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ヨーロッパ

  • 2023-12-22
  • 2023-12-16

自由な感性がぶつかり合う、完全即興北欧ジャズの傑作。デンマークの名手カーステン・ダールのピアノトリオ作『Prism』

デンマークのピアノ奏者カーステン・ダール(Carsten Dahl)と、ノルウェーのベース奏者オーレ・モルテン・ヴォーガン(Ole Morten Vågan)、そしてラトビア出身のドラムス奏者イヴァルス・アルトゥニアン(Ivars Arutyunyan)。北欧の名手3人による『Prism』は、ジャズらしいスウィング感も、欧州らしい抒情性も兼ね備えた見事なアルバムだ。

  • 2023-12-21
  • 2023-12-16

ジャズ・ハープの新たな可能性を切り拓く! エジプトにルーツを持つ女性エレクトリック・ハープ奏者のデビュー作『Passing By』

エジプトにルーツを持つギリシャ生まれのハープ奏者、マリア=クリスティーナ・ハーパー(Maria-Christina Harper)が、イギリスのサックス奏者ジョセフィン・デイヴィス(Josephine Davies)と、ニュージーランド生まれでロンドンで活躍するドラマー、エヴァン・ジェンキンス(Evan Jenkins)とのトリオ「ハーパー・トリオ(Harper Trio)」で野心的なデビュー作『Passing By』をリリース。

  • 2023-12-11
  • 2023-12-11

フランスを代表する女性サックス奏者ソフィー・アルール、自己の内面を深く探求する9枚目のアルバム『Le temps virtuose』

フランスのサックス/フルート奏者ソフィー・アルール(Sophie Alour)の9枚目のスタジオ・アルバム『Le temps virtuose』に派手さや分かりやすさはない。サックス、ギター、チェロ、ドラムスという編成も珍しいし、ジャズらしいスウィングもない。リズムはあるが、それを強力に推進するグルーヴも希薄。それでも不思議とどこか惹かれるものがあり、ふとしたときに自然と再生してしまうような類のアルバムだ。

  • 2023-12-10
  • 2023-12-09

ドイツの新星サックス奏者ヴィクター・フォックス、やり場のないエネルギーが炸裂するデビュー・アルバム『Mumble Jazz』

サーキュラー・ブリージー(Circular Breeezy)の名でも知られる2000年生まれのドイツのサックス奏者/作曲家ヴィクター・フォックス(Victor Fox)。彼のデビュー作『Mumble Jazz』で彼の音を初めて聴いたが、もうめちゃくちゃに熱く、クレイジーで最高だ。

  • 2023-12-09
  • 2023-12-09

父から娘へ受け継がれる音楽への情熱。フランスの人気歌手カミーユ・ベルトー、新作はなんと音響技師の父とのデュオ・アルバム!

音楽への情熱や、その才能は親から子へと代々受け継がれていくものらしい。YouTubeの投稿から一躍人気歌手となったフランスのカミーユ・ベルトー(Camille Bertault)の音楽への情熱は、音響技師であり、クラシックを学びジャズを愛好したアマチュアのピアニストである父ポール・ベルトー(Paul Bertault)による幼少期からの指導によって育まれていった。

  • 2023-12-08
  • 2023-12-07

チュニジア出身のヴィオラ・ダモーレ奏者ジャッセル・ハジ・ユーセフ、フランスの古城で紡ぐ瞑想的な音楽

チュニジア出身のヴィオラ・ダモーレ奏者ジャッセル・ハジ・ユーセフ(Jasser Haj Youssef)の新作『Reminiscence』は、フランスの世界遺産シャンボール城の広間で収録した深淵な響きが神秘的で美しい作品だ。収録曲のほとんどはヴィオラ・ダモーレの独奏だが、数曲でガエル・カドー(Gaël Cadoux)がローズピアノを演奏しており、古楽器と電気楽器の対比も面白い。

