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ヨーロッパ

  • 2024-02-15
  • 2024-02-14

欧州ジャズ最高峰の3人が真摯に奏でる、おそろしいほどに美しく深いアルバム『Traveller’s Ways』

ピアニストのエンリコ・ピエラヌンツィ(Enrico Pieranunzi)、ベース奏者イェスパー・サムセン(Jasper Somsen)、そしてクラリネット奏者ガブリエーレ・ミラバッシ(Gabriele Mirabassi)。長年にわたって欧州ジャズの高いクオリティと抒情性の代名詞的な存在だった巨匠3人によるトリオ作『Traveller's Ways』がリリースされた。

  • 2024-02-11
  • 2024-02-11

アンドレア・モティスがチリの室内楽団と奏でる、ラテンアメリカの幸せな“2月”の歌たち

カタルーニャの歌手/トランペット奏者アンドレア・モティス(Andrea Motis)が、南米チリの室内楽団カメラータ・パパゲーノ(Camerata Papageno)と録音した新譜『Febrero』がリリースされた。タイトルは「2月」の意味だが、北半球の寒い2月ではなく、南米の暑い夏を祝う意が込められている。毎年のようにチリを訪れているアンドレア・モティスにとって、2月とは“喜び、カーニバル、友情、花、太陽、光、熱の象徴”なのだという。

  • 2024-02-10
  • 2024-02-10

現代最高峰のクレオール・ジャズ。グレゴリー・プリヴァ、不死鳥の伝説にインスパイアされた新作

並外れたジャズピアニストであり、カリブ海のクレオール文化の伝道師でもあるグレゴリー・プリヴァ(Grégory Privat)。現代ジャズのシーンにおいても唯一無二の存在感を発揮する彼の新作『Phoenix』は、彼の音楽的創造性の集大成であり、おそらくはキャリアハイの作品なのではないだろうか。

  • 2024-02-08
  • 2024-02-07

調律の異なる2台のグランドピアノとルネサンス・ヴァイオリンによる異色のデュオ作

ヴァイオリニストのアダム・バウディヒ(Adam Baldych)と、ピアニストのレシェック・モジジェル(Leszek Możdżer)。ポーリッシュ・ジャズを代表するこの2人によるデュオ・アルバム『Passacaglia』は、期待を超える素晴らしい作品だった。クラシックとジャズを内包しながらもそのどちらとも異なる、プリミティヴな“音楽そのもの”の体験はまさに唯一無二だ。

  • 2024-01-28
  • 2024-01-27

ポーランドの人気女性ベース奏者キンガ・グゥイク、マイケル・リーグと組んだ新譜『Real Life』

1997年ポーランド生まれのベーシスト/作曲家キンガ・グゥイク(Kinga Głyk)が、前作『Feelings』から4年以上ぶりとなる新作『Real Life』をリリースした。今回は共同プロデューサーにスナーキー・パピーのマイケル・リーグ(Michael League)を迎え、これまでの作品にも通底するジャコ・パストリアスやスタンリー・クラーク的な音楽表現を引き続き基幹に据えつつ、これまで以上に洗練された現代のジャズファンク/フュージョンを気持ちよく聴かせてくれる絶品に仕上がっている。

  • 2024-01-27
  • 2024-01-24

ギリシャの伝統と革新併せ持つジャズ。名トランペッターによる『ペトリコール』──雨の匂い

ギリシャのトランペット奏者/作曲家アンドレアス・ポリツォゴプロス(Andreas Polyzogopoulos)が、同じくギリシャのベーシストのペトロス・クランパニス(Petros Klampanis)と、チュニジア出身で欧州で活躍するピアニストのワジディ・リアヒ(Wajdi Riahi)を迎えて録音した瞑想的な変則トリオ作『Petrichor』。

  • 2024-01-25
  • 2024-01-24

カメルーン系フランス人ラッパー James BKS、自身のルーツ“アフリカ”を探求する2部作

カメルーン系フランス人のラッパー/プロデューサー、ジェイムス・BKS(James BKS)のデビューアルバムである二部作『Wolves of Africa』は、アフリカン・ディアスポラである彼が多くのミュージシャンを迎えてそのルーツを探ろうとするアフリカ系ヒップホップの傑作だ。2022年にリリースされた『Part 1/2』、そして2023年リリースの第二弾『2/2』ともに素晴らしい内容で、ここでまとめて紹介したい。

  • 2024-01-14
  • 2024-01-14

真摯に音楽と人生に向き合う現代最高の歌手サルヴァドール・ソブラル、新作『TIMBRE』から伝わるあたたかさ

ユーロビジョン・ソングコンテストの最高得点記録保持者として著名なポルトガル出身のSSW、サルヴァドール・ソブラル(Salvador Sobral)の4枚目のアルバム『TIMBRE』は、彼の持ち味である柔和な歌声がジャズの影響を受けた美しいサウンドに馴染む、とても良質な音楽作品だ。

  • 2024-01-09
  • 2024-01-08

ベルギー現代ジャズの気鋭奏者集結。イタリア出身ドラマー、アルマンド・ルオンゴのデビュー作

イタリア出身ベルギー在住のドラマー、アルマンド・ルオンゴ(Armando Luongo)がセクステットで録音したデビュー作『New Lands』。全曲が彼の作曲で、演奏陣はピアノのワジディ・リアヒ、ベースのバシーレ・ラオラ、トランペットのジャン=ポール・エスティヴィナート、サックスのマット・チャルク、そしてギターのジョヴァンニ・ディ・カルロというベルギーのジャズシーンで躍進する気鋭の若手で固められている。

  • 2024-01-08
  • 2024-01-08

伊気鋭女性ジャズピアニスト、シャーデー・マンギアラシーナ “祈り”を主題にした重厚な2枚組新譜

イタリアのピアニスト、シャーデー・マンギアラシーナ(Sade Mangiaracina)がすべての人々が関わるべき抽象的で神聖なものに捧げる2枚組の新作。情緒豊かで調和のとれたVol.1と、悲嘆に咽び泣くようなトランペットが印象深いVol.2の対比も素晴らしい。アルバムは今この時代・社会でもっとも必要と思われる”祈り”(1)「My Prayer」で始まる。

  • 2024-01-03
  • 2024-01-01

ロシア出身の気鋭ピアニストが苦悩の心中を吐露。反戦への強い想いの滲む3rdアルバム『Between the Times』

ロシア・モスクワ州出身、ドイツ・ベルリン在住のピアニスト/作曲家スヴェトラーナ・マリンチェンコ(Svetlana Marinchenko)の3rdアルバム『Between the Times』がリリースされた。これまで好奇心に溢れたプログレッシヴな音楽を放ってきた彼女にとって、今作はより社会的なテーマへと変遷を遂げたアルバムに仕上がっている──もちろん、それは彼女を取り巻く社会情勢に強く影響を受けたものだ。

  • 2024-01-02
  • 2024-01-01

統率の混沌の狭間を征くノルウェー発の現代フリージャズ。Andreas Røysum Ensemble 新作『Mysterier』

クラリネット奏者アンドレアス・ロイサム(Andreas Røysum)が率いるノルウェーの総勢12名の若い器楽奏者によるフリージャズ・バンド、アンドレアス・ロイサム・アンサンブル(Andreas Røysum Ensemble)が3枚目となるアルバム『Mysterier』をリリース。2人のドラマー、2人のベーシスト、木管4、金管2、そしてフィドルとチェロという編成で、統制とカオスを流動的に行き来する演奏はリスナーを興奮の渦に飲み込む。