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ヨーロッパ

  • 2026-11-03
  • 2026-11-01

30年の対話が紡ぐ、叙情のピアノ・トリオ。ベルギー、ミシェル・ビスチェリア・トリオ新作『The Virgo』

ベルギーを代表するジャズ・ピアノ・トリオ、ミシェル・ビスチェリア・トリオ(Michel Bisceglia Trio)が、結成30周年を記念して発表したアルバム『The Virgo』。ピアノのミシェル・ビスチェリア(Michel Bisceglia)、ベースのヴェルナー・ラウシャー(Werner Lauscher)、ドラムスのマーク・レハン(Marc Lehan)という30年間にわたり不動のメンバーによる通算8作目のスタジオ・アルバムで、長年にわたって培ってきたアンサンブルを土台に、叙情的な旋律と即興演奏の自由を追求している。

  • 2026-10-31
  • 2026-10-30

「ジャズバンドのふりをして」。ポーランドの実験的トリオ、Młynが仕掛ける電子音響と即興の遊び

ポーランド南西部の都市ヴロツワフを拠点とするトリオ、ムウィン(Młyn)が、アルバム『Cały ten jazz』をリリースした。鍵盤、ドラムス、ライヴ・エレクトロニクスという編成で、ジャズ、即興演奏、実験的な電子音楽の境界を自在に行き来する。タイトルを英語にすれば「All That Jazz」。しかし、彼ら自身はジャズというジャンルに、少々ひねくれた距離感を持っているようだ。

  • 2026-10-22
  • 2026-10-21

世界の音楽が交わるカルト的レアグルーヴ! スペインの音楽家アントニウスが探る、ジャズの起源と可能性

スペインの鍵盤奏者/プロデューサー、アントニウス(Anthonius)による新作『Origen』が、彼自身が創設したマドリードのレーベル、トコノマ・レコード(Tokonoma Records)からリリースされた。2023年の『Goshinboku』以来となるアルバムで、モーダル・ジャズやスピリチュアル・ジャズを軸に、エジプト、エチオピア、カーボベルデ、ブラジル、カリブ海地域、アンダルシアなど、世界各地の音楽文化から影響を受けた7曲を収録している。

  • 2026-10-21
  • 2026-10-21

理屈を超え、魂と身体を解き放つ。ベルギー発スピリチュアル・ジャズ、オラ・トゥンジ『Trust』

女性サックス奏者オルネラ・ヌレ(Ornella Noulet)をリーダーとし、ベルギー・ブリュッセルを拠点とする4人組オラ・トゥンジ(Ola Tunji)が、初アルバム『Trust』で鮮烈なデビューを飾った。ナイジェリア生まれのパーカッション奏者ババトゥンデ・オラトゥンジ(Babatunde Olatunji, 1927 - 2003)へのオマージュを込めたこのバンドは、彼がジョン・コルトレーンやファロア・サンダースをはじめとするアメリカの1960年代スピリチュアル・ジャズに与えた影響を、それから半世紀を経た現代に実に生々しく蘇らせている。

  • 2026-10-20
  • 2026-10-20

サルヴァドール・ソブラル、歌う喜びを取り戻すブラジル音楽への旅。『A Flor do Recomeço』

2017年にユーロビジョン・ソング・コンテストで優勝し、ポルトガルに初の栄冠をもたらした歌手、サルヴァドール・ソブラル(Salvador Sobral)。ジャズを基盤に、繊細な和声感覚と独特の歌唱表現を磨いてきた彼が、ブラジル音楽への深い愛着を形にした新作『A Flor do Recomeço』をリリースした。

  • 2026-10-18
  • 2026-10-11

エンリコ・ピエラヌンツィ新譜『Improclassica』──クラシックとジャズの鮮やかな架け橋となる情感豊かな傑作

細部まで緻密に編曲されたオーケストラと、ジャズのピアノトリオによる即興演奏による素晴らしくエキサイティングな新譜だ。イタリアを代表するピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)の2026年作『Improclassica』。そのタイトル通り、西洋クラシックの名曲をモチーフとしたジャズ・インプロヴィゼーション(即興)の作品である。

  • 2026-10-06
  • 2026-10-05

異なる音楽文化を背景に集った意外なカルテット! ソプラノサックス奏者エミール・パリジャン新作『Floating』

フランスのソプラノサックス奏者/作曲家エミール・パリジャン(Émile Parisien)の新譜『Floating』は、多くのジャズファンが驚く作品だろう。カルテット編成だが、まず目を引くのはそのメンバー構成だ。ピアノにイスラエル出身の異色の経歴で知られるヤロン・ヘルマン、ベースには名実ともに現代ジャズ最高峰の女性ダブルベース奏者リンダ・メイ・ハン・オー、そしてタブラ/パーカッションにはインド系のプラブー・エドゥアールという、それぞれ実力は折紙付きながらなぜこの4人なのか?という謎めいた編成だ。

  • 2026-10-03
  • 2026-10-02

ジャズ、ヒップホップ、クラシック、プログレの間を自在に流れる幾何学的な音楽。Claudio Vignali『Flow』

イタリアのピアニスト/作曲家クラウディオ・ヴィニャーリ(Claudio Vignali)が、新譜『Flow』をリリースした。ピアノ、8弦エレクトリック・ギター、ドラムスという編成を軸とし、奇数系変拍子やラップなどを取り入れた非常にクオリティの高いコンテンポラリー・ジャズ作品となっている。

  • 2026-09-15
  • 2026-09-14

山の上のディスコへようこそ。ここでは、何も考えずにただ音楽を聴き、踊ればいい──Cavolo Nero『Mountain Disco』

“サイケデリック・グルーヴ”を掲げるオランダ・ユトレヒトの6人組バンド、カーヴァロ・ネーロ(Cavolo Nero)による初のフル・アルバム『Mountain Disco』。山の中にある架空のクラブ「Mountain Disco」では、アフロビートも、ファンクも、ディスコも、クンビアも、サイケデリック・ロックも関係なく、ただ音楽が鳴っている。日常のことはいったん忘れて、踊る──そんな幸せな場所が、このアルバムのテーマだ。

  • 2026-09-09
  • 2026-08-25

フィンランド発、アフロポップとジャズ、Lo-Fi Popの交差点。Sumuposauttaja Band『Work and Play』

フィンランドのアンダーグラウンド・シーンで活動するマルチ奏者/作曲家サミ・アレクシ・ケイナネン(Sami Aleksi Keinänen)が、ソロプロジェクト、スムポサウッタヤ(Sumuposauttaja)名義でのアルバム『Work and Play』をリリースした。ローファイ・ポップを起点に、パーカッション多めの生バンドのアンサンブルによって西アフリカ系のリズムを孕んだ、レトロな質感のある心地よいグルーヴを生み出す優れたアルバムに仕上がっている。

  • 2026-09-06
  • 2026-09-05

あまりに美しいルネサンス・ヴァイオリンが心を動かす。アダム・バウディヒ新譜『Endless』

ポーランドを代表するジャズ・ヴァイオリニスト、アダム・バウディヒ(Adam Baldych)が、新たに結成した多国籍カルテットでの演奏を収録した新譜『Endless』をリリースした。僕はこの音楽家の音色や表現力が大好きなので、やや偏愛的なレビューになってしまうかもしれないけれど、やはり彼の音楽は最高だ。この地球上で最高に美しい音楽のひとつだと言って過言ではないと思う。

  • 2026-08-26
  • 2026-08-24

イタリア最高峰ピアニスト、エンリコ・ピエラヌンツィ名盤『Racconti mediterranei』

イタリアのピアニスト/作曲家エンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)が変則ピアノトリオで録音した2000年のアルバム『Racconti mediterranei』を聴き返している。サルヴァドール・ソブラルが2017年のユーロビジョン・ソングコンテストの授賞式で無邪気に言い放った言葉を借りれば、“内容のほとんどない、使い捨ての無意味な音楽が蔓延するこの世界”なのだからこそ、ときどきはこういう本物の音楽に立ち返り、体の芯から暖かく沸き立つような人間らしい感情の震えに身を任せたくなるのだ。

  • 2026-08-19
  • 2026-08-18

Shake Stew、10周年を記念する新譜『TEN ONE TWO』で見せたクラウトジャズの到達点

オーストリア・ウィーンを拠点とするジャズ集団シェイク・スチュー(Shake Stew)は、2016年の結成以降、その先進的な音楽性で注目を浴び、とりわけクラウトロックの反復するリズムやサイケデリックな感覚と現代ジャズやアフロビートなどを融合させた“クラウトジャズ”の代表格として称賛を浴びてきた。結成10周年を記念して制作された2枚組大作『TEN ONE TWO』は、そうした彼らの歩みを総括すると同時に、次の10年へ向けた宣言でもある。

  • 2026-08-12
  • 2026-08-02

スウェーデンのSSWスミエ・ナガノ 病を経て命と向き合った、儚げな北欧フォーク作『Stardust In Valleys』

スウェーデンのシンガーソングライター、スミエ(Sumie、本名サンドラ・スミエ・ナガノ)の9年ぶりとなるアルバム『Stardust In Valleys』は、ギターと声を中心としたシンプルなサウンドによって、驚くほど豊かな感情を包み込んだ優れた北欧フォーク作品だ。