  • 2023-12-05
  • 2023-12-05

ウクライナ発、洗練された情感と技巧を併せ持つ現代ジャズ新譜。ローラ・マルティ&ナターリヤ・レベジェヴァ・トリオ『Waves』

ウクライナの歌手ローラ・マルティ(Laura Marti)と、ピアニストのナターリヤ・レベジェヴァ(Nataliya Lebedeva)のピアノトリオによるオリジナル曲集『Waves』がリリースされた。ラーシュ・ダニエルソンの楽曲を取り上げた前作『Africa』と同じメンバーによる演奏で、ブラジルのDDG4にも通ずる軽やかなグルーヴが最高に心地よい現代的なジャズ作品となっている。

  • 2023-12-04
  • 2023-12-04

セルビア・ベオグラード発、バルカン音楽の再構築を掲げるエスノ・ノイズ「Lenhart Tapes」

セルビア・ベオグラード発、“エスノ・ノイズ”を標榜するレンハルト・テイプス(Lenhart Tapes)の2ndアルバム『Dens』。バルカン半島の音楽の再構築を掲げ、ループするサイケデリックなリズムとエスノ・フォークな女性ヴォーカルが強い残り香を残す作品だ。

  • 2023-12-02
  • 2023-12-03

ベルリンから、今にも爆発しそうな“ジャズの未来”が現れた──。Moses Yoofee Trio デビューEP『Ocean』

ドイツ・ベルリンを拠点に、その圧倒的なライヴ・パフォーマンスなどで急速に熱狂的ファンを拡大するモーゼス・ユーフィー・トリオ(Moses Yoofee Trio)が初のミニアルバム『OCEAN』をリリースした。かなりセンセーショナルな出来栄えで、必聴の作品と言って過言ではないだろう。

  • 2023-11-30
  • 2023-11-27

未踏の音楽を探求するエドゥアール・フェルレ、人間と機械による驚異のピアノデュオ作品『PIANOïD²』

独特の視点・さまざまなアプローチ方法でピアノという楽器の可能性の探求を続けてきたフランスの先駆的ピアニスト/作曲家エドゥアール・フェルレ(Edouard Ferlet)が『PIANOïD²』をリリース。ヤマハの「ディスクラヴィア」によってコントロールされた自動演奏ピアノと、自身が即興も交え演奏するサイレントピアノという2台のピアノによる未踏の音楽が繰り広げられる。

  • 2023-11-24
  • 2023-11-28

バルカン音楽の鬼才ゴラン・ブレゴヴィッチ、故郷サラエボの多様性に捧げる最新作『世界の臍』

新型コロナによって世界中の音楽家がツアーの中止を余儀なくされた数年間の膨大な時間は、旧ユーゴスラビアでもっとも著名な音楽家の一人であるゴラン・ブレゴヴィッチ(Goran Bregović)にとってもまた、新たな創作活動に勤しむ貴重な機会となったようだ。そうして生み出された彼の新作『The Belly Button of the World』は、キリスト教、ユダヤ教、イスラム教それぞれを信仰する人々をテーマとした3つの作品を含む壮大な叙事詩となった。

  • 2023-11-22
  • 2023-11-22

フランスから要注目の新星ピアノトリオ登場。マルク・プリオーレ・トリオのデビュー作『Initio』

フランスの新鋭ピアノトリオ、マルク・プリオーレ・トリオ(Mark Priore Trio)がデビュー作『Initio』をリリースした。トリオは2023年に創設されたばかりの若手ジャズタレント・コンテストであるルネ・ユルトルジェ賞(Prix René Urtreger)の審査員賞に輝いており、本作ではフレンチ・ジャズの次世代を担うであろう彼らの実力を余すところなく鑑賞することができる。

  • 2023-11-03
  • 2023-11-03

【特集】世界にみる音楽〜ベルリン2023

「地球の音楽」を意味する、本サイト「ムジカテーハ(Musica Terra)」。世界の良質な音楽を皆様にご紹介しているわけであるが、果たして実際に現地ではどのような音楽が聴かれているのであろうか?本特集の第1回はドイツ・ベルリン。オーケストラが有名な音楽の都で実際に流れる「音」の旅をお届けしたい。