公式アルバムにも収録されず、現在知られている音源は、のちに一部の非公式コンピレーション(『Icelandic Mysteries』など)に収録された音源だ。現在のところ、正規のディスコグラフィーには残らない「アウトテイク」となってしまっている。
深編笠を被った三兄弟が、先祖代々から受け継いだ創作楽器を用い、国籍不明の独創的な音楽を奏でる── 彼らはタコ・トキ(Tako Toki)という、フランスを拠点に活動するグループだ。グループ名は日本語のタコ(蛸)に、韓国語でウサギを表すトキ(토끼)を組み合わせたもの。先祖のルーツはベトナム、韓国、日本、沖縄、インドネシアに跨るらしい。
『Pont De Vie』はアコースティックギター、ダブルベース、バンドネオンのトリオ編成という珍しい作品ながら、地中海から北欧まで旅するようなシネマティックな音像が素晴らしく、静かな夜にじっくりと耳を傾けたい作品だ。 演者はポーランド出身のギタリストのマチェク・ピシュ(Maciek Pysz)、ロシア出身のベース奏者ユーリ・ゴルベフ(Yuri Goloubev)、そしてイタリアのバンドネオン奏者ダニエレ・ディ・ボナヴェンチュラ(Daniele di Bonaventura)。
フランス南部オクシタニア地方の都市トゥールーズを拠点に活動する女性デュオ、コカーニャ(Cocanha)の3枚目となるアルバム『Flame Folclòre』には、長いあいだ周縁へと追いやられてきた言語と文化を現代へ取り戻そうとする強い意志が込められている。アルバムタイトルを直訳すれば「燃えるフォークロア」。彼女たちにとってフォークロア(伝統文化)とは、観光パンフレットの装飾でも、懐古趣味の対象でもない。Cocanhaの二人は本作を通じて、フォークロアを現在を生きるための文化的実践として再定義しようとしている